ドル円は衆院選後の円安が一服し、米CPIを受けてドルが失速。来週(2/16〜2/20)は米小売売上高とFRB発言が焦点。
今週(2/9〜2/13)の振り返り
今週のドル円相場は、衆院選前の円安基調から一転、米インフレ指標をきっかけに上値の重さが鮮明となった週であった。
週初は、衆院選で与党が優勢との見方が強まり、「政治安定=株高・円安」のいわゆる「高市トレード」が意識されドル円は157.66まで上昇する場面があった。しかし、買い一巡後は伸び悩み、ポジション調整が優勢となった。
転機となったのは米1月CPI(2/13発表)だった。 市場予想をやや下回る内容となり、米金利は低下。これを受けてドル売りが優勢となった。マーケットは米労働市場の減速兆候が徐々に意識され始めていると受け止め、米経済のピークアウト観測がドルの上値を抑える構図が見え始めている。
来週(2/16〜2/20)の注目イベント
来週は米経済指標とFRB関係者発言が焦点となる。
① 米小売売上高・住宅関連指標
市場は現在、「米景気は本当に減速しているのか」を探っている段階である。小売売上高が弱ければ、利下げ観測が強まり、ドル売り・円買いが進みやすい。逆に予想を上回れば、金利上昇を通じてドルの買い戻しが入る可能性がある。
② FRB高官発言
CPIを受けて市場の利下げ織り込みが変化しつつある中、FRB関係者がどのようなトーンで発言するかが重要である。タカ派発言が出ればドルの下支え要因となるが、ハト派寄りの発言が続けばドル円は下方向へ圧力がかかる。
③ 日本側要因
日本では、選挙後の具体的な財政方針や補正予算の内容が徐々に明らかになる可能性がある。財政拡張が強く意識されれば円売り要因となるが、政策が想定ほど過激でなければ「高市トレード」はいったん落ち着く可能性もある。
テクニカル見通し
週末に行われた衆議院選挙の結果から「高市トレード」続行の円安が意識されたものの、ドル円はそれまでの期待感から上がりすぎ、1/19安値がレジスタンスとして意識され失速。200日EMAで反発したものの、週を通して陰線となり152.62で越週した。
テクニカル的には、レンジ下限である1/27安値152.09を割り込みそうなローソク足ができているが、直近でやや売られ過ぎた印象はある。
現在、円高方向に進みつつあることは間違いないが、もう少し自律反発した方が戻り売りしやすく、来週はそのタイミングを測る週となるのではないか。
週初に窓開けして下方向に一気に抜けない限りはやや様子見が賢明。割り込んでからついていっても遅くないだろう。反発するとしたら戻りの目処としてキリよく155円あたりが意識されるだろう。
注意点:ドル円は「金利差」より「景気の質」へ
これまでの相場は「日米金利差拡大=円安」という単純構図で動いてきた。しかし現在は、
- 米景気が減速し始めているのか
- FRBが本当に利下げに踏み切るのか
という質的なテーマへ移行している。
したがって、短期的な金利変動だけでなく、米景気のモメンタム変化に注意が必要である。
まとめ
今週のドル円は、衆院選通過後の円安ムードが一巡し、米CPIをきっかけにドル高が一服した。来週は米経済指標とFRB発言が主導する展開となる見込みである。
現状は
- 大きなトレンド転換ではない
- ただし、上値は重くなりつつある
という微妙な局面と言えるだろう。

