2025年4月第4週のドル円相場は、下方向へのバイアスが引き続き意識される展開となりそうだ。 トランプ政権の関税政策が再び市場に影響 週初の急落は、米国の関税政策に関する報道が引き金となった。ドル円は東京時間の早朝に144円台から142円台へと急速に値を下げ、その後もボラテ...
2025年4月第4週のドル円相場は、下方向へのバイアスが引き続き意識される展開となりそうだ。
トランプ政権の関税政策が再び市場に影響
週初の急落は、米国の関税政策に関する報道が引き金となった。ドル円は東京時間の早朝に144円台から142円台へと急速に値を下げ、その後もボラティリティの高い状態が継続した。
米中交渉の進展期待が一時的に下支えしたものの、パウエルFRB議長の「インフレ優先」姿勢や米株下落が重なり、ドル売り優勢の流れからドル円も円高が進んだ。
日米財務相会談を控え、円高圧力が強まる可能性
市場では、4月22日からの加藤財務相訪米と、ベッセント米財務長官との会談に注目が集まっている。為替問題が議題に上るか否かは不透明であるが、円高材料として市場が反応する可能性がある。
また、同時期に植田日銀総裁の訪米も予定されている。財務長官との接触が報じられれば、日銀の金融政策に対する思惑も加わる。
目先はドル安と円高は日米双方にとってメリットがあるように思われる。
FRB内のスタンスに分裂、ドル売り継続か
パウエルFRB議長とウォラー理事の発言内容が市場の混乱を誘っている。ウォラー理事は「大幅な関税が景気後退を招けば、早期かつ大幅な利下げを支持する」とハト派的な発言を行った一方で、パウエル議長は「金融政策の見直しは時期尚早」と慎重姿勢を崩していない。このスタンスの違いにより、市場の利下げ期待は後退しつつも、米景気に対する懸念は根強い。
今後発表される経済指標、とくに4月30日の第1四半期GDP速報値や5月1日のISM製造業景況指数などが弱い内容となれば、FRBが利下げに動く可能性は一段と高まる。実際、フィラデルフィア連銀景況指数の急低下など、すでに兆候は現れている。
テクニカル的には下値余地拡大、140円割れも視野
現状、ドル円は昨年9月末の安値(139.57円)を更新する勢いで下値を模索しており、短期的には心理的節目である140円が意識されている。
上値については、145円が心理的な節目とみられ、戻りは限定的と思われる。