2025年6月第1週のドル円相場は、米国の関税政策を巡る不透明感や米経済指標の発表を控え、上値の重い展開が予想される。市場はリスク回避の円買いが進む可能性を警戒しており、ドル円は神経質な値動きとなる見込みである。 財務省が国債発行計画を再検討 週初は米国、英国が休場の中、...
2025年6月第1週のドル円相場は、米国の関税政策を巡る不透明感や米経済指標の発表を控え、上値の重い展開が予想される。市場はリスク回避の円買いが進む可能性を警戒しており、ドル円は神経質な値動きとなる見込みである。
財務省が国債発行計画を再検討
週初は米国、英国が休場の中、ドル円は値幅がないながらもやや軟調な展開であったが、27日の日中に財務省が超長期債の減額も視野に入れた国債発行計画を再検討との報道が伝わるとドル円は急騰した。これによりドル円は上昇(円売り)し、木曜日には一時146.28を付けたものの、上値の重さが意識され、そこからはヘッドラインで上昇した分をすべて吐き出し往って来いの展開となり結局144.03で越週した。
注目イベントと見通し
米関税政策の行方
米国の関税政策を巡る不確実性が市場のセンチメントに悪影響を与えている。29日には連邦高裁がトランプ米大統領が世界各国・地域に課した関税についてその大半を違法とし、効力を一時的に停止する判断を下した。 この手続き予定は6月9日までを予定しており、それまで市場は関税政策の動向に一喜一憂する可能性がある。
米経済指標の発表
6月第1週は、米国の重要な経済指標の発表が相次ぐ。とくに6月6日に発表される5月の米雇用統計は、FRBの金融政策の方向性を占う上で注目される。新規失業保険申請件数の増加など、労働市場の減速を示す指標が見られる中、雇用統計の結果が市場に与える影響は大きいと考えられる。
日銀の金融政策
日銀の植田総裁が6月3日に講演を予定しており、金融政策に関する発言が注目される。市場では、日銀の早期利上げ観測が再び意識されており、円高要因となる可能性がある。
テクニカル分析と予想レンジ
ドル円は週足で前週の上値も高値も更新しており、レンジとなっている。 テクニカルとしては移動平均線、MACD、RSIともにやや弱含みを示唆している。
まずは先週の高値となる146.28がレジスタンスとして強く意識されるだろう。抜けたとしても次の高値である5/9高値148.64を抜けるのは容易ではなく、上値の重い展開が予測される。
下値は先週の安値の5/27安値142.10だが、5/6安値をいったん下抜けたあとでのヘッドライン上昇ということもあり、このあたりを割れると140円トライが再開する可能性がある。
まとめ
2025年6月第1週のドル円相場は、米関税政策の不透明感や米経済指標の発表を控え上値の重い展開が予想される。市場はリスク回避の円買いが進む可能性を警戒しており、ドル円は神経質な値動きとなる見込みである。