衆院解散観測や米国の動向が影響したドル円相場の一週間を分析し、来週の予想レンジや重要イベントを解説。
今週(1/12〜1/16)のドル円相場を振り返る
今週のドル円は、円安基調が継続し、159円台後半まで上昇する展開となった。2024年7月以来の高値を更新し、強いドル買い・円売りの流れが目立つ週であった。
円安が進んだ主な背景
① 日本の政治イベントが円売りを誘発
衆議院解散・総選挙の観測が強まり、市場では 「選挙後の政策が財政拡大につながり、円安方向に作用する」 eとの思惑が広がった。
高市首相が1月19日に記者会見を予定しており、そこで解散が正式に発表されるとの見方が強まっている。
② 日本政府の円安けん制は限定的な効果
片山財務相や三村財務官が「必要ならあらゆる手段を排除しない」と発言したが、市場では 「為替介入は効果が一時的にとどまる」 との認識が根強く、円高方向への反転は限定的であった。
③ 米国経済の堅調さがドルを下支え
米経済指標が底堅く推移し、ドル買いを支える要因となった。
米財務省が日本側に「過度な円安への懸念」を伝えたとの報道もあったが、相場への影響は一時的であった。
来週(1/19〜1/23)のドル円相場展望
来週は、政治イベントと当局発言が相場の方向性を左右する重要な週となる見通しである。
● 注目イベント(日本)
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1月19日:高市首相の記者会見(衆院解散の正式発表見込み)
市場はある程度織り込んでいるものの、発言内容次第では円安がさらに進む可能性がある。 -
選挙後の政策期待(財政拡大)
財政支出拡大の思惑は円安方向に働きやすい。
注目イベント(海外)
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米国の対日圧力の可能性
円安が米製造業に悪影響を与えるとの懸念から、米政府が追加のけん制発言を行うリスクがある。 -
米最高裁のトランプ関税に関する判断
違憲判断となれば、為替政策への影響が大きく、ドル円のボラティリティ要因となり得る。 -
1月23日:欧州PMI速報値
ユーロドルの動きがドル円に波及する可能性がある。
テクニカル見通し
今週は159円ミドルと、160円に接近する場面もみられたが、週足でみると大きな上ヒゲを付けた陰線で越週した。本邦の解散総選挙の思惑から円安が進んだ格好だが、160円を超えていくには今の段階ではやや材料不足だったものと思われる。下げ幅は小幅ながらも円安方向への勢いはややなくなってきた印象がある。
目先はやや勢いが無くなってきており、日足ではいったんのメドが20日EMAの157.30あたりと思われる。テクニカル的には依然として買い圧力が非常に強い状況であり、この水準で押し目となると再び160円方向へと向かう可能性もあるが、上昇は一時的であろう。
仮に、解散総選挙が行われるのであれば、ファンダメンタルズとしてもその結果が出るまではポジションを傾けにくく、しばらく売買が交錯した時間が続くものと思われる。
来週の相場ポイント
円安トレンドは継続しやすい
- 選挙関連の思惑
- 財政拡大期待
- 海外勢の円売り
これらが円安方向の流れを維持する要因となる。
最大のリスクは「当局のけん制」
日本政府や米財務省の発言、為替介入の可能性は突然出てくるため、 急激な値動き(乱高下)に注意が必要である。
米国の景気がドルを支える
米経済が堅調である限り、ドル売りは限定的となる見通しである。
まとめ
来週のドル円は、円安基調を維持しつつも、政治イベントと当局発言によって乱高下しやすい相場となる見通しである。
- 円安方向:選挙関連の思惑、財政拡大期待
- 円高方向:日本・米国のけん制発言、介入リスク
とくに1月19日の首相会見は最大の注目材料である。
160円台では慎重な姿勢が求められ、押し目を短期で狙うなど、リスク管理を重視したトレードが重要な週となろう。

