2017 年 3 月 第三週(3月13日から17日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017 年 3 月 第三週(3月13日から17日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
米経済指標は2月CPI(消費者物価指数)、2月小売売上高など主要なものが相次ぐ。この他、15日のオランダ総選挙の結果にも注意を要する。極右の自由党が第一党になるとの見方が根強い一方、中道右派のキリスト教民主勢力が自由党に迫る議席を確保するとの世論調査も出ている。少数政党が乱立するオランダで右派を中心とした連立政権へのハードルは高いものの、反移民・保護主義ムードのまん延はドル・円への下押し圧力になる可能性があるので気をつけたい。
足元のドル・円は米早期利上げ観測を背景に、フシ目の1ドル=115円を突破、1月3日に付けた年初来高値118円60銭も視野に入っている。下値めどは9日時点の25日移動平均線113円30銭近辺。
声明やイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を通じて「6月以降の利上げムードが高まるかどうかがポイント」(国内金融機関)と見られている。景気への自信や先行きの利上げにタカ派寄りの姿勢を示せばドル買い材料になる。
ただ、バランスシート縮小に関連して踏み込んだ議論があれば、株価が動揺してリスク回避の円買いが出るおそれもある。
最重要になりそうなのは、15日発表見通しの米予算教書。減税や財政政策に関して具体策が示されれば、ドル/円は上値を試しやすい。もっとも、トランプ政権の体制が整っていないことを見越して「市場の期待に届かない内容になる可能性もある」(同)との声も聞かれる。
15日にはオランダ国政選挙や米債務上限枠の期限到来など、別の重要イベントもあるが、いずれもリスク警戒の高まりは見られていない。15─16日の日銀会合は現状維持と見込まれている。
実際、利上げを決定した昨年 12 月の会合後も、ドル円が 118 円台まで続伸したのは、参加者らの政策金利の予想分布図、いわゆるドットチャートにて、2017 年の利上げペース加速の可能性が示されたためだ。
来週の会合でも、このドットチャートやイエレンFRB議長による記者会見などから、今後の利上げペースに関するヒントを探ることとなろう。仮に、前回示された「年 3 回の利上げ」を上回るペースが示される場合、ドル円相場の初期反応としてドル高円安の動きがみられる可能性が高い。その場合、ドル円が強含み、今年 1 月 11 日以来となる116 円台乗せとなる可能性も十分にあるだろう。
逆に、年 3 回との見通しがそのまま示されると、短期的な材料出尽くし感が醸成され、115 円台の維持は容易ではなくなろう。その際のドル安円高方向の目安として、今週もみられた 113 円台を念頭に置いておきたい。
15 日にはオランダ議会選挙を控え、市場の注目が集まる。但し、反EUを掲げる自由党が第 1 党を獲得する可能生はあるものの、連立政権の中核を担うといった事態は回避されそうだ。その場合、ユーロ円が底堅く推移し、ドル円を下支えしようが、依然としてフランス大統領選を巡る不透明感は残ることから、ユーロ反発の度合いはそれほど強いものにはならないだろう。
加えて、足もとではセッションズ米司法長官が選挙期間中、駐米ロシア大使と面会していた件を巡り、民主党が辞任を迫っている。ただでさえ閣僚指名が遅れているトランプ政権にとって、フリン氏に告ぐ辞任との見方が強まれば、株高に象徴されるトランプラリーが冷や水を浴びることにもなりかねず、反落にも一定の警戒を要する。
①声明文やFOMC委員の政策金利予測(ドット・チャート)で年4回の利上げが確信されるか、②日銀「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で円金利上昇が抑制されていることから、ドル買いインセンティブが高まるか、そして③米利上げを以て、逆にトランプ政権からドル高円安牽制が強まるのではないか、である。
3月入り以降、日足ボリンジャー中心線、20日・90日線を上回り、一目均衡表「ネジレ形成域」を通過。3/13週は日足雲上下限113.66-115.12枠を意識した展開で予想。
