主要な経済指標のまとめから、ドル円相場の予想とマーケットの見通しを考察します。
主要な経済指標のまとめから、ドル円相場の予想とマーケットの見通しを考察します。
もう一つの注目材料だった FOMC では、大方の予想通りに利上げが実施されたほか、声明文からは「依然として緩和的」との文言が削除された。代わりの新たな文言が入ることはなく、声明文は短縮化された。
今回は FOMC の参加者による経済・金利見通しも公表された。この見通しからは三つのことが読み取れる。①今後も利上げは継続される見込みであること。②次回以降は利上げペースは今までよりも緩やかになる可能性があること。③利上げの終着点は 3.25%~3.5%で、2020 年が想定されていること。FOMC 結果発表の当日のマーケットの反応は、これらのうち主として①に注目したものだった。
来週は ISM や雇用統計といった主要経済指標の発表週である。特に雇用統計では前回上昇した時間当たり賃金が最も注目される。米中関係の悪化は悪材料だが、国連総会も終わり、政治よりも経済の方に注目が集まりやすい。ドル円は 103円台まで上昇して、年初来高値となった。10 月にはドル高・円安のトレンドが出ると予想する。
一方、投機筋が半期末のポジション調整を終えた10月からは、米経済のピークアウトのリスクや、強烈な金融緩和の推進に一定の距離を置き始めた日銀の姿勢、米中貿易摩擦の深刻化などが意識されやすく、ドル/円の上昇トレンドが頓挫するリスクもはらんでいる。
ドルの伸びしろについて、トウキョウフォレックス上田ハーロー、営業推進室長の阪井勇蔵氏は「昨年のドル/円の年間変動幅が約10円だったことに鑑みて、今年の高値は114円半ばがいいところだろう。過去に3回跳ね返された水準で、上抜けには、米長期金利の大幅上昇や米中通商協議の進展といった強い材料が必要だ」という。
ドル高の背後にはユーロ安も横たわる。財政赤字抑制に対するイタリア政府のコミットメントの強さに疑念がもたれているほか、独メルケル首相の求心力低下も不安視されている。
FOMCだが、年内あと1回、来年3回の利上げ、2020年に1回の利上げ見通しを示した。今年の成長見通しも引き上げ、声明からは緩和的の文言も削除された。労働市場や景気の力強さもこれまで通りに強調している。
FOMC後も株式市場は絶好調で、市場は貿易問題の影響に目をつぶりつつ、改めて素直に足元のファンダメンタルズに回帰しているのかもしれない。市場はFOMCを経て金融政策の格差に基づいたドル高を改めて意識しているのかもしれない。
ドル円にとっては最も心地よい風であり、今回のFOMCでの利上げでFXの買いスワップは更に拡大している。日本の投資家にとっては年末にかけてこの流れが続いてほしいところだが、貿易問題も燻っている。
さて来週だが、10月相場入りする。海外では第4四半期入りで、それなりに新規の資金の流れがあることが予想される。年末に向けてドル回帰の流れも予想されることから、ドル高を期待したいところでもある。
来週はFOMCメンバーの講演や米雇用統計がメインイベントだ。FOMC直後でもあり、メンバーからの発言内容はそれに沿った内容が期待されサプライズはないであろう。米雇用統計は前回よりも低めの内容が見込まれているが、よほど弱い数字でない限りFRBのスタンスには変化を与えないであろう。強めの数字であればドル高の反応も予想される。
ドル円はやや過熱感は出て来ているものの、下値はサポートされ堅調な展開が続くことを予想する。115円は欲張りだが、114円台への上昇は期待できそうだ。
トレンドの方向に付いていく。
これが鉄則になります。
足下はやや加熱しすぎな感じがあるため、一旦の調整を経た後のさらなる上昇を期待したいところです。
テクニカル的にも、アップトレンド中。
移動平均線に沿って、きれいな押し目を作りながらチャートが形成されています。
ひたすら押し目を待って仕掛ける我慢強さが求められるでしょう。
経済指標一覧(日本時間)
10/1(月)
- 休場:豪・中(10/4まで)・香港
- 08:50(日) 7-9月期 日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
- 23:00(米) 9月 ISM製造業景況指数
10/2(火)
- 13:30(豪) 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
- 25:00(米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
10/3(水)
- 21:15(米) 9月 ADP雇用統計 [前月比]
- 23:00(米) 9月 ISM非製造業景況指数
10/4(木)
- 特に重要な経済指標の発表なし
10/5(金)
- 21:00(加) 9月 失業率、新規雇用者数
- 21:30(米) 9月 雇用統計、失業率、平均時給
ドル円予想レンジ
三井住友銀行
FOREX WEEKLY
