今週のドル円は155円を中心に往来。来週はFOMC利下げと植田総裁発言がカギ、月後半は日銀の12月利上げ観測が本命。イベント前後のボラ拡大に注意。
今週(12/1〜12/5)の振り返り
今週のドル円は155円台を中心に上下に1円ほどの小幅な値動きであった。週初の植田総裁の講演は「12月会合での利上げ予告」と受け止められ、一時154円台後半まで下落したものの、その後は米金利の持ち直しで156.18まで反発。
その後は次期FRB議長人事観測や米指標に絡む思惑で再び155円台へと下落。金曜日は154円台で先週安値を若干割り込んだものの欧州時間、NY時間ともにショートカバーが発生し155.33で越週した。
来週(12/8〜12/12)の注目イベント
- FOMC(9〜10日)
今回の会合では25bpの利下げがすでに織り込み済みだ。焦点となるのはその先の利下げペースである。利下げ見通しが多少後退しても、ドルの買い戻しは限定的との市場見方もあり、ドルの反発は期待できないかもしれない。 - 植田総裁講演(9日)
上田総裁は直近ではややタカ派よりと捉えられる発言をしており、19日の日銀金融政策決定会合に向けそのスタンスは変えないだろう。一時的に円高方向へ触れる可能性はあるが、大きく動くことはないだろう。
ファンダメンタルズの要点
- 米国
利下げ開始後の軌道が最大の論点である。利下げペース加速観測が広がらなければ金利上昇→ドル買いもあり得るが、次期議長人事の思惑から上昇は小幅にとどまるだろう。ドル高は一服しやすいものと思われる。 - 日本
日銀は当初来年1月の利上げを見込んでいたが、12月会合での利上げに前倒しされている。植田総裁の発言や報道から相場にはすでにほぼ織り込み済みと思われるが、ドル円については円高方向への動きは限定的となっている。さらに踏み込んだ発言があった場合は円高方向への動きが大きくなる可能性はある。
テクニカルとレンジ
値動きを確認すると、日足でも週足でも前の足を割り込んでいる。調整局面となっており、11/20高値の157.89を超えて年初来高値を更新することはかなり難しいと思われる。 とはいえ、来週はFOMCもあり、一時的にドル高にともなる反発はあるかもしれない。基本的には戻り売り戦略となろうが、多少踏まれても問題がないようにポジション管理は怠らないようにしたい。
まとめ
来週のドル円は、FOMCの利下げ開始(ドル安素地)と、日銀12月利上げ(円高素地)がせめぎ合う構図である。イベント前後の振れを逆張りで拾い、ブレイクには素早く追随し、利食いをしていくという戦略になるだろう。

