来週の外為市場のポイント 「アベグジット」による円高危機は本邦機関投資家と個人の逆張りで死守 米中対立はブラックスワン。直接衝突の懸念がある 大統領選挙が本格的に開始される 8 月雇用統計はポジティブ・サプライズに注意 「円」が安倍首相辞任・米大統領選を...
来週の外為市場のポイント
- 「アベグジット」による円高危機は本邦機関投資家と個人の逆張りで死守
- 米中対立はブラックスワン。直接衝突の懸念がある
- 大統領選挙が本格的に開始される
- 8 月雇用統計はポジティブ・サプライズに注意
「円」が安倍首相辞任・米大統領選を黙読する局面
武部力也の週間為替相場見通し - 岡三オンライン証券11 月 3 日の米大統領選に向け、共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の選挙活動は 9 月から本格始動する。残りは約 60 日。
ドル円への影響はないのか、両候補の政策違いを事前に点検しておきたい。
60日後の米大統領選挙。両候補による円への影響
現時点で明確なのはトランプ候補の「アメリカ・ファースト」に対しバイデン候補は「ビルド・バック・ベター」「バイ・アメリカン」と選挙フレーズこそ違うが米製造業の復活を目指すポピュリスト的な経済政策を打ち出している。
経済と愛国主義の2大看板をどちらも掲げており、仮にバイデン政権誕生になったからといって、自由貿易主義に一気に戻る訳ではなく対日要求も急減する可能性は極めて低いと読めそうだ。
バイデン政権になればトランプ政権時代の施策を否定し以前の状態に戻す、としているが、果たして対日同盟強化として通商交渉等では為替条項もちらつかさず、円満な交渉となりえるのか、個人的には懐疑的だ。
米大統領選挙後も日米金融緩和策は不変
トランプ・バイデンのいずれの政権誕生でもパウエル議長の任期は2028年1月まで猶予があり金融政策の独立性は維持し続けるだろう。
対して日本側だが
8 月 28 日 午後 2
時過ぎに安倍首相辞任の報が伝わり「アベグジット/円急騰」の場面を招いた。しかし政府、そして次期与党政権、更には任期が
2023 年 4
月の黒田日銀総裁としても、デフレ回帰・株安となる円高の甘受をし難い点は従前から変わりはないのではないか。
ドル安・ドル売りに対しては本邦機関投資家等、“オールジャパン”を通じて円投、円売り圧力が持ち込まれ、更には追加緩和を以て対峙するシナリオ読みが無難か。
予想レンジ:104.80 ~107.80
米中対立と米 8 月雇用統計に要注目
fx weekly - DZHフィナンシャルリサーチドル円は、米中対立激化懸念、新型コロナウイルス景気対策の協議難航、パウエルFRB議長が 2%の平均物価目標の導入を示唆し、米国での新型コロナウイルス感染拡大懸念などから、上値が重い展開が予想される。
9 月 4 日(金)には、米 8 月雇用統計が発表される。
予想は 7 月より悪化が見込まれているが、8
月の雇用統計調査対象週の失業保険継続受給者数は減少しており、ポジティブサプライズに要警戒となる。
予想レンジ:103.00 ~108.00
「金利相場」のドルは106円台が軸、リスクは日米政治問題
来週の外為市場 - ロイター
ドルは106円台を軸とする展開になりそうだ。
足元では「金利相場」の様相を呈し、米長期金利が上昇すれば107円を試しにいく余地もある。ドル円は目下『金利相場』で、米長期金利の変動に反応しやすくなっている。米長期金利が一段高となれば、107円をうかがう場面もみられるだろう。
リスク要因としては、南シナ海を巡る米中のにらみ合い、安倍首相辞任に伴う政治の不安定化、大統領選を意識したトランプ米大統領の不規則発言、米国での警官による黒人襲撃の波紋が広がっていることなど。
南シナ海を巡る米中のにらみ合いで、一部では、軍事衝突につながりかねないとの強い警戒感もある。
予想レンジ:105.00 ~107.50
逆張り戦略
- 下値は限定的というのがメインシナリオ
- 8 月円高アノマリーは達成
ジャクソンホール会議は無風。
週報半にかけては、米長期金利の上昇に連動してドル円は上昇を続けていましたが、8 月 28 日の場中に突然 安倍首相の辞任がリークされたことから東京は大混乱。107 円に迫っていたドル円は、突然の暴落で 105 円前半まで売られる結果に。
ただ、105 円近辺では買いが入り、ドル円の底堅さが再確認されました。
8 月も終了ですが、「8 月円高アノマリー」は今年も実証されそうです。
9 月からは米国の大統領選挙が本格的にスタートすることもあり、ヘッドラインにより上へ下へ振り回される状況が多くなってくる可能性があります。
とはいえ、ドル円に関してはなんだかんだでレンジ内に収まっていることから、本邦個人投家資(a.k.a. Mrs.Watanabe)の基本戦略である「逆張り戦略」がまだまだ通用しそうです。
予想レンジ:104.80 ~106.50