毎年恒例、バイロン・ウィーン氏(米ブラックストーン)の「びっくり10大予想」が発表されました。6 つの大穴予想もあります。
毎年恒例、バイロン・ウィーン氏(米ブラックストーン)の「びっくり10大予想」が発表されました。6 つの大穴予想もあります。
2018 年については強気であり、米経済はさらなる拡大をみせ、ドル円に関しては 120 円まで円安が進むとの予想です。
原文:Byron Wien is back with his annual surprises for 2018 (Bitcoin included)
2018年版「びっくり10大予想」
ウィーン氏の「びっくり10大予想」とは、市場関係者が見据えていないことの中から 50% 以上の確率で起こりうることを選んでいるそうです。2018 年については強気であり、米経済はさらなる拡大をみせ、ドル円に関しては 120 円まで円安が進むとの予想です。
原文:Byron Wien is back with his annual surprises for 2018 (Bitcoin included)
- 共産主義の北朝鮮については、民主主義国家の韓国との緩衝材であるとしても、中国は最終的には予測不可能なリーダーが核の保有をすることをについては許容しないでしょう。北朝鮮が核開発プログラムの継続をし続けるなら、原油と輸送(食料等)を停止します。
- ポピュリズム、トライバリズム(部族主義)、アナーキー(無政府・無秩序)は世界中に広がりました。イギリスではジェレミー・コービン氏が次期大統領になるでしょう。スペイン政府の圧力にもかかわらず、カタロニアは依然として荒れます。
- ドルは最終的には復活(上昇)します。ドル建て資産に対しての投資家の関心を引きつけ、ドル円は 120 円、ユーロは下落して 1.1 になります。
- 米国経済は 2017 年よりも良くなるでしょう。しかし、金利上昇により S&P 500 は 10% の調整をがされ 2,300 ポイント に向けて下落します。とはいえ、経済は 4% に向かう成長のため、2018 年末には 3,000 ポイントで終わるでしょう。
- 原油価格は 80 ドルを超えて上昇します。世界経済の成長と発展途上国の予想外の需要高からです。
- インフレは懸念材料となるでしょう。世界の GDP が成長し続けることは、コモディティ価格に圧力をかけます。そして、米国の平均時給の増加率は 4% に近づいていき、消費者物価指数は 3% を超えて行くでしょう。
- より高いインフレにより金利は上昇するでしょう。FRB は 4 回の利上げを行い、10年債利回りは 4% に向けて上昇します。バランスシートの縮小については金融市場へのインパクトを懸念し、緩やかに行われるでしょう。ただ、イールド・スプレッド(利回りの差)が広がることで、株式市場への懸念要因となります。
- NAFTA(北米自由貿易協定)とイランは、最終的には合意するでしょう。トランプが彼らを罵っているにもかかわらず、です。NTFTA が終了することで、多くの米国の仕事が失われるからです。
トランプはまた、中国の影響力が増していることから、TPP に署名しなかったことを間違いだと思うようになるでしょう。そして、アジアに二国間取引を持ちかけるようになります。
- 11 月の中間選挙では共和党はコントロールを失うでしょう。有権者は、トランプが政策を実行できないことや、また、終わりのないネガティブなツィートに対しても失望を感じており、彼に対する国民投票になるでしょう。
- 中国の習近平は 10 月の19 回党大会で、権限の強化をより進めていくでしょう。そして、一時的に失業率の上昇や経済成長の低下を伴うとしても、中国の債務問題に対して注力し、借り入れに関して制限を与えるでしょう。
そして、中国の持続可能性のある成長を確実なものにする、と宣言するでしょう。
大穴予想(Also-rans)
ウィーン氏は「10大予想」とは別に、大穴予想としてあと 6 つ挙げています。- 投資家たちはヨーロッパや極東の新興マーケットの成長がアメリカのそれよりも速くなっていることを認識します。
- ミューラー調査は、2016 年の大統領選挙におけるトランプファミリーのロシア疑惑について関与を証明できないでしょう。
- AI は勢いを増すでしょう。サービス業は自動化されます。とりわけ影響がある業界は、法律、金融。ファーストフードやアウトレット、ヘルスケアです。にもかかわらず失業率は 4% に低下するので、経済学者たちは疑問を持ち始めます。
- サイバーテロはより一般的になり、消費者の消費マインドにまで影響を及ぼし始めます。大手金融機関は 3 日間取引を停止したり、小売業者は個人情報をハッカーから入手したと報じたりといったことが起こります。
- ヨーロッパとアメリカは、インターネットによる創造的破壊について懸念を抱きます。小売業者や旧来のメディア業界からの圧力の結果、アマゾン・フェイスブック・グーグルの反競争的な行為についての調査を始めるでしょう。多くの人々はこれらの会社(アマゾン・フェイスブック・グーグル)にあまりにも力がありすぎると考え始めます。
- ビットコインのリスクはあまりに大きいため、規制当局は取引を制限します。リスクとは、安全性と健全性の尺度がない、間違った取引や誤った取引の保証がないサイバーリスクが高い、預金保険がない、などです(ソース:モルガン・スタンレー)。