2018年10月第2週(10月8日~12日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年10月第2週(10月8日~12日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
米中の通商交渉は通商以外の分野にも広がり、米中関係は悪化の一途を辿っているが、現時点では、中国とそれ以外、と区分が付き、全体で見ると米国の通商政策を巡る不透明感は軽減された印象となっている。
株式相場は上昇したが、週後半にはマーケット全般の構図が変化した。通商政策の不透明感が薄れるとともにファンダメンタルズと金利、への注目度合いが高まり、長期金利の上昇を背景に株式相場は反落、ドル円相場は 114 円台半ばまで上昇した後、株式相場の下落につれて反落。
長期金利の上昇の背景が複数あるため、一見単純に見えるこの相場は意外に複雑である。
目先の数週間については、長期金利は一段と上昇する可能性があり、株式相場は景気指標と米中関係にも左右される。為替相場は、長期金利上昇が景気要因によるもので、かつ株式相場も上昇するならばドル円は上昇、株式相場は下落するならばドル円は下落、長期金利上昇が財政問題などリスク要因によるものならば、株式相場は下落し、ドル円も下落、といったシナリオとなろう。
ドルの114円半ばは分厚い壁だ。昨年3月に115円台を割り込んで以降、5月に114.38円、7月に114.49円、10月に114.45円と幾度も114円半ばの突破に失敗。11月にようやく114.73円と瞬間的に上抜けたが、その後今年3月にかけて104円台へ大幅反落する起点となってしまった経緯がある。
その中で、為替市場関係者の注目を集めたのが米30年債利回り。3日に14年秋以降上限となってきた「3.25%の壁」(外銀)を突破し、4年3カ月ぶり高水準へ上昇した。何度も上抜けを試しては反転低下し続けた強力な抵抗ラインを明確に上抜けたことで、米金利の上昇はしばらく続くとの見方が強まっている。
実際、この先どうなるのであろか。米失業率は過去最低水準にあり、ほぼ完全雇用の状態と言えよう。米雇用統計の平均時給の伸びも前年比3%未満で推移しており、賃金インフレを過度に懸念する水準でもない。米経済はまだ、ピーク前のほどよい状態にあるものと思われ、市場も適温相場が年末にかけてもう少し続くものと思われる。
インフレなき景気拡大という米経済の線香花火は、最後の散り菊にはまだ程遠い状態と考えている。ただ、確実に接近していることは間違いないのであろうが。
さて来週だが、ドル円は年末にかけて更なる上値を目指すにはどうしても越えなければならない壁がある。115円の心理的節目だ。来週は試しに行くか注目されるが、1回は付けに行く動きを期待したい。ただ、さすがに上値抵抗も強そうなことから、115円台を固められるかは未知数。ただ、底堅い展開は続くものと期待する。
ファンダメンタルズとしては、米国の経済状況が良いことからも、下値ではドルを買う動きが根強くあります。
今週の動きとしては、このまま強気の流れが続くのかどうかが注目。
長期近隣上昇から株が崩れた場合、ドル円にも影響が出る可能性もあります。
テクニカル的には、ここで少し調整が入った方が上昇トレンドが長続きするような印象もあります。下押しをした際に、様子を見ながら買いを入れるかどうか慎重に判断しましょう。
経済指標一覧(日本時間)
10/8(月)
- 休場:日・加
- 特に重要な経済指標の発表なし
10/9(火)
- 特に重要な経済指標の発表なし
10/10(水)
- 17:30(英) 8月 月次国内総生産(GDP)
- 21:30(米) 9月 卸売物価指数
10/11(木)
- 未定(中) 9月 卸売物価指数
- 21:30(米) 9月 消費者物価指数(CPI)
10/12(金)
- 未定(中) 9月 貿易収支
- 18:00(欧) 8月 鉱工業生産
- 23:00(米) 10月 ミシガン大学消費者態度指数
ドル円予想レンジ
三井住友銀行
FOREX WEEKLY
予想レンジ:113.00 - 114.50
長期金利の上昇
- 米国とカナダの NAFTA 修正協議は合意に至った。
- 堅調な米国景気、インフレ期待の上昇、欧州の政治不安、などが長期金利を上昇させている。
- 目先は米国景気の堅調さを背景に、「利上げ継続の長期化」が意識されるだろう。
