6月13日から17日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
6月13日から17日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
弱い米5月雇用統計を受け、6月会合での利上げ観測が一気に後退しており、仮に利上げが行われた場合は、サプライズとなる。
日銀の金融政策決定会合では、EU離脱の是非を問う英国の国民投票や参議院選挙を控えており動きにくいとの見方が大勢を占めるが、一部では追加緩和観測が根強く、結果には注視したい。
ドル・円は、FOMCや日銀金融政策決定会合に加え、米中の重要経済指標発表が多く控えていることから動意の大きい展開も想定され、レンジは広めにとっておいた方がよさそうだ。下値は5月3日に付けた安値105円50銭近辺を割り込むと、14年前半にもみ合った100円台前半も視野に入ってくる。一方、上値めどは25日移動平均線を上回る110円ちょうど。
米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合が予定されているが、米利上げや日銀緩和への思惑は高まっておらず、政策は現状維持が見込まれている。
一方、日本サイドでは、日銀の金融政策決定会合の結果が16日発表される。追加緩和があれば1─2円程度の上昇余地はあるとみられている。ただ、参院選を控え、国民理解の進んでいないマイナス金利の拡大に動くとの見方は少数派。
FRBは14-15日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催するが、今月3日に発表された5月雇用統計の悪化などを考慮して、今回も追加利上げを見送る見通し。早期追加利上げに対する市場の期待が後退した場合、市場コンセンサスである年2回の引き締め(利上げ)ペースが鈍化する可能性があることから、ドル売りが強まる可能性がある。
日本銀行は15-16日開催する金融政策決定会合で、追加金融緩和を見送る公算。1-3月期国内総生産(GDP)改定値は上方修正されており、一段の追加金融緩和への期待はやや後退している。
英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の実施を翌週に控えており、リスクを先取りした円買いが増える可能性がある。
ドル円見通し
上値は日足一目均衡表雲の帯(108.08-110.05)が圧迫するなかで、6/7高値107.91超が課題。下値焦点は6/6-6/9安値106.42-52、5/6安値106.34、5/4・6/9安値106.24維持。5/3安値105.52を脅かすようだと円高牽制発言や本邦公的機関投資家の動きが強まるだろ。
この為、参加者の各年末の政策金利予想を示した分布図、いわゆるドットチャートが注目される。6 月の利上げが見送りとなれば、年内の利上げ回数が前回示された2 回から1 回へと引き下げられる可能性が高い。
また、政策金利の最終到達予想値(Longer Goal)も下方修正される可能性がある。これらは、いずれも米国債の利回り低下を通じて、ドル円の重石となろう。
翌週のイギリスのEU離脱是非を問う国民投票も間近に迫る中、来週のドル円は軟調に推移すると予想する。
本邦では日銀も金融政策決定会合を開催する。
当面、マイナス金利政策の効果の見極めに時間を費やすとみられ、追加緩和などは見送られよう。
特に、日銀にとって追加緩和策のメニューは有限と考えられる。緩和策を講じるタイミングに関しては、米国の利上げ時期に合わせるインセンティブが働きやすいのではないか。例えば、2014年10 月末の日銀によるサプライズ緩和も、米国のテーパリング終了時期と重なったこともあり、市場に日米間の金融政策の方向性の違いをことさら意識させた。
今週は円高の一因ともされるリスクオフの度合いを象徴するVIX指数(恐怖指数)が低下している。原油先物相場も底堅く推移しており、リスクオフ度合いが和らいでいる。
仮に、円高の原動力がリスクオフだとすれば、ドル円はもっと反発してもいいだろう。ドル安円高の背景を探る上では、ドル円との相関が高い米日予想実質金利差の各項目の中にヒントを得ることができよう。
かねて指摘の通り、一度、予想物価上昇率(インフレへの期待感)が萎むと、金融緩和や財政出動といった既存の政策だけで、転換を図るのは難しいだろう。大局的にみると日本にとって、ドル安円高への警戒が必要な時間帯がまだまだ続きそうだ。
話題としては FOMC と日銀金融政策決定会合が注目材料となりますが、どちらも英国の EU 離脱を問う国民投票を控え様子見で流すというのがコンセンサスです。英国のニュースに引っ張られてクロス円通貨も右往左往する動きになるのではないでしょうか。
