高配当株の銘柄を探す時、単に利回りの高さだけに注目していませんか? 高配当株への投資には 安定した経営、増配の実績、リスクへの理解 が不可欠です。 今回は、 8月に権利落ちを迎える米国株の中で、経営が安定し長期にわたり増配を続けている高配当銘柄5つ を調...
高配当株の銘柄を探す時、単に利回りの高さだけに注目していませんか? 高配当株への投資には安定した経営、増配の実績、リスクへの理解が不可欠です。 今回は、8月に権利落ちを迎える米国株の中で、経営が安定し長期にわたり増配を続けている高配当銘柄5つを調べてみました。
1. Altria Group(MO):アルトリア
- 配当利回り(2025年時点):約8.2%
- 連続増配年数:53年
- 権利落ち月:8月
- 特徴:タバコ大手です。会社名より「マールボロ」と言った方がわかりやすいでしょうか。タバコ自体は世界的な健康志向により縮小傾向にありますが、価格転嫁で収益を確保しています。加熱式タバコや大麻関連投資も進めています。
リスク
- 健康志向や規制強化によるタバコ市場縮小のリスク
- 政府の課税強化で利益圧迫の可能性
- 投資先(JUULや大麻関連)の収益化が不透明
2. AbbVie(ABBV):アッヴィ
- 配当利回り(2025年時点):約3.8%
- 連続増配年数:52年(前身アボット時代含む)
- 権利落ち月:8月
- 特徴:製薬会社は景気に左右されず安定的かつ長期に増配を続けるディフェンシブ銘柄ですが、近年は免疫疾患治療薬「Humira」の後継製品群が順調に伸びていることも注目です。
リスク
- 新薬の開発失敗や承認遅延リスク
- 特許切れ製品の売上減少が収益に影響
- 医療制度改革など規制面の不透明さ
3. Kimberly-Clark(KMB):キンバリー・クラーク
- 配当利回り(2025年時点):約4.1%
- 連続増配年数:52年
- 権利落ち月:8月
- 特徴:紙製品のグローバル企業。日本では「Kleenex(クリネックス)」が有名です。生活必需品ブランドは景気に左右されず、安定した収益と配当が期待できます。
リスク
- 原材料価格(パルプ・エネルギーコスト)の上昇リスク
- 為替変動による海外売上への影響
- 消費者の節約志向がブランド品離れにつながる可能性
4. Air Products and Chemicals(APD):エアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ
- 配当利回り(2025年時点):約2.6%
- 連続増配年数:43年
- 権利落ち月:8月
- 特徴:産業ガス大手。社会インフラに関わるディフェンシブ銘柄で、安定的な収益が期待できます。近年は水素や環境関連ガスへの投資で、将来の成長も期待されています。
リスク
- 巨額の設備投資に伴う資金負担リスク
- エネルギー価格変動によるコスト増
- 水素市場の立ち上がりが予想より遅れる可能性
5. Genuine Parts Company(GPC):ジェニュイン・パーツ
- 配当利回り(2025年時点):約2.7%
- 連続増配年数:68年
- 権利落ち月:8月
- 特徴:自動車部品と産業用品の流通大手。日本ではあまり馴染みがありませんが、アフターマーケット需要(自動車修理など)の安定が強みです。
リスク
- 景気後退時には部品需要が減少する可能性
- 人件費や物流コスト上昇の影響
- 新車販売減少がアフターマーケットにも波及するリスク
まとめ|8月権利落ち銘柄で狙うべき高配当株は?
銘柄 | 配当利回り | リスクの例 |
---|---|---|
Altria(MO) | 8.2% | 規制強化、健康志向 |
AbbVie(ABBV) | 3.8% | 特許切れ、新薬開発 |
Kimberly-Clark(KMB) | 4.1% | 原材料高、為替影響 |
Air Products(APD) | 2.6% | 設備投資負担、水素市場遅れ |
Genuine Parts(GPC) | 2.7% | 景気敏感、コスト増 |
高配当株投資では利回りだけでなくリスクとのバランスが重要です。
今回の記事で挙げた銘柄はどれもディフェンシブ銘柄であり景気に左右されづらいものではありますが、市場環境の変化など企業だけでは吸収しきれないリスクもあります。投資前に必ずリスクも確認しましょう。