予想レンジ:113.00 - 114.50
日米通商交渉は安堵
- 日米の通商協議は安堵できる内容に決着した。
- FOMC では利上げが実施された。今後も利上げが継続される見通しである。
- 目先は米国景気の堅調さを背景に、「利上げ継続の長期化」が意識されるだろう。
もう一つの注目材料だった FOMC では、大方の予想通りに利上げが実施されたほか、声明文からは「依然として緩和的」との文言が削除された。代わりの新たな文言が入ることはなく、声明文は短縮化された。
今回は FOMC の参加者による経済・金利見通しも公表された。この見通しからは三つのことが読み取れる。①今後も利上げは継続される見込みであること。②次回以降は利上げペースは今までよりも緩やかになる可能性があること。③利上げの終着点は 3.25%~3.5%で、2020 年が想定されていること。FOMC 結果発表の当日のマーケットの反応は、これらのうち主として①に注目したものだった。
来週は ISM や雇用統計といった主要経済指標の発表週である。特に雇用統計では前回上昇した時間当たり賃金が最も注目される。米中関係の悪化は悪材料だが、国連総会も終わり、政治よりも経済の方に注目が集まりやすい。ドル円は 103円台まで上昇して、年初来高値となった。10 月にはドル高・円安のトレンドが出ると予想する。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:112.00 - 114.50
来週はドル続伸に期待感、はしご外されるリスクも
年初来高値圏の113円台を推移するドルを巡り、来週にも114円台に挑戦するとの期待が市場で高まっている。内外の株高でリスクオン機運が盛り上がっているためだ。一方、投機筋が半期末のポジション調整を終えた10月からは、米経済のピークアウトのリスクや、強烈な金融緩和の推進に一定の距離を置き始めた日銀の姿勢、米中貿易摩擦の深刻化などが意識されやすく、ドル/円の上昇トレンドが頓挫するリスクもはらんでいる。
ドルの伸びしろについて、トウキョウフォレックス上田ハーロー、営業推進室長の阪井勇蔵氏は「昨年のドル/円の年間変動幅が約10円だったことに鑑みて、今年の高値は114円半ばがいいところだろう。過去に3回跳ね返された水準で、上抜けには、米長期金利の大幅上昇や米中通商協議の進展といった強い材料が必要だ」という。
ドル高の背後にはユーロ安も横たわる。財政赤字抑制に対するイタリア政府のコミットメントの強さに疑念がもたれているほか、独メルケル首相の求心力低下も不安視されている。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:112.50 - 114.50
もうしばらく強いデータに基づいたポジティブな流れ継続を期待
今週のドル円は、ようやく年初来高値を突破してきた。足元はやや過熱感が出ているものの、上値余地はまだありそうだ。FOMCだが、年内あと1回、来年3回の利上げ、2020年に1回の利上げ見通しを示した。今年の成長見通しも引き上げ、声明からは緩和的の文言も削除された。労働市場や景気の力強さもこれまで通りに強調している。
FOMC後も株式市場は絶好調で、市場は貿易問題の影響に目をつぶりつつ、改めて素直に足元のファンダメンタルズに回帰しているのかもしれない。市場はFOMCを経て金融政策の格差に基づいたドル高を改めて意識しているのかもしれない。
ドル円にとっては最も心地よい風であり、今回のFOMCでの利上げでFXの買いスワップは更に拡大している。日本の投資家にとっては年末にかけてこの流れが続いてほしいところだが、貿易問題も燻っている。
さて来週だが、10月相場入りする。海外では第4四半期入りで、それなりに新規の資金の流れがあることが予想される。年末に向けてドル回帰の流れも予想されることから、ドル高を期待したいところでもある。
来週はFOMCメンバーの講演や米雇用統計がメインイベントだ。FOMC直後でもあり、メンバーからの発言内容はそれに沿った内容が期待されサプライズはないであろう。米雇用統計は前回よりも低めの内容が見込まれているが、よほど弱い数字でない限りFRBのスタンスには変化を与えないであろう。強めの数字であればドル高の反応も予想される。
ドル円はやや過熱感は出て来ているものの、下値はサポートされ堅調な展開が続くことを予想する。115円は欲張りだが、114円台への上昇は期待できそうだ。
私見
強いドル円
予想レンジ:112.30 - 114.00ドル円が強いです。ジリジリと上げるこのような動きは、安易にショートを仕掛けると丸焼きにされる、危険な動きです。
トレンドの方向に付いていく。
これが鉄則になります。
足下はやや加熱しすぎな感じがあるため、一旦の調整を経た後のさらなる上昇を期待したいところです。
テクニカル的にも、アップトレンド中。
移動平均線に沿って、きれいな押し目を作りながらチャートが形成されています。
ひたすら押し目を待って仕掛ける我慢強さが求められるでしょう。