上値焦点は116円台乗せ、1/11高値116.88。超えれば1/9高値117.545意識。下値焦点は3/9安値114.35、3/8、3/5安値圏の113.55-60。3月期末輸出円転組は水準を睥睨。対して長期資金や輸入・資源需給等の支援、買い遅れ組の焦燥が指摘されている。
FOMC 時には思惑的な売買が錯綜するはずですが、既に材料を織り込んでしまった今、どちらかというと確定売りが出やすくなるのかなと思います。116 円に付けたとしてもオーバーシュート的なものになるのではないでしょうか。
週前半では押しを拾っていき、後半にかけては戻りを売っていこうと思います。
予想 : 113.80 - 116.00
経済指標一覧(日本時間)
今週より米国はサマータイムに移行(NYSE は日本時間 22:30 ~ 05:00 に変更)。03/13(月)
- 22:30 (欧) ドラギ ECB 総裁 発言
- 24:00 (米) 2 月 米労働市場情勢指数(LMCI)
03/14(火)
- 11:00 (中) 2 月 小売売上高
- 21:30 (米) 2 月 卸売物価指数(PPI)
03/15(水)オランダ議会選挙
- 21:30 (米) 2 月 消費者物価指数(CPI)★★
- 21:30 (米) 2 月 小売売上高 ★★
- 27:00 (米) FOMC 政策金利発表 ★★★
- 27:30 (米) イエレン FRB 議長 定例記者会見 ★★★
03/16(木)
- 未定(日)日銀金融政策決定会合 終了後政策金利発表 ★★
- 21:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 21:30 (米) 2 月 住宅着工件数,建設許可件数
03/17(金)
- 22:15 (米) 2 月 鉱工業生産
- 23:00 (米) 3 月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
- 23:00 (米) 2 月 景気先行指標総合指数
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
米2月雇用統計、FOMC通過で米年内利上げペース加速か
113 .30 - 118.60
来週の東京外国為替市場見通し (2017/03/10 18:06)週明けはFOMC、15-16日開催の日銀金融政策決定会合に関心が集まる。FOMCからおよそ半日遅れで閉会する日銀金融政策決定会合は政策の現状維持との見方が大勢。黒田日銀総裁の会見にも注目したい。
米経済指標は2月CPI(消費者物価指数)、2月小売売上高など主要なものが相次ぐ。この他、15日のオランダ総選挙の結果にも注意を要する。極右の自由党が第一党になるとの見方が根強い一方、中道右派のキリスト教民主勢力が自由党に迫る議席を確保するとの世論調査も出ている。少数政党が乱立するオランダで右派を中心とした連立政権へのハードルは高いものの、反移民・保護主義ムードのまん延はドル・円への下押し圧力になる可能性があるので気をつけたい。
足元のドル・円は米早期利上げ観測を背景に、フシ目の1ドル=115円を突破、1月3日に付けた年初来高値118円60銭も視野に入っている。下値めどは9日時点の25日移動平均線113円30銭近辺。
ロイター
来週のドル/円は波乱含み、FOMCと予算教書への思惑が支え
113.50 - 116.50
来週の外為市場 (2017/03/10 17:41)来週の外為市場でドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)や米予算教書といった重要イベントを控えて、波乱含みの展開が予想される。先行きの利上げペースや米国の減税・財政政策への思惑を支えに底堅さが意識される半面、結果が市場の期待に届かないリスクもくすぶる。
声明やイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を通じて「6月以降の利上げムードが高まるかどうかがポイント」(国内金融機関)と見られている。景気への自信や先行きの利上げにタカ派寄りの姿勢を示せばドル買い材料になる。
ただ、バランスシート縮小に関連して踏み込んだ議論があれば、株価が動揺してリスク回避の円買いが出るおそれもある。
