2018年2月第2週(2月5日~9日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年2月第2週(2月5日~9日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
今週は、底固い動きが予想される。先週末の米雇用統計の結果を受けて、米経済の先行きに対する楽観的な見方や、利上げペースが加速するとの観測から、ドルは堅調な動きが考えられる。ただ、米 10 年債利回りはが 2.85%台まで上昇しており、やや金利上昇に対す警戒感も出ている。
米長期金利の上昇余地が小さくなる中、ドル買いの手掛かりがみつけにくい。相対的にドル安/円高の材料に対する反応が大きくなるとみられる。良好な米経済指標が続く中、米10年国債利回りは一時2.79%台と、約3年9カ月ぶりの水準に上昇した。「来週2.8%を超え、2.9%、3.0%と上昇していくのか、さらにはドルがそれに追随していくのかという議論がある。
一方、欧州通貨は堅調。ユーロ/円は2年5カ月ぶり、英ポンド/円は1年8カ月ぶりの水準に上昇しており、クロス円の円売りがドル/円の支えになる可能性がある。
週明けはまず、雇用統計の結果を消化するところから始まりそうだ。
ただ、米株が大きく調整ムードを強めたこともあり、ドル自体の売り圧力は依然として根強くドル円の上値が重い印象は払拭できていない。
さて来週だが、米つなぎ予算の期限がまたしても訪れる。2月8日だ。今回も3月22日までのつなぎ予算で乗り切ろうとしているようだ。毎月の定例イベントになっても市場としては困る。トランプ大統領は一般教書演説で、1.5兆ドル規模のインフラ整備の方針が示していたが、米議会の混乱ぶりを見ると先行きも不透明で、素直にドル買いには反応しにくい。
今週の下げ一服の動きにドル円は115円を目指すといった見方も出てきている。ただ、株式市場への警戒感も考慮すれば、それはまだ時期尚早と考えるべきかもしれない。
来週のドル円だが、引き続きリバウンドを期待する。ただ、あくまで自律反発の範囲であることは留意したい。調整色を強め始めた株式市場の動きも気になるところで、上値追いには慎重に臨みたい。
ただし、米長期金利上昇によりダウが大幅下落で週を終えていることから、週の初めから日経も大幅安、反応してドル円も売られる可能性があります。チャート的にもこの下落はよろしくない感じです。
下がったドル円を軽く押し目できるかどうかに注視したいところ。下値の固さもありましたので、本気で下を掘ってくるかどうかにかかっていますね。
ドル円予想 : 108.50 - 111.00
経済指標一覧(日本時間)
2/5(月)
- 24:00(米) 1月 ISM 非製造業景況指数
2/6(火)
- NZ 市場休場:Waitangi Day(ワイタンギデー)
- 09:30(豪) 12月 貿易収支,12月 小売売上高
- 12:30(豪) 豪準備銀行 政策金利発表
- 22:30(米) 12月 貿易収支
2/7(水)
- 06:45(NZ) 10-12月期 四半期失業率
2/8(木)
- 21:00(英) イングランド銀行(BOE)金利発表
- 21:00(英) 英中銀資産買取プログラム規模,英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
2/9(金)
- オプション SQ
- 平昌オリンピック開幕
- 22:30(加) 1月 新規雇用者数,失業率
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Monthly
予想レンジ:106.00 - 112.00 (2~3月)
金利差という羅針盤を逸したドルの行方
2018 年のドル円は年初から軟調な滑り出しとなった。米ドルへの支援材料も少なくないが、今後の金融政策の変化を先取りした他通貨上昇への期待が相場の推進役。相対的なドルの優位性が後退しつつあり、引き続きドル安円高に警戒が必要だろう。ドル安材料
- ドルの優位性の後退
米国ではパウエル新議長が誕生する。足もとで好調を維持する米経済を踏まえ、市場は緩やかな利上げ継続との見方を強め、既に 3月の利上げを織り込みつつある。
ただ、足もとの為替市場では、ドル金利上昇によるドル高より、他の国や地域の金融政策の正常化進展に伴う相対的なドルの優位性後退(即ちドル安圧力)が上回っていると考えられる
- 保護主義強めるおそれあるトランプ政権
トランプ政権の支持率は低迷しており、税制改革法案可決後も、あまり改善していない。この為、トランプ政権が国民にわかりやすい「米国第一」を前面に打ち出し、保護主義色を強める可能性がある。
- 嵩む円買い需要
