ドル円は8年ごとに転換点を迎える? 1985年以降の相場を振り返り、今後の為替見通しとトレード戦略を解説。
FX市場では、テクニカル分析だけでなく周期(サイクル)分析もトレーダーの武器になります。なかでも、ドル円相場には「8年サイクルで大きな転換点を迎える」という説があり、実際に過去の為替レートを振り返ると興味深い傾向が浮かび上がります。
ドル円の過去の転換点:8年ごとに注目の局面が?
| 年 | 出来事 | レート変動の特徴 |
|---|---|---|
| 1985年 | プラザ合意 | ドル高是正で急激な円高(260円 → 120円台) |
| 1993年 | 円最強時代へ | 円高進行、79円台の史上最高値に向かう |
| 2001年 | ITバブル崩壊 | 円安転換、135円付近までドル反発 |
| 2009年 | リーマン後の円独歩高 | ドル円90円割れ、円買い加速 |
| 2017年 | 米トランプ政権下でドル上昇 | 一時115円超、もみ合い相場が続く |
| 2025年 | ? | 3年ぶりのドル安、転換点の可能性? |
※すべて年初または年央に大きな流れの転換点が出現しています。
なぜ「8年サイクル」が意識されるのか?
- 米大統領任期との連動
2期8年サイクルで経済政策が変わるタイミング - 金融政策サイクル
景気刺激 → 過熱 → 緊縮 → 景気後退 という金融政策の循環 - 市場心理の周期
トレンドの過信や巻き戻しに8年程度の蓄積期間が必要とされる
ドル円は「米国主導」の材料が価格に反映されやすいため、政治・金融政策の節目が価格転換点と重なりやすい構造があります。そのため、8年サイクルが強く意識されることとなります。
現在(2025年)は転換期なのか?
2025年は、8年サイクルで言えば「転換点の年」に該当します。そして実際に以下のような要素が揃いつつあります。
ドルの構造的下落が進行中
- FRBの利下げ転換、財政赤字の拡大
- 対円・対ユーロでドル売り優勢
日本の金融政策が正常化へ
- YCC撤廃、金利引き上げの可能性
- 日銀の長期緩和時代の終わりの兆し
米中間選挙を控えた政策不透明感
- ドルの信認を揺るがす材料になりやすい
以上の複合的な要因から円高・ドル安の構造的なトレンド転換を誘発する可能性があります。
まとめ
「ドル円は8年ごとに大きな転換点を迎えている」という観点から見ると、2025年はまさに注目の年と言えるでしょう。
もちろん、相場に「絶対」はありませんが、過去のパターンが繰り返される可能性を前提に複数のシナリオを持ってトレード戦略を組み立てることが重要です。
「今は過去8年のどこにいるのか?」という視点で相場を見つめ直すことで、中長期のトレードにも新たな視点が得られるかもしれません。
