米CPI・PPI・小売売上高をドル円トレードにどう活かすか
今週(8/4〜8/8)の振り返り
今週のドル円は先週末の弱い米雇用統計を引き継いだまま147.20円でスタート。東京市場でやや買い戻され148.08まで戻すも続かず、その後は米金利の低下につられる形でドル売り優勢となった。
その後の5日には146円台後半まで反落したが、東京時間には再び147円台後半まで回復。6日にはFRB高官のハト派発言やクック理事の「景気転換点」発言を受け147円割れを試す場面も見られたものの、7日も反発と反落を繰り返し、最終的に8日東京時間には147.70で越週した。
週を通して値幅はあるものの方向感がなくレンジ内で右往左往したそうばだった。
来週(8/11〜8/15)の注目材料
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米CPI・PPI・小売売上高
8月12日の7月CPI、14日のPPI、15日の小売売上高が焦点となる。CPIが市場予想を上回れば9月利下げ観測が後退し、ドル高圧力となるだろう。弱い結果なら利下げ開始期待が強まりドル安に振れる可能性が高い。 -
FRB人事と利下げ観測
ミランCEA委員長がFRB理事に指名される見通しだが、これによるとトランプ大統領の経済方針が金融政策に反映されやすくなるとみられている。
さらに、ウォラー理事が次期FRB議長候補と報じられており、ジャクソンホール会合(8月21〜23日)で9月利下げ再開を示唆する流れが有力視される。 -
日本の政局と円相場
石破首相の退陣観測は依然燻っており、仮に辞任が現実化すれば財政悪化懸念を通じて長期金利上昇→円売りの可能性もある。
本邦はお盆休みであるため流動性が低下することで相場変動が拡大しやすい。突発的なヘッドラインには警戒が必要である。 -
関税政策の影響
米国では7日から新たな関税率が発動し、日本に対する不透明感は後退。関税は世界経済の下押し要因だが、当面の不確実性は減少している。為替市場ではドル安圧力が基調となりやすい。
テクニカル見通し
先述したとおり、ドル円はレンジ内の動きを脱していない。雇用統計後に3円下落したものの、146.61を2回試しても割れず下値を切り上げているところを見ると、いったんの下値がここにアンカーされた可能性が高い。ドル高方向に進みやすい地合いであろう。
目先は雇用統計の下落の半戻しである148.76が戻りとして意識されそうだ。
総括
来週のドル円相場は、米主要経済指標とFRBの利下げ観測、日本の政局動向が複雑に絡み合う展開となる見通しである。お盆休みの薄商いの中、米CPIや小売売上高の結果に右往左往する相場展開となろう。
長期休暇であっても相場には目を光らせる必要がある。