最重要になりそうなのは、15日発表見通しの米予算教書。減税や財政政策に関して具体策が示されれば、ドル/円は上値を試しやすい。もっとも、トランプ政権の体制が整っていないことを見越して「市場の期待に届かない内容になる可能性もある」(同)との声も聞かれる。
15日にはオランダ国政選挙や米債務上限枠の期限到来など、別の重要イベントもあるが、いずれもリスク警戒の高まりは見られていない。15─16日の日銀会合は現状維持と見込まれている。
三菱東京UFJ銀行
利上げペース加速へのヒントとドル円の反応
113.00 - 116.50
FX Weekly(2017/03/10)14~15 日に開催されるFOMCにて、金融危機後 3 度目となる利上げが決定される可能性が濃厚であり、織り込み済みでもある。そのため、ドル円続伸に必要な要素は、来週のFOMCにおける利上げペース加速に向けたヒントだろう。
実際、利上げを決定した昨年 12 月の会合後も、ドル円が 118 円台まで続伸したのは、参加者らの政策金利の予想分布図、いわゆるドットチャートにて、2017 年の利上げペース加速の可能性が示されたためだ。
来週の会合でも、このドットチャートやイエレンFRB議長による記者会見などから、今後の利上げペースに関するヒントを探ることとなろう。仮に、前回示された「年 3 回の利上げ」を上回るペースが示される場合、ドル円相場の初期反応としてドル高円安の動きがみられる可能性が高い。その場合、ドル円が強含み、今年 1 月 11 日以来となる116 円台乗せとなる可能性も十分にあるだろう。
逆に、年 3 回との見通しがそのまま示されると、短期的な材料出尽くし感が醸成され、115 円台の維持は容易ではなくなろう。その際のドル安円高方向の目安として、今週もみられた 113 円台を念頭に置いておきたい。
15 日にはオランダ議会選挙を控え、市場の注目が集まる。但し、反EUを掲げる自由党が第 1 党を獲得する可能生はあるものの、連立政権の中核を担うといった事態は回避されそうだ。その場合、ユーロ円が底堅く推移し、ドル円を下支えしようが、依然としてフランス大統領選を巡る不透明感は残ることから、ユーロ反発の度合いはそれほど強いものにはならないだろう。
加えて、足もとではセッションズ米司法長官が選挙期間中、駐米ロシア大使と面会していた件を巡り、民主党が辞任を迫っている。ただでさえ閣僚指名が遅れているトランプ政権にとって、フリン氏に告ぐ辞任との見方が強まれば、株高に象徴されるトランプラリーが冷や水を浴びることにもなりかねず、反落にも一定の警戒を要する。
岡三オンライン証券
「米利上げ」でも円急落が抑制される理由(わけ)
113.80 - 117.50
武部力也の週間為替相場見通し(2017/03/10)3/15のFOMCではイエレン議長が利上げに踏み切る可能性が高い。トランプ施策でのインフレ圧力懸念に“予防的措置を講ずる”、との意味もあろうか。筆者が注目するFOMC焦点は3つ。
①声明文やFOMC委員の政策金利予測(ドット・チャート)で年4回の利上げが確信されるか、②日銀「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」で円金利上昇が抑制されていることから、ドル買いインセンティブが高まるか、そして③米利上げを以て、逆にトランプ政権からドル高円安牽制が強まるのではないか、である。
3月入り以降、日足ボリンジャー中心線、20日・90日線を上回り、一目均衡表「ネジレ形成域」を通過。3/13週は日足雲上下限113.66-115.12枠を意識した展開で予想。
上値焦点は116円台乗せ、1/11高値116.88。超えれば1/9高値117.545意識。下値焦点は3/9安値114.35、3/8、3/5安値圏の113.55-60。3月期末輸出円転組は水準を睥睨。対して長期資金や輸入・資源需給等の支援、買い遅れ組の焦燥が指摘されている。
私見
雇用統計の結果については市場予想を上回り、3 月利上げは確定との見通しとなっているため、今後の利上げを巡っての判断に関心が移っています。FOMC 時には思惑的な売買が錯綜するはずですが、既に材料を織り込んでしまった今、どちらかというと確定売りが出やすくなるのかなと思います。116 円に付けたとしてもオーバーシュート的なものになるのではないでしょうか。
週前半では押しを拾っていき、後半にかけては戻りを売っていこうと思います。
予想 : 113.80 - 116.00