2018年3月第3週(3月12日~16日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年3月第3週(3月12日~16日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
強弱入り混じりやや膠着か
3/12 週のドル円は、依然として下値不安を抱えつつも、下攻めの追加材料に乏しく、揉み合う展開を予想する。戻り高値を伺う場面があっても不思議ではないが、その場合の上値も重いだろう。
来週は米国の消費者物価指数の伸びに注目が集まる。過去 1 年を振り返ると、ドルは軟化しており、原油価格は上昇していることから、しばらくの間、米国の物価指標は上振れしやすいと言える。米国の期待インフレとともに、長期金利にも上昇圧力が加わる場面が見込まれ、株式相場やドル円への下押し圧力となりやすい。
一方、金融政策の正常化を進める傍ら、記者会見でハト派色をアピールするECBドラギ総裁の手法が浸透。ユーロドルの上昇にも一服感が漂い始めている。為替市場で最大の出来高を誇るこのユーロドルの土俵で、ドルが下げ渋れば、為替市場全体でもドル安の勢いが和らぐと考えられる。
加えて、ドル円も 3 月 2 日の 105.24 を安値に徐々に下値を切り上げており、105 円台での底堅さや足もとの割安感から、打診的なドル買い円売りも見込める。多少の戻りがあっても不思議ではない。もちろん戻り売り意欲も強いと予想されることから 108 円台の手前では上値も重いだろう。
また、3月決算を控えた実需筋のフローも予想され、それらがかく乱要因となる可能性もある。
他方、北朝鮮関連では、金正恩・朝鮮労働党委員長が非核化にコミットし、今後は核・ミサイル実験を控える意向で、トランプ氏が5月までに金委員長と会談するとの報道が話題を呼び、9日にドルの買い戻しを誘った。ただ「歴史を振り返れば、北朝鮮は過去に何度も非核化を表明しているが、守られてこなかった。今回どこまで信頼していいのか分からない」(阪井氏)との声も聞かれる。
先週から市場関心はトランプ大統領の輸入鉄鋼とアルミへの関税賦課に集中していた。ターゲットは中国なのであろう。
中国に関してはあまり刺激して欲しくないというのが市場の本音であろう。せっかくパンドラの箱を開けずにやり過ごしているのに、むやみに突っついてバランスを崩されても困るといったところかもしれない。
この件に関しては市場はやや敏感過ぎるというのが印象だ。輸入鉄鋼、アルミに対する関税賦課に関しては事前に流れていたし、これまでも米国の鉄鋼輸入については制限が強化されていた。ここに来て改めて敏感に反応する話でもない。それだけ株式市場を中心に2月の急落からの不安定さが残っている証拠かもしれない。
個人的に最も注目した動きだったのが、ECB理事会後のユーロの反応だ。出口に一歩踏み込んだ印象もあり、直後はユーロドルも買いの反応を見せていたが、ドラギ総裁の会見やスタッフ見通しが発表されると急激に失速している。次第にユーロドルの上向きのモメンタムが弱まっている印象を強く受けた光景ではあった。
ドル円に関しては、発表直後に 107 円へトライしたものの、上値を追いきれず 106 円台後半で終えました。しかし、テクニカル的には 107.50 近辺は重そうなチャートとなっています。ここで揉み合うことが予想され、ポジション取りを慎重に行うことが求められるのではないでしょうか。
ドル円予想 : 105.50 - 107.80
経済指標一覧(日本時間)
3/12(月)
- 重要な経済指標の発表なし
3/13(火)
- 21:30(米) 2月 消費者物価指数(CPI)
3/14(水)
- 08:50(日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨
3/15(木)
- 06:45(NZ) 10-12月期 四半期国内総生産(GDP)
- 21:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
3/16(金)
- 米メジャー SQ(特別精算指数)
- 19:00(欧) 2月 消費者物価指数(HICP)
- 21:30(米) 2月 住宅着工件数,建設許可件数
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Monthly