予想 : 105.50 - 109.00
経済指標
06/13(月)
- 11:00 (中) 5 月 鉱工業生産
- 11:00 (中) 5 月 小売売上高
06/14(火)
- 未定 (米) FOMC 一日目
- 21:30 (米) 5 月 小売売上高(前月比, 除自動車)
06/15(水)
- 未定 (日) 日銀・金融政策決定会合 一日目
- 20:00 (米) MBA 住宅ローン申請指数(前週比)
- 21:30 (米) 5 月 卸売物価指数(PPI)
- 21:30 (米) 6 月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
- 22:15 (米) 5 月 鉱工業生産
- 27:00 (米) FOMC 終了後政策金利発表 ★★★
- 27:30 (米) イエレン FRB 議長 定例記者会見 ★★
06/16(木)
- 未定 (日) 日銀金融政策決定会合 終了後政策金利発表
* 12:00 頃の発表が多いです - 15:30(日) 黒田日銀総裁 定例記者会見
- 21:30(米) 1-3 月期 四半期経常収支
- 21:30(米) 6 月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
- 21:30(米) 5 月 消費者物価指数(CPI)
- 23:00(米) 6 月 NAHB 住宅市場指数
06/17(金)
- 21:30 (米) 5 月 住宅着工件数
- 21:30 (米) 5 月 建設許可件数
- 24:00 (欧) ドラギ ECB 総裁 発言
予想レンジ
モーニングスター
105.50 - 110.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/06/10 18:07)注目は14-15日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)、15-16日開催の日銀金融政策決定会合。
弱い米5月雇用統計を受け、6月会合での利上げ観測が一気に後退しており、仮に利上げが行われた場合は、サプライズとなる。
日銀の金融政策決定会合では、EU離脱の是非を問う英国の国民投票や参議院選挙を控えており動きにくいとの見方が大勢を占めるが、一部では追加緩和観測が根強く、結果には注視したい。
ドル・円は、FOMCや日銀金融政策決定会合に加え、米中の重要経済指標発表が多く控えていることから動意の大きい展開も想定され、レンジは広めにとっておいた方がよさそうだ。下値は5月3日に付けた安値105円50銭近辺を割り込むと、14年前半にもみ合った100円台前半も視野に入ってくる。一方、上値めどは25日移動平均線を上回る110円ちょうど。
ロイター
105.00 - 108.00
来週の外為市場 (2016/06/10 16:18)来週の外為市場でドル/円は、その翌週に控える英国の欧州連合(EU)離脱の是非をめぐる国民投票への思惑から下方リスクが意識されそうだ。これまでのところ、世論調査の結果では残留派と離脱派の綱引きが続いている。来週以降も世論調査の結果で相場が振らされそうだ。
一方、日本サイドでは、日銀の金融政策決定会合の結果が16日発表される。追加緩和があれば1─2円程度の上昇余地はあるとみられている。ただ、参院選を控え、国民理解の進んでいないマイナス金利の拡大に動くとの見方は少数派。
フィスコ
104.00 - 109.00
為替週間見通し(2016/06/10 16:10)連邦準備理事会(FRB)と日本銀行の政策決定が焦点。
FRBは14-15日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催するが、今月3日に発表された5月雇用統計の悪化などを考慮して、今回も追加利上げを見送る見通し。早期追加利上げに対する市場の期待が後退した場合、市場コンセンサスである年2回の引き締め(利上げ)ペースが鈍化する可能性があることから、ドル売りが強まる可能性がある。
日本銀行は15-16日開催する金融政策決定会合で、追加金融緩和を見送る公算。1-3月期国内総生産(GDP)改定値は上方修正されており、一段の追加金融緩和への期待はやや後退している。
英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票の実施を翌週に控えており、リスクを先取りした円買いが増える可能性がある。
岡三オンライン証券
106.20 - 108.10
武部力也の週間為替相場見通し(2016/06/10)
Yellen voices concern on weak jobs data.
