ドル不足の賞味期限 ドル円は続伸し、一時 100 円を切るのではないかという状況から一転。110 円をしっかりと抜けて越週しました。 こういう状況では、値頃感でショートを入れる参加者も多く、そのロスカットによりさらなる上昇をみせるケースが少なくありません。今回は、ドル高という理...
ドル不足の賞味期限
ドル円は続伸し、一時 100 円を切るのではないかという状況から一転。110 円をしっかりと抜けて越週しました。こういう状況では、値頃感でショートを入れる参加者も多く、そのロスカットによりさらなる上昇をみせるケースが少なくありません。今回は、ドル高という理由はあるにせよ、少なからずそうした参加者たちの「損切り」により続伸したようにも思います。
テクニカル的には、特に月足を見ると、大きな下ひげと非常に強い陽線を描いており、ドル円に関しては 100 円からの「往って来い」を演じただけのローソク足になっています。
難しいのは、テクニカル的に「強気」になりつつも、ファンダメンタルズとしては完全に下方向ということです。
そして、相変わらずの変動が激しい相場で、だんだんと感覚が麻痺してきます。
ドル円は 1 日に 2 円動いても不思議ではない相場環境。
価格は全てを織り込むのであれば、下がったところは押し目買いのチャンスではありますが、相場の地合いが非常に悪く、慎重に相場と向き合う局面が続くでしょう。
予想:108.00~112.50
来週の相場予想サマリー
ソース | 予想レンジ | 予想 | 概要 |
三菱UFJ銀行 | 107.00~111.00 | やや強気 | FX Weekly 為替市場ではここにきてドル高が顕著だ。この主因は、世界的なドル資金の需給ひっ迫が為替市場にもドル買い圧力として飛び火している為と考えられる。 当面為替市場ではドル高が続く可能性が高い。ドル円においても目先について言えば、一定の続伸を想定せざるを得ないだろう。 対する円は、ドルに次ぐ番手に位置している通り、対ドルを除けば多くの通貨に対して円高が進んでいる。 為替市場ではクロス円での円高が進行しやすい環境と言え、多くの日本企業の決算を控える中、ドル円での円安とは対照的に幅広い通貨に対する円高に警戒を要するだろう。 一方、こうしたドル高は時間の経過とともに和らぐと考えられる。特に、四半期跨ぎのドル資金繰りの目途が立ち始める来週後半にはドル高が和らぐ可能性もあるだろう。 短期的にはドル円の 110 円大台乗せを想定しつつ、期末にかけた円転需要にも圧され、来週末にかけ、ドル円が次第に緩む展開を予想する。 |
ロイター | 106.00~111.00 | 超弱気 | 来週の外為市場 来週の外為市場では、新型コロナウイルス感染拡大が終息するめどが立たない中、世界の株価急落で信用収縮が悪化し、「ドル・クランチ(ドル不足)」によるドル高傾向が続きそうだ。ドル以外通貨は売られ、資源国や新興国の通貨は安値を更新する可能性が高い。コロナの状況が落ち着くか、米長期金利の上昇がいつまで続くのかが焦点。ドルのキャッシュへの需要が根強いとはいえ、急激なドル高に調整が入るリスクもある。 今回、深刻な脆弱さを露呈したのは、資源国通貨や新興国通貨だ。 最近の「ドル・クランチ」は、信用力の低い米シェール企業や新興国の企業などが、米国の長年の緩和でドル建ての借り入れ(債務)を過剰に膨らませたのが直接的な原因。 こうした企業は金融や資本市場が落ち着いていれば債務の借り換えを難なくできるが、今のような状況では信用力の低い企業・国の債務借り換えはほぼ不可能で、手持ちの資産を換金してドルを調達するしかない。 こうした動きはドル高/新興国通貨安につながる。 同幹部によると、先進国政府は米国とのスワップ協定や豊富な外貨準備で自国企業を守れる一方、新興国は不透明性が高いことも影響している。 |
FX羅針盤 | 108.00~112.50 | やや弱気 | 来週の為替相場見通し ドル円は、テクニカル的にみて「地合いの強さ(ロスカット主導)」が見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定される。足元ではドル全面高の流れが続いているものの、ここから先は、「リスク回避のドル高→クロス円下落→ドル円下落」といった時間差での「ドル売り・円買い」に注意が必要。 米株・米長期金利及び原油価格の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、米経済指標の結果を睨みながらも、引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想する。 |