予想レンジ:105.00 - 108.00
強弱入り混じりやや膠着か
3/12 週のドル円は、依然として下値不安を抱えつつも、下攻めの追加材料に乏しく、揉み合う展開を予想する。戻り高値を伺う場面があっても不思議ではないが、その場合の上値も重いだろう。来週は米国の消費者物価指数の伸びに注目が集まる。過去 1 年を振り返ると、ドルは軟化しており、原油価格は上昇していることから、しばらくの間、米国の物価指標は上振れしやすいと言える。米国の期待インフレとともに、長期金利にも上昇圧力が加わる場面が見込まれ、株式相場やドル円への下押し圧力となりやすい。
一方、金融政策の正常化を進める傍ら、記者会見でハト派色をアピールするECBドラギ総裁の手法が浸透。ユーロドルの上昇にも一服感が漂い始めている。為替市場で最大の出来高を誇るこのユーロドルの土俵で、ドルが下げ渋れば、為替市場全体でもドル安の勢いが和らぐと考えられる。
加えて、ドル円も 3 月 2 日の 105.24 を安値に徐々に下値を切り上げており、105 円台での底堅さや足もとの割安感から、打診的なドル買い円売りも見込める。多少の戻りがあっても不思議ではない。もちろん戻り売り意欲も強いと予想されることから 108 円台の手前では上値も重いだろう。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:105.00 - 108.00
米保護主義の先鋭化と他国の応酬がテーマ化すればドル安リスク
来週の外為市場では、今月下旬に発動される米国の鉄鋼・アルミニウムへの関税に対し、中国、欧州連合(EU)などが報復措置で応酬すれば、リスク回避の動きが強まり、ドル安/円高地合いとなりそうだ。また、3月決算を控えた実需筋のフローも予想され、それらがかく乱要因となる可能性もある。
他方、北朝鮮関連では、金正恩・朝鮮労働党委員長が非核化にコミットし、今後は核・ミサイル実験を控える意向で、トランプ氏が5月までに金委員長と会談するとの報道が話題を呼び、9日にドルの買い戻しを誘った。ただ「歴史を振り返れば、北朝鮮は過去に何度も非核化を表明しているが、守られてこなかった。今回どこまで信頼していいのか分からない」(阪井氏)との声も聞かれる。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:105.50 - 108.50
ドル円は踏ん張りどころ 待望のドル高・株高シナリオを期待
ドル円は何とか心理的節目の105円を割り込まずに水準を維持している。ドル円は踏ん張りどころだ。先週から市場関心はトランプ大統領の輸入鉄鋼とアルミへの関税賦課に集中していた。ターゲットは中国なのであろう。
中国に関してはあまり刺激して欲しくないというのが市場の本音であろう。せっかくパンドラの箱を開けずにやり過ごしているのに、むやみに突っついてバランスを崩されても困るといったところかもしれない。
この件に関しては市場はやや敏感過ぎるというのが印象だ。輸入鉄鋼、アルミに対する関税賦課に関しては事前に流れていたし、これまでも米国の鉄鋼輸入については制限が強化されていた。ここに来て改めて敏感に反応する話でもない。それだけ株式市場を中心に2月の急落からの不安定さが残っている証拠かもしれない。
個人的に最も注目した動きだったのが、ECB理事会後のユーロの反応だ。出口に一歩踏み込んだ印象もあり、直後はユーロドルも買いの反応を見せていたが、ドラギ総裁の会見やスタッフ見通しが発表されると急激に失速している。次第にユーロドルの上向きのモメンタムが弱まっている印象を強く受けた光景ではあった。
私見
雇用統計は賃金の伸びは鈍化したものの、雇用者数は大幅なプラスとなりました。3 月の FOMC では利上げを行なうとの見方に変わりはないとみられています。それを受けて、米株は上昇して終了しました。週明けはまず日経が上昇するイメージでしょうか。ドル円に関しては、発表直後に 107 円へトライしたものの、上値を追いきれず 106 円台後半で終えました。しかし、テクニカル的には 107.50 近辺は重そうなチャートとなっています。ここで揉み合うことが予想され、ポジション取りを慎重に行うことが求められるのではないでしょうか。
ドル円予想 : 105.50 - 107.80