2018年6月第4週(6月18日~6月22日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年6月第4週(6月18日~6月22日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
ただ、円の特性を踏まえると、ドル円がドル高の流れに沿って上昇できるかと言えば話が異なってくる。来週のドル円は、底堅く推移しつつも、特に以下の 3 点が重しとなりそうだ。
ドルの独歩高は新興国通貨安を招き易い。こうした動きは、常に市場を一定の緊張下に置くため、円への上昇圧力となってドル円の上値を抑えよう。
こうしたリスク回避的な雰囲気に後述の貿易摩擦への懸念も加わり、米国でも株式相場の上値が重い。これが、米長期金利の上昇を抑制したり、低下圧力となってドル円の上昇を抑制しそうだ。
以上を踏まえると来週のドル円は、全般的なドル高が下支えとはなるものの、上値も重そうだ。ここで指摘した上値抑制または下押し材料が顕在化すれば、110 円大台を割り込む場面もみられよう。
そうした流れとなれば、ドル/円も底堅い動きとなる可能性が高い。ただ、急速なドル高がポンドや豪ドル、スイスフランなどその他通貨の売り圧力を強める形となれば、クロス円は値崩れしやすい。円がユーロやその他通貨に対して買われ続ければ、ドル/円の上値は伸びづらくなる。
ドル高が進む場面では、新興国市場動向にも注意が必要だ。新興国通貨安が加速すれば、リスクオフ的な円高圧力となるおそれもある。
リスクとしては通商問題など政治リスクや、新興国通貨の動向がノイズとして意識される。ただ、基本的にはファンダメンタルズに回帰するものと期待し、そうなれば、FRBと他の中銀との金融政策の格差が意識される展開も想定される。
再度、米国債利回りのフラット化が進んでいるが、長期ゾーン利回りに修正の動きが出れば、ドル高が加速するシナリオも想定される。向こう数ヵ月のドル円の見通しとしては、115円はさすがに欲張りだが、年初の高値113.40円付近までの上昇は可能性が出てきているのかもしれない。
その中でも特筆すべきは ECB の動き。戻り基調にあったユーロドルは大きく下落し、戻りを試す展開はしばらくお預けです。
ドル円は「買えなかった本邦勢」が押し目を拾っていたとの声もあります。上値を積極的に追う動きではありませんが、底堅さを見せています。
ドル円予想 : 109.90 - 111.90
経済指標一覧(日本時間)
6/18(月)
- 26:30(欧)ドラギ ECB 総裁、発言
6/19(火)
- 10:30(豪)豪州準備銀行 金融政策決定会合 議事要旨
- 17:00(欧)ドラギ ECB 総裁、発言
6/20(水)
- 07:45(NZ)1-3月期 四半期国内総生産(GDP)
- 08:50(日)日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 22:30(米)パウエル FRB 議長、発言
6/21(木)
- 20:00(英) イングランド銀行 金利発表
- 20:00(英) 英中銀資産買取プログラム規模,MPC 議事要旨
6/22(金)
- 08:30(日) 5月 全国消費者物価指数
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:109.50 - 112.00
引き締めを示唆した FOMC
為替市場で最も出来高が大きいユーロドルという通貨ペアにおけるドル高は、為替市場全体の方向へとそのまま投影されることが多い。先週号の当方の予想に反し、ECBが低金利を秋口まで継続する姿勢を示し、ユーロが急落したことに鑑みれば、来週の為替市場では、ユーロドルを起点に、ドルが堅調に推移する可能性が高い。ただ、円の特性を踏まえると、ドル円がドル高の流れに沿って上昇できるかと言えば話が異なってくる。来週のドル円は、底堅く推移しつつも、特に以下の 3 点が重しとなりそうだ。
ドルの独歩高は新興国通貨安を招き易い。こうした動きは、常に市場を一定の緊張下に置くため、円への上昇圧力となってドル円の上値を抑えよう。
こうしたリスク回避的な雰囲気に後述の貿易摩擦への懸念も加わり、米国でも株式相場の上値が重い。これが、米長期金利の上昇を抑制したり、低下圧力となってドル円の上昇を抑制しそうだ。
以上を踏まえると来週のドル円は、全般的なドル高が下支えとはなるものの、上値も重そうだ。ここで指摘した上値抑制または下押し材料が顕在化すれば、110 円大台を割り込む場面もみられよう。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:110.00 - 112.00
来週はユーロ安の行方が鍵、ドル/円上昇は緩やか
来週の外為市場は、欧州中央銀行(ECB)理事会後に加速したユーロ安に歯止めがかかるかが最大の注目点。一段安となればドル高が勢いづくが、クロス円で円高が進みやすいため、ドル/円の上昇は緩やかとなる見通しだ。そうした流れとなれば、ドル/円も底堅い動きとなる可能性が高い。ただ、急速なドル高がポンドや豪ドル、スイスフランなどその他通貨の売り圧力を強める形となれば、クロス円は値崩れしやすい。円がユーロやその他通貨に対して買われ続ければ、ドル/円の上値は伸びづらくなる。
ドル高が進む場面では、新興国市場動向にも注意が必要だ。新興国通貨安が加速すれば、リスクオフ的な円高圧力となるおそれもある。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:110.00 - 112.00
ノイズなくファンダメンタルズを意識できればドル高期待も
来週だが、パウエルFRB議長やドラギECB総裁のパネルディスカッションなどが予定されているが、会合を終えスタンスを変更させたばかりなので、そこから大きく逸脱した内容はないと思われる。指標は少なく最近は関心が薄くなっている米住宅指標のほかは、英中銀金融政策委員会(MPC)が予定されている。MPCは若干注目ではある。リスクとしては通商問題など政治リスクや、新興国通貨の動向がノイズとして意識される。ただ、基本的にはファンダメンタルズに回帰するものと期待し、そうなれば、FRBと他の中銀との金融政策の格差が意識される展開も想定される。
再度、米国債利回りのフラット化が進んでいるが、長期ゾーン利回りに修正の動きが出れば、ドル高が加速するシナリオも想定される。向こう数ヵ月のドル円の見通しとしては、115円はさすがに欲張りだが、年初の高値113.40円付近までの上昇は可能性が出てきているのかもしれない。
私見
先週は、日米欧すべての中央銀行のイベントが集中していました。その中でも特筆すべきは ECB の動き。戻り基調にあったユーロドルは大きく下落し、戻りを試す展開はしばらくお預けです。
ドル円は「買えなかった本邦勢」が押し目を拾っていたとの声もあります。上値を積極的に追う動きではありませんが、底堅さを見せています。
テクニカルでは、長らく突破できなかった週足のトレンドラインにもう一度トライするのかどうかに注目が集まる週になりそうです。
ドル円予想 : 109.90 - 111.90