ドル円は日銀の利上げ期待後退で円安継続。さらにホルムズ海峡再封鎖により原油高とインフレ懸念が強まり、ドル円は上昇圧力か? オシレーターでは下げを示唆。経済指標も多く難しい展開に。
2026年4月第3週のドル円相場は、停戦期待とその後退が交錯し、結果として159円台を中心とした不安定な推移となった。そして週末には、相場の前提を大きく変える材料が出ている。ホルムズ海峡の再封鎖である。
来週(4月20日〜4月24日)は、この地政学リスクがもっとも重要なテーマとなり、従来の「レンジ相場」から「方向性を伴う相場」へ移行する可能性がある。
今週(4月13日〜4月17日)の振り返り
週初のドル円は159.61円でスタートした。
米国とイランの協議は停戦合意に至らず、週明けはドル買いが優勢となり、原油価格もWTIで105ドル台まで上昇する中、ドル円は159円後半まで上昇した。
しかしその後は、交渉継続への期待が残る中でリスク回避が後退し、為替市場では前週同様にドル売り・円売りの地合いとなった。ドル円は158円台後半まで下落し、16日には当局発言も重なり158.27円まで下押しする場面があった。
ただし、この下げは一時的であった。 日銀の利上げ期待が後退したことで円買いは続かず、ドル円はすぐに159円台前半へ戻している。
また、17日の植田日銀総裁会見でも利上げに積極的な姿勢は示されず、結果として円売り圧力が維持される形となった。
今週の本質:円安の主因は「日銀の様子見」
今回の値動きの本質は明確である。
日銀の利上げ期待が大きく後退したことである。
OIS市場では、月末会合での利上げ織り込みが55%から16%まで低下しており、円の上値を抑える最大要因となっている。
一方でFRBは、インフレと景気のバランスを見ながら様子見姿勢を維持しており、米金利の下支え要因となっている。
この結果、「ドルは崩れにくく、円は買われにくい」という構図が続いている。
- OIS市場
Overnight Index Swapの略称で金利スワップの一種。一定期間のオーバーナイト無担保コールレートと固定金利を交換する取引。日本銀行の金融政策スタンスに対する市場の見方を観察するのに適した指標として注目度が高まっている。
週末の最大材料:ホルムズ海峡の再封鎖
ここでもっとも重要なのが、週末に報じられたホルムズ海峡の再封鎖である。
これは為替市場にとって極めて大きな意味を持つ。
ホルムズ海峡は世界の原油輸送の要衝であり、封鎖されると以下の連鎖が発生する。
・原油価格の急騰 ・エネルギーコスト上昇 ・インフレ再加速 ・各国の金融政策の難化
とくに日本にとっては、輸入コストの増加による貿易収支悪化が懸念されるため、円安圧力が強まる。
また、今回のケースでは単純なリスク回避による円買いではなく、エネルギーショックによる円売りとインフレ懸念によるドル買いが同時に起きる可能性が高い。これはこれまでの「ドル売り・円売り」よりもさらに円安に振れやすい構造と言えるかもしれない。
来週(4月20日〜4月24日)の注目イベント
来週は経済指標も多く、地政学リスクとファンダメンタルズが同時に相場を動かす週となる。
主なイベントは以下の通りであるが、とくに注目が高いのは「米小売売上高」「日本のCPI」「欧州PMI」だろう。
- 米小売売上高(21日・火)
消費の強さが確認されればドル買い要因となる - 米企業在庫
- 独ZEW景況指数
- ユーロ圏PMI(23日・水)
中東情勢が景気に与える影響を測る指標 - 米新規失業保険申請件数
- 日本のCPI(24日・金)
インフレが強ければ日銀利上げ観測が再燃する可能性
テクニカル見通し
ドル円は現在、非常に興味深いチャート形状となっている。
引き続き3/19安値の157.50から3/30高値160.46のレンジであることには変わりがないが、日足では綺麗にチャネルラインを引くことができる。
17日の金曜日に下値を攻めに行った時もギリギリで切り返して越週しており、かつ、木曜日の足を上値も下値も更新していることから、この次の動きには非常に注目が集まる。
ファンダメンタルズとしては上方向と見る意見も多いが、オシレーターは完全に下方向。MACDが0を下回る流れが今週(4/20〜24)にも起こるかもしれない。
週初の月曜日は戻りを確認しつつ売りから入るシナリオを考えているが、状況次第では上方向も考えられる。重要な経済指標も多く、難しい週となりそうだ。
まとめ
今週は日銀の利上げ期待後退により円安が維持される展開となった。
そして週末のホルムズ海峡再封鎖により、相場の前提は大きく変わりつつある。
来週は、引き続き原油価格、地政学的リスク、金融政策が同時に作用する局面となる。
ドル円は引き続き160円を巡る攻防となるが、ホルムズ海峡の見通しが再び不透明になったことにより上方向への圧力が強い状態に入った可能性もシナリオとしてあり得るだろう。
短期的には、レンジを前提としながらも、レンジを抜けた場合には大きく動くことに注意が必要だ。