- FOMC
6/6の講演でイエレン議長は「先週金曜日(2016/6/3)の雇用統計はがっかりさせる内容だった(disappointing)」と発言。米利上げ観測に対し、以前は「数カ月以内」とした表現で示していたが、これを以て市場は「数カ月先」と解釈した。 - 日銀金融政策決定会合
6/8に緩和期待派を唸らせた事態が2つ発生した。 - 内閣府が2016年1-3月期GDP改定値を速報値から上方修正
これを受け菅官房長官は「緩やかな回復基調が続いている」と自信を示したが、景気回復基調ならば、緩和大義と整合性が問われるデータとなった格好だ。 - 大手銀行が国債市場特別参加者の資格返上に動いた
一般的にはマイナス金利導入で10年物国債金利までがマイナスとなったことで、一定割合の義務が生じる国債保有を拒否し、日銀に疑念を示した、とも映る (国債購入枠を減少させ外債購入枠を拡げるとした円高阻止・密命説もあるが...)。 - 英国の欧州連合離脱是非を問う国民投票
グローバル市場で一番の懸念は6/23の英国民投票だろう。
英国がEU離脱を決めればEU体制や英経済の先行き懸念が強まることは否めない。そうした不安定材料を翌週に控えた状況下では「イエレン・黒田」両氏が熟慮して動けない、と読むのも自然ではないか。
ドル円見通し
上値は日足一目均衡表雲の帯(108.08-110.05)が圧迫するなかで、6/7高値107.91超が課題。下値焦点は6/6-6/9安値106.42-52、5/6安値106.34、5/4・6/9安値106.24維持。5/3安値105.52を脅かすようだと円高牽制発言や本邦公的機関投資家の動きが強まるだろ。
三菱東京UFJ銀行
105.00 - 109.00
FX Weekly(2016/06/10)来週のFOMCでは、利上げは見送られよう。イエレンFRB議長の記者会見では、今週初の講演同様、米国経済が緩やかな回復を続けており、正常化継続が妥当とのスタンスが示されるにとどまり、新味を欠こう。
この為、参加者の各年末の政策金利予想を示した分布図、いわゆるドットチャートが注目される。6 月の利上げが見送りとなれば、年内の利上げ回数が前回示された2 回から1 回へと引き下げられる可能性が高い。
また、政策金利の最終到達予想値(Longer Goal)も下方修正される可能性がある。これらは、いずれも米国債の利回り低下を通じて、ドル円の重石となろう。
翌週のイギリスのEU離脱是非を問う国民投票も間近に迫る中、来週のドル円は軟調に推移すると予想する。
本邦では日銀も金融政策決定会合を開催する。
当面、マイナス金利政策の効果の見極めに時間を費やすとみられ、追加緩和などは見送られよう。
特に、日銀にとって追加緩和策のメニューは有限と考えられる。緩和策を講じるタイミングに関しては、米国の利上げ時期に合わせるインセンティブが働きやすいのではないか。例えば、2014年10 月末の日銀によるサプライズ緩和も、米国のテーパリング終了時期と重なったこともあり、市場に日米間の金融政策の方向性の違いをことさら意識させた。
今週は円高の一因ともされるリスクオフの度合いを象徴するVIX指数(恐怖指数)が低下している。原油先物相場も底堅く推移しており、リスクオフ度合いが和らいでいる。
仮に、円高の原動力がリスクオフだとすれば、ドル円はもっと反発してもいいだろう。ドル安円高の背景を探る上では、ドル円との相関が高い米日予想実質金利差の各項目の中にヒントを得ることができよう。
かねて指摘の通り、一度、予想物価上昇率(インフレへの期待感)が萎むと、金融緩和や財政出動といった既存の政策だけで、転換を図るのは難しいだろう。大局的にみると日本にとって、ドル安円高への警戒が必要な時間帯がまだまだ続きそうだ。
私見
ドル円は雇用統計を受けて下げすぎた後の反発を見せていますが、上値は相当重く、持ちこたえたとはいえ、長期はもちろん、短期でも下値を模索するような動きとなってきています。話題としては FOMC と日銀金融政策決定会合が注目材料となりますが、どちらも英国の EU 離脱を問う国民投票を控え様子見で流すというのがコンセンサスです。英国のニュースに引っ張られてクロス円通貨も右往左往する動きになるのではないでしょうか。
予想 : 105.50 - 109.00