ドル円は為替介入警戒の中でも156円台後半へ回復。来週は米CPI・PPI、ベッセント財務長官訪日、日銀関連発言が焦点。
2026年5月第一週のドル円相場は、本邦大型連休のなか、為替介入への警戒感が残る中でも底堅い推移が続いた。
連休中に一時155.02まで急落する場面もあったが、その後は値を戻し、156.64で越週した。この急落は規模は少ないながらも為替介入とみられており、市場には引き続き為替介入への警戒感がある。
テーマとしては日銀の追加利上げ観測、FRBの利下げ後退、中東情勢と変わらないものの、来週(2026/5/11〜2026/5/15)は、米CPI・PPIといったインフレ指標の発表をはじめ、ベッセント米財務長官、トランプ大統領の訪中も控えており、ドル円は引き続き神経質な展開となりそうだ。
今週(2026/5/4〜2026/5/8)の振り返り
ドル円は156.75円で寄り付いた。為替介入後の神経質な雰囲気のなか、5日には欧州勢参入後に157円台後半まで上昇した。しかし、6日のアジア時間には再び急落し、一時155円ちょうどまで下落した。
しかし、その後はじりじりと156円台まで回復。7日には米国とイランの交戦報道を背景にドル買いが進み、157円目前まで上昇した。
結果として、週を通して乱高下はあったものの、レンジ内の動きに終始し、相場自体は大きく崩れなかった。
今週の最大テーマは「為替介入の存在感」
GWに日本当局が実施した2回目の円買い介入により、上昇したところでは今後も小出しに介入を実施する可能性があり、市場では警戒感が高まっている。
とくに、短期間で急騰した場合や160円に接近していく時には注意が必要だろう。
円安要因そのものは消えていない
介入警戒が強い一方、ドル円を支える構造は依然として変わらない。
4月の会合で日銀が利上げを見送ったことも大きいが、FRBの利下げ期待後退も構造的にドル円の上昇を促しやすい。
米国の景気は依然として堅調であり、インフレも高止まりしている。このことから、市場は年内利下げなしを織り込み始めている。
GDP、ISM製造業、失業保険申請件数などの経済指標にもそれが現れており、米国は利下げに急がないというのが市場のコンセンサスだ。
日銀の利上げについても明確なメッセージは出ておらず、円が売られやすい構造ではあるが介入で積極的な円売りはしづらい相場環境だ。ドル円はしばらく方向感が出にくい相場が続きそうだ。
来週(2026/5/11〜2026/5/15)の注目イベント
来週は米CPI(5/12)、米PPI(5/13)、米小売売上高(5/14)に注目。
また、ベッセント財務長官の来日がある。高市早苗首相、片山さつき財務相、植田和男日銀総裁とそれぞれ会談する方針を示している。
最大の焦点は米CPI
現在の市場は、FRBの利下げ時期を見極めようとしている。そのため、CPIには注目が集まるだろう。市場予想を上回れば、利下げ後退、米金利上昇、ドル買いという流れになるだろう。逆に弱ければ、利下げ期待再燃、ドル売りとなり、ドル円の方向性を決める上でも結果には注目したい。
ベッセント財務長官訪日も重要
ベッセント財務長官の来日にも注目が集まる。
直近での当局の為替介入を受け、為替についての話題が出る可能性が高い。今後の日銀の金融政策について示唆されることも考えられるため注意が必要だ。
テクニカル見通し
ドル円は現在、2度の介入を経て、200EMAでいったん反発している。ただし、それ以外のEMAはすべて下向きになりつつあり、来週以降パーフェクトオーダーが形成される可能性が高い。昨年10月から200EMAの上にいたドル円だったが、これが崩れるとじりじりと値を下げていくだろう。
基本的には戻り売りの戦略となる。ただ、ヘッドラインで上下に振れやすい相場環境なので、逆行しても問題ないように余裕のあるポジションメイクが求められるだろう。
まとめ
今週のドル円は、介入警戒とドル高圧力の綱引きによりレンジ内で小幅な値動きとなった。来週は米CPIを中心に重要な経済指標の発表、要人発言も控えており相場は依然として不安定な展開が予想される。

