2018年2月第3週(2月12日~16日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年2月第3週(2月12日~16日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
円買いとドル買いで膠着も需給でやや下か?
来週は、米国の消費者物価指数や小売売上高が注目を集める。
この内、消費者物価指数は、好調な米経済はもとより、前年と比べた原油価格の上昇を受け、少なくともヘッドラインは予想を上回る可能性が高い。しかし、足元の相場環境に照らせば、インフレ高進は長期金利の上昇を招き易く、それが株式相場への下押しとなってドル円の上昇を阻んだり、下押ししよう。これは、小売売上高についても同様のことが言え、当面の間、予想を上回る強い米国の経済指標は、かえって市場の不安定化を招くおそれが強い。
米経済にとってポジティブな指標が、かくも市場の混乱を招く最大の要因は、市場がこれまで適温相場(好況と低金利の併走)の継続を期待してきたことが大きい。この為、米国の好況を示唆する経済指標がドル円の上昇を阻んだり、下押しする時間帯が来週も続くだろう。
来週のドル円相場に関し、どちらかと言えばリスクは下方向(ドル安円高方向)とみる。世界的な長期金利上昇は、円債市場にも波及する可能性がある。
株安や金利高が続けばリスクオフ的に円やスイスフランが上昇、これまで買われてきたユーロやポンドが売られやすくなるとの声が出ている。
今回の市場急変は債券・株式市場が主戦場で、為替市場の変動は比較的緩やか。リスク回避時に人気化する通貨ペアの代表格であるドル/円も、昨年安値の107円台を上回る水準を維持している。それでもこの1週間、対ドルでは円やスイスフランが相対的に買われている。緊急時はそうした動きが加速しやすそうで、ドル/円は上値の重い展開となりそうだ。
最大の注目イベントは14日の1月米消費者物価指数(CPI)。12月はエネルギーと食品を除いたコア指数が前月比0.3%上昇と11カ月ぶりの大幅な伸びとなり、米国のインフレ懸念が一気に強まる端緒となった。1月米雇用統計で時間当たり賃金が8年7カ月ぶりの大幅な伸びとなったこともあり、1月コアCPIも強含みとなれば、利上げ観測の高まりによる金利高や株安に拍車がかかる可能性がある。
中国などが15日から旧正月で休場となることにも要注意。アジア時間の参加者が減れば、薄商いの中で値が振れやすくなる可能性がある。
特に震源地の米株だが、恐怖指数として知られるVIX指数というのがモノサシとしてはある。株式のオプション取引を要素として反映した指数だ。この指数が少なくとも20ポイントを安定的に下回るまでは積極的な行動は控えたいところだ。
さて来週だが、ここでFXのプレイヤーなら、株式市場が落ち着きを取り戻したあとのシナリオを考えなければならない。どうも為替市場は一旦ドル高で見ている雰囲気もある。
出口戦略のスピード感という点では、FRBが先行していることから、まずはドルからというシナリオも考えられる。ただし、ここで何度も述べて来たが、余力という点ではECB、そして日銀のほうが遥かに大きい。ドル高は持続しないと見ているが、目先はドル高から入る可能性もありそうだ。
そして、実に嫌なタイミングだが、来週は米消費者物価指数(CPI)の発表が14日水曜日に予定されている。食品、エネルギーを除いたコア指数で前年比1.7%が現段階では見込まれている。1月分のデータなのでまだ、インフレの兆候を示す内容は出ないであろう。個人的には春以降の可能性を見ている。ただし、リスクとして警戒したいのは予想を上回った場合であろう。素直にドル円にはポジティブな材料と言いたいところだが、今回は株式市場がその時点でどうなっているかも加味する必要がある。
正直言って来週は、やり過ごすのが一番かもしれない。
来週のドル円だが、リスクは多いものの底堅い展開を期待したい。ただし、あくまで自律反発の範囲であることは留意される。
ただし、今のところ為替の方はそれほど影響を受けている様子はありません。
確かに荒い動きが続いていますが、ドル円に関しては 107 円への突入もありませんでした。株が崩れる前から売られていたということもあるのかもしれません。