こうした円高局面をとらえ、本邦の対外証券投資が活発化している。潜在的な円売り需要は強いと考えられ、通常であれば円高に対する歯止め役や円安への牽引役として期待される。しかし、今年に入り、ドル円の通貨ベーシススワップのスプレッドがじわりと拡大した。これは対外証券投資の内、スポット相場に影響しない為替ヘッジ付き外債投資も依然として相応に取り組まれていることを示唆している。
また、例年 1 月~3 月期は、円転(円買い)需要も相応に高まる時期であり、証券投資による円売り(円安)圧力をいくらか吸収しよう。決算期末を控え、本邦勢による積極的な外債投資の上積みは、手控えられそうだ。
- 適温相場転換の可能性
このほか、足もとで進む米長期金利上昇によるドル安円高にも要注意だ。本来であれば日米金利差拡大を通じたドル高円安要因でもあるが、株式相場への下押しとなれば、「株安⇒円高」が意識されやすい。特に、金利があまり上がらない適温相場、いわゆる「ゴルディロックス相場」継続との楽観論も相応にみられてきただけに、不測の長期金利上昇はむしろ円債利回り上昇による円高圧力とも相俟って、ドル円への下押しとなる可能性が高い。
SBI Liquidity Market
週間マーケット展望
予想レンジ:109.10 - 110.00
ドル円
先週は、週明けから世界的な株価下落となったことが影響し、投資家のリスク回避の円買いが先行し、ドルはやや上値の重い動きとなった。ただ、ドル/円では下落が続いたことから、値頃感の買いも出ており、比較的底固い動きとなった。週末の米雇用統計では、雇用者数や賃金の伸びが予想を上回る結果となったことを受けて、利上げ期待が高まり、ドル/円は 110.48 まで上昇し、10 日ぶりの高値となった。今週は、底固い動きが予想される。先週末の米雇用統計の結果を受けて、米経済の先行きに対する楽観的な見方や、利上げペースが加速するとの観測から、ドルは堅調な動きが考えられる。ただ、米 10 年債利回りはが 2.85%台まで上昇しており、やや金利上昇に対す警戒感も出ている。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:108.00 - 111.00
来週はドル/円やや上値重い、日米金利に神経質
来週の外為市場で、ドル/円はレンジ内でやや上値の重い展開が予想される。米長期金利の上昇余地が小さくなる中、ドル買いの手掛かりがみつけにくい。相対的にドル安/円高の材料に対する反応が大きくなるとみられる。良好な米経済指標が続く中、米10年国債利回りは一時2.79%台と、約3年9カ月ぶりの水準に上昇した。「来週2.8%を超え、2.9%、3.0%と上昇していくのか、さらにはドルがそれに追随していくのかという議論がある。
一方、欧州通貨は堅調。ユーロ/円は2年5カ月ぶり、英ポンド/円は1年8カ月ぶりの水準に上昇しており、クロス円の円売りがドル/円の支えになる可能性がある。
週明けはまず、雇用統計の結果を消化するところから始まりそうだ。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:108.50 - 111.50
ドル円、まだ自律反発の範囲であることは留意したい
週末の米雇用統計の強い結果を受けて今週のドル円は110円台を回復するなど、ようやく下げ一服感も出てきた。米雇用統計は満点に近かった内容と言えよう。ただ、米株が大きく調整ムードを強めたこともあり、ドル自体の売り圧力は依然として根強くドル円の上値が重い印象は払拭できていない。
さて来週だが、米つなぎ予算の期限がまたしても訪れる。2月8日だ。今回も3月22日までのつなぎ予算で乗り切ろうとしているようだ。毎月の定例イベントになっても市場としては困る。トランプ大統領は一般教書演説で、1.5兆ドル規模のインフラ整備の方針が示していたが、米議会の混乱ぶりを見ると先行きも不透明で、素直にドル買いには反応しにくい。
今週の下げ一服の動きにドル円は115円を目指すといった見方も出てきている。ただ、株式市場への警戒感も考慮すれば、それはまだ時期尚早と考えるべきかもしれない。
来週のドル円だが、引き続きリバウンドを期待する。ただ、あくまで自律反発の範囲であることは留意したい。調整色を強め始めた株式市場の動きも気になるところで、上値追いには慎重に臨みたい。
私見
ドル円はようやく下げ止まり、自律反発の動き。雇用統計では溜まっていたショートを消化し、110 円をなんとか維持して週を終えています。ただし、米長期金利上昇によりダウが大幅下落で週を終えていることから、週の初めから日経も大幅安、反応してドル円も売られる可能性があります。チャート的にもこの下落はよろしくない感じです。
下がったドル円を軽く押し目できるかどうかに注視したいところ。下値の固さもありましたので、本気で下を掘ってくるかどうかにかかっていますね。
ドル円予想 : 108.50 - 111.00