2017年12月第二週(12月04日~12月8日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017年12月第二週(12月04日~12月8日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
上院が税制改革法案を可決するとの見方が強まっているが、マーケットでは、下院の法案とのすり合わせなどに対する懸念も指摘されている。また、週末の8日には2018年度の暫定予算と債務上限の引き上げが期限を迎える。つなぎ予算で政府機関の閉鎖にはならないものの、審議に時間がかかるようなら、ドルの圧迫要因になる可能性もあることから注目したい。
また、米雇用統計が予定されているなど、主要な経済指標の発表が続くことから、結果にも注目したい。また、ロシアゲート問題や、北朝鮮情勢なども引き続き懸念材料となることから、注意も必要だろう。
5日に豪中銀の政策金利発表、6日にGDP、7日に貿易収支など、豪州の主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。特に、政策金利のオフィシャルキャッシュレートは過去最低の1.50%に据え置かれる見通しだが、来年には1回以上の利上げも予想されていることから、今後の金融政策に関する声明や、当局者の発言には注目したい。
84.35 - 36.02
最大の注目は米国。上院が税制改革法案を可決しても、下院案とのすり合わせなど法案成立にはなお調整が必要なうえ、8日には18年度の暫定予算と債務上限の引き上げが期限を迎える。
欧州ではドイツの連立協議の行方が焦点。連立協議が長引けば、来年の金融政策変更などをにらんだユーロ買いが一段と入りづらくなると予想する参加者は少なくない。
英国では欧州連合(EU)離脱に伴う清算金、アイルランド国境問題といった重要課題が合意に近づいたとしてポンドが急伸中。ポンドの数少ない値動きの良さが短期筋に受けているといい、需給的にも乱高下しやすい状況だ。
イエレンFRB議長は米上下院合同経済委員会で証言と質疑応答に臨んだ。
イエレン証言で筆者が注視したのは一点。それは前日、次期議長に指名されたパウエルFRB理事が、議会上院の公聴会でトランプ・税制改革について言及を避けたのに対し、イエレン議長は踏み込んで警告を発した点である。
米連邦政府の債務残高が20兆ドル(約2200兆円)を超えようとしているという事実に対して、イエレン議長は「It‘sthetypeofthing thatshouldkeeppeopleawakeatnight,“(人々が夜間に目を覚まさなければならないようなものだ」と指摘。
米議会、特に共和党主導での税制改革・減税審議に対して「やってはいけないことをやっている」と批判した格好だ。
税制改革に市場は期待を抱きつつも、減税決定は財政赤字の拡大懸念に転化するジレンマを抱えている。この状況を鑑みれば、トランプ大統領が税制改革法案の年内成立に意欲を表明していることに対し、民主党が駆け引きをする可能性があると筆者は読んでいる。
それは、暫定予算に協力することで政府機関の閉鎖を回避させ、その見返りに税制改革法案の中身を譲歩するよう、共和党に迫る可能性だ。
結局は、ドル高抑制要因となってしまうのではないか。
■12/4週ドル円
中期トレンドでは20日線が90・200日線に対しデッドクロス形成を推考させる恐れや週足一目均衡表雲上限112.309留意。
上値焦点は11/20-21、12/1高値圏112.70-72-73、日足雲上限(113.134-113.381)、11/15高値113.51。超えれば11/14高値113.92、11/9高値114.08意識。
下値焦点は200日線維持、11/30安値111.725、11/29安値111.375。下抜けた際は11/27-28安値圏110.925-825、日足雲下限110.89が実質の最終橋頭堡。
しかし、今週はイベントが盛り沢山となり、さらに大きく振られそうに思われています。
テクニカル的に見ると、ドル円はチャート上、辛うじて戻りを試している段階ではありますが、金曜日の動きにより、下向きに変化した感があります。
振り返ってみればですが、今年は 113 を超えてきたあたりからショートしていればレンジで何度も値幅を取れていましたが、9月あたりから週足でも移動平均線が収束しつつあり、 そろそろ大きくどちらかに振れそうです。
ファンダメンタルズとしてはリスクしかないので下となりますが、仕掛けづらいです。
予想 : 110.50 - 113.20
経済指標一覧(日本時間)
12/04(月)
- 19:00(欧) 10月 卸売物価指数 (PPI)
- 24:00(米) 10月 製造業新規受注
12/05(火)
- 12:30(豪) 豪州準備銀行(中央銀行) 政策金利発表
- 19:00(欧) 7-9月期 四半期域内総生産 (GDP・確定値) ☆☆
- 22:30(米) 10月 貿易収支
- 24:00(米) 11月 ISM 非製造業景況指数 ☆☆
12/06(水)
- 09:30(豪) 7-9月期 四半期国内総生産 (GDP) ☆☆
- 22:30(米) 7-9月期 四半期実質国内総生産(GDP・改定値) ☆☆
- 22:15(米) 11月 ADP 雇用統計
- 24:00(加) カナダ銀行 政策金利 ☆☆
12/07(木)
- 22:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 29:00(米) 10月 消費者信用残高
12/08(金)メジャーSQ
- 08:30(日) 7-9月期 四半期実質国内総生産 (GDP) ☆☆
- 22:30(米) 11月 雇用統計,失業率,平均時給
ドル円予想レンジ
SBI Liquidity Market
週間マーケット展望
予想レンジ:110.85 - 113.00
ドル円
今週は、上値の重い動きが予想される。上院が税制改革法案を可決するとの見方が強まっているが、マーケットでは、下院の法案とのすり合わせなどに対する懸念も指摘されている。また、週末の8日には2018年度の暫定予算と債務上限の引き上げが期限を迎える。つなぎ予算で政府機関の閉鎖にはならないものの、審議に時間がかかるようなら、ドルの圧迫要因になる可能性もあることから注目したい。
また、米雇用統計が予定されているなど、主要な経済指標の発表が続くことから、結果にも注目したい。また、ロシアゲート問題や、北朝鮮情勢なども引き続き懸念材料となることから、注意も必要だろう。
豪ドル円
今週は、底固い動きが予想される。5日に豪中銀の政策金利発表、6日にGDP、7日に貿易収支など、豪州の主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。特に、政策金利のオフィシャルキャッシュレートは過去最低の1.50%に据え置かれる見通しだが、来年には1回以上の利上げも予想されていることから、今後の金融政策に関する声明や、当局者の発言には注目したい。
84.35 - 36.02
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:110.50 - 113.50
来週のドル/円は欧米政治に注目、相場急変「ヘッドラインリスク」警戒
来週の外為市場では、ニュース速報を受けて相場が急変する「ヘッドラインリスク」に警戒が必要となりそうだ。米欧英で重要な政治イベントが相次ぐためで、関連ニュースに各通貨が一喜一憂する展開となる見込み。最大の注目は米国。上院が税制改革法案を可決しても、下院案とのすり合わせなど法案成立にはなお調整が必要なうえ、8日には18年度の暫定予算と債務上限の引き上げが期限を迎える。
欧州ではドイツの連立協議の