とはいえ、今週に関しても楽観視できる状態ではないように見えます。
日本においては期末・円転需要という要因から、実需勢が積極的にドルを買う動きにはならないことから、東京セッションでもドル買い需要はそれなりにとどまるものと思われます。
経済指標に関しては、米消費者物価指数が注目です。
一月は原油価格も安定していたこともあり、ヘッドラインでは予想を上振れる可能性があるため、それに伴ったインフレリスクから再び株の下落が引き起こされる可能性も高いのではないでしょうか。
テクニカル的には、ドル円は底値が固いというより、日柄調整をしているようにも見えます。マーケット全体としてボラティリティも高まっている状態であるので、ロットを落とす、エントリー条件を厳しくする等、シートベルトをしっかりと締めていく必要があります。
つまり、十分に引きつけてエントリーするということです。
損を出した時、取り戻そうとする心との戦いになるでしょうか。
ドル円予想 : 107.80 - 110.40
経済指標一覧(日本時間)
2/12(月)
- 休場:日本(建国記念の日・振替休日)
- 特に重要な経済指標の発表なし。
2/13(火)
- 18:30(英) 1月 消費者物価指数(CPI),小売物価指数(RPI)
2/14(水)
- 08:50(日) 10-12月期 四半期実質国内総生産(GDP)
- 19:00(欧) 10-12 月期 四半期域内総生産(GDP)
- 22:30(米) 1月 消費者物価指数(CPI)
- 22:30(米) 1月 小売売上高
2/15(木)
- 22:30(米) 2月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
- 22:30(米) 2月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
- 22:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
2/16(金)
- 22:30(米) 1月 住宅着工件数,建設許可件数
- 24:00(米) 2月 ミシガン大学消費者態度指数
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Monthly
予想レンジ:107.50 - 110.50
円買いとドル買いで膠着も需給でやや下か?
来週は、米国の消費者物価指数や小売売上高が注目を集める。この内、消費者物価指数は、好調な米経済はもとより、前年と比べた原油価格の上昇を受け、少なくともヘッドラインは予想を上回る可能性が高い。しかし、足元の相場環境に照らせば、インフレ高進は長期金利の上昇を招き易く、それが株式相場への下押しとなってドル円の上昇を阻んだり、下押ししよう。これは、小売売上高についても同様のことが言え、当面の間、予想を上回る強い米国の経済指標は、かえって市場の不安定化を招くおそれが強い。
米経済にとってポジティブな指標が、かくも市場の混乱を招く最大の要因は、市場がこれまで適温相場(好況と低金利の併走)の継続を期待してきたことが大きい。この為、米国の好況を示唆する経済指標がドル円の上昇を阻んだり、下押しする時間帯が来週も続くだろう。
来週のドル円相場に関し、どちらかと言えばリスクは下方向(ドル安円高方向)とみる。世界的な長期金利上昇は、円債市場にも波及する可能性がある。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:108.00 - 111.00
円に上昇圧力、米株・金利の行方が鍵
来週の外為市場も引き続き、米国の株や金利の行方が鍵となる展開が続きそうだ。株安や金利高が続けばリスクオフ的に円やスイスフランが上昇、これまで買われてきたユーロやポンドが売られやすくなるとの声が出ている。
今回の市場急変は債券・株式市場が主戦場で、為替市場の変動は比較的緩やか。リスク回避時に人気化する通貨ペアの代表格であるドル/円も、昨年安値の107円台を上回る水準を維持している。それでもこの1週間、対ドルでは円やスイスフランが相対的に買われている。緊急時はそうした動きが加速しやすそうで、ドル/円は上値の重い展開となりそうだ。