米中の通商交渉は通商以外の分野にも広がり、米中関係は悪化の一途を辿っているが、現時点では、中国とそれ以外、と区分が付き、全体で見ると米国の通商政策を巡る不透明感は軽減された印象となっている。
株式相場は上昇したが、週後半にはマーケット全般の構図が変化した。通商政策の不透明感が薄れるとともにファンダメンタルズと金利、への注目度合いが高まり、長期金利の上昇を背景に株式相場は反落、ドル円相場は 114 円台半ばまで上昇した後、株式相場の下落につれて反落。
長期金利の上昇の背景が複数あるため、一見単純に見えるこの相場は意外に複雑である。
目先の数週間については、長期金利は一段と上昇する可能性があり、株式相場は景気指標と米中関係にも左右される。為替相場は、長期金利上昇が景気要因によるもので、かつ株式相場も上昇するならばドル円は上昇、株式相場は下落するならばドル円は下落、長期金利上昇が財政問題などリスク要因によるものならば、株式相場は下落し、ドル円も下落、といったシナリオとなろう。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:112.00 - 114.50
来週は米金利高/株安なら円高、鍵は114.73円
来週の外為市場では、7年ぶり水準へ上昇した10年債を含む米国債金利の行方が、ドル/円を大きく左右しそうだ。金利高が最高値圏を推移する米株の打撃となったり、新興国通貨安を加速させることになれば、リスク回避ムードの高まりで円が買われやすくなる。ドルの114円半ばは分厚い壁だ。昨年3月に115円台を割り込んで以降、5月に114.38円、7月に114.49円、10月に114.45円と幾度も114円半ばの突破に失敗。11月にようやく114.73円と瞬間的に上抜けたが、その後今年3月にかけて104円台へ大幅反落する起点となってしまった経緯がある。
その中で、為替市場関係者の注目を集めたのが米30年債利回り。3日に14年秋以降上限となってきた「3.25%の壁」(外銀)を突破し、4年3カ月ぶり高水準へ上昇した。何度も上抜けを試しては反転低下し続けた強力な抵抗ラインを明確に上抜けたことで、米金利の上昇はしばらく続くとの見方が強まっている。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:113.00 - 115.50
米経済の線香花火は散り菊にはまだ程遠い
現在の相場の方程式では米10年債利回りの上昇はドル円にとってはポジティブな材料ではあるが、市場全体に警戒感が高まりリスク回避の雰囲気がドル円を下押しした模様。もっともドル円自体もこのところの上昇で過熱感が高まっていたことから、調整が出やすかった局面ではあった。水曜日に発表になったISM指数とADP雇用統計がやけに強かったことや、原油が77ドル近くまで急激に上昇したことでインフレへの警戒感を急速に強めたようだ。実際、この先どうなるのであろか。米失業率は過去最低水準にあり、ほぼ完全雇用の状態と言えよう。米雇用統計の平均時給の伸びも前年比3%未満で推移しており、賃金インフレを過度に懸念する水準でもない。米経済はまだ、ピーク前のほどよい状態にあるものと思われ、市場も適温相場が年末にかけてもう少し続くものと思われる。
インフレなき景気拡大という米経済の線香花火は、最後の散り菊にはまだ程遠い状態と考えている。ただ、確実に接近していることは間違いないのであろうが。
さて来週だが、ドル円は年末にかけて更なる上値を目指すにはどうしても越えなければならない壁がある。115円の心理的節目だ。来週は試しに行くか注目されるが、1回は付けに行く動きを期待したい。ただ、さすがに上値抵抗も強そうなことから、115円台を固められるかは未知数。ただ、底堅い展開は続くものと期待する。
私見
強いドル円
予想レンジ:112.30 - 115.00ドル円の上値は重く、114.50 の壁に弾かれています。
ファンダメンタルズとしては、米国の経済状況が良いことからも、下値ではドルを買う動きが根強くあります。
今週の動きとしては、このまま強気の流れが続くのかどうかが注目。
長期近隣上昇から株が崩れた場合、ドル円にも影響が出る可能性もあります。
テクニカル的には、ここで少し調整が入った方が上昇トレンドが長続きするような印象もあります。下押しをした際に、様子を見ながら買いを入れるかどうか慎重に判断しましょう。