高配当株の中でも、とくに個人投資家に人気が高いのが「リース会社」です。三菱HCキャピタルや芙蓉総合リース、リコーリースなどは、連続増配と安定した高配当利回りで知られています。 リース会社がなぜ高配当を維持しやすいのかを以下に説明します。 リース会社が配当を多く出せる理由...
高配当株の中でも、とくに個人投資家に人気が高いのが「リース会社」です。三菱HCキャピタルや芙蓉総合リース、リコーリースなどは、連続増配と安定した高配当利回りで知られています。
リース会社がなぜ高配当を維持しやすいのかを以下に説明します。
リース会社が配当を多く出せる理由
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安定的な収益モデル
リース契約は長期固定収入となることが多く、毎期の業績が安定しやすいのが特徴です。設備投資先として企業に貸し出すモデルのため、景気に左右されにくい一面もあります。 -
資本効率を重視した経営
ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)を意識した経営が主流であり、余剰利益は株主還元へ積極的に回されます。 -
大型投資が不要な業態
メーカーのように巨額の研究開発費や設備投資を必要としないため、キャッシュフローに余裕があり、配当原資が確保しやすい業種です。 -
増配文化の浸透
業界内での連続増配への意識が高く、毎年の増配を明示する企業も多く存在します。たとえば三菱HCキャピタルは26期連続増配を継続しています。
減配リスクも忘れてはいけない
高配当・連続増配と聞くと「安心」と思われがちですが、以下のリスクは認識しておくべきです。
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景気悪化による貸倒・焦げ付きリスク
取引先企業が倒産・リース契約を履行できなくなると、利益や資産にマイナス影響が出る可能性があります。 -
金利上昇による資金調達コストの上昇
リース会社は金融機関としての性格も持つため、借入金利の上昇が利益圧迫要因になります。 -
為替変動リスク(海外事業を持つ場合)
三菱HCキャピタルなどは米国などでリース事業を展開しており、円高局面では海外利益の目減りが懸念されます。
主な上場リース会社の比較表(2025年5月時点)
以下に、代表的な上場リース会社5社の財務指標・配当状況を比較した表を掲載します。
銘柄名 | 配当利回り | 連続増配年数 | 配当性向 | 自己資本比率 | ROE(予想) | 主な特徴 |
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三菱HCキャピタル (8593) | 約3.99% | 26期 | 42% | 16.1% | 7.8% | 航空機やモビリティに強み |
リコーリース (8566) | 約3.50% | 26期 | 38% | 14.5% | 8.5% | 保守的な財務と安定収益 |
芙蓉(ふよう)総合リース (8424) | 約4.16% | 20期 | 40% | 12.8% | 8.2% | 伝統ある独立系 |
みずほリース (8425) | 約3.70% | 20期 | 45% | 15.3% | 8.0% | 海外展開にも注力 |
東京センチュリー (8439) | 約3.53% | 11期 | 48% | 13.2% | 7.5% | 伊藤忠・みずほ連携で成長中 |
まとめ
リース会社はそのビジネスモデルと経営スタンスから、高配当を維持しやすい企業が多く、連続増配銘柄として注目されています。ただし、金融・不動産的な側面も持ち合わせており、経済情勢や金利動向によっては減配リスクもある点に留意が必要です。
安定した配当収入を得たいのであれば、各社の財務健全性や海外展開状況などをよく見極め、慎重に投資先を選びましょう。