最大の注目イベントは14日の1月米消費者物価指数(CPI)。12月はエネルギーと食品を除いたコア指数が前月比0.3%上昇と11カ月ぶりの大幅な伸びとなり、米国のインフレ懸念が一気に強まる端緒となった。1月米雇用統計で時間当たり賃金が8年7カ月ぶりの大幅な伸びとなったこともあり、1月コアCPIも強含みとなれば、利上げ観測の高まりによる金利高や株安に拍車がかかる可能性がある。
中国などが15日から旧正月で休場となることにも要注意。アジア時間の参加者が減れば、薄商いの中で値が振れやすくなる可能性がある。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:107.50 - 110.50
株の沈静化待ち 実に嫌なタイミングだが来週は米CPI
今週は株安に翻弄された1週間であっただろう。株安については正直言って何の驚きもない。いつ来てもおかしくはない状況にはあった。実際、今回の株安をバブル崩壊の前兆と捉えている向きは少ない。個人的にバブル崩壊とはクレジットの崩壊と見ている。リーマンショックもそうであったであろうし、日本のバブル崩壊もそうであったように、このケースのメインの悪役はきまって銀行になる。その気配は皆無といってよいであろう。特に震源地の米株だが、恐怖指数として知られるVIX指数というのがモノサシとしてはある。株式のオプション取引を要素として反映した指数だ。この指数が少なくとも20ポイントを安定的に下回るまでは積極的な行動は控えたいところだ。
さて来週だが、ここでFXのプレイヤーなら、株式市場が落ち着きを取り戻したあとのシナリオを考えなければならない。どうも為替市場は一旦ドル高で見ている雰囲気もある。
出口戦略のスピード感という点では、FRBが先行していることから、まずはドルからというシナリオも考えられる。ただし、ここで何度も述べて来たが、余力という点ではECB、そして日銀のほうが遥かに大きい。ドル高は持続しないと見ているが、目先はドル高から入る可能性もありそうだ。
そして、実に嫌なタイミングだが、来週は米消費者物価指数(CPI)の発表が14日水曜日に予定されている。食品、エネルギーを除いたコア指数で前年比1.7%が現段階では見込まれている。1月分のデータなのでまだ、インフレの兆候を示す内容は出ないであろう。個人的には春以降の可能性を見ている。ただし、リスクとして警戒したいのは予想を上回った場合であろう。素直にドル円にはポジティブな材料と言いたいところだが、今回は株式市場がその時点でどうなっているかも加味する必要がある。
正直言って来週は、やり過ごすのが一番かもしれない。
来週のドル円だが、リスクは多いものの底堅い展開を期待したい。ただし、あくまで自律反発の範囲であることは留意される。
私見
ダウの暴落をきっかけとして、世界中の株が暴落する波乱の一週間となりました。ただし、今のところ為替の方はそれほど影響を受けている様子はありません。
確かに荒い動きが続いていますが、ドル円に関しては 107 円への突入もありませんでした。株が崩れる前から売られていたということもあるのかもしれません。
とはいえ、今週に関しても楽観視できる状態ではないように見えます。
日本においては期末・円転需要という要因から、実需勢が積極的にドルを買う動きにはならないことから、東京セッションでもドル買い需要はそれなりにとどまるものと思われます。
経済指標に関しては、米消費者物価指数が注目です。
一月は原油価格も安定していたこともあり、ヘッドラインでは予想を上振れる可能性があるため、それに伴ったインフレリスクから再び株の下落が引き起こされる可能性も高いのではないでしょうか。
テクニカル的には、ドル円は底値が固いというより、日柄調整をしているようにも見えます。マーケット全体としてボラティリティも高まっている状態であるので、ロットを落とす、エントリー条件を厳しくする等、シートベルトをしっかりと締めていく必要があります。
つまり、十分に引きつけてエントリーするということです。
損を出した時、取り戻そうとする心との戦いになるでしょうか。
ドル円予想 : 107.80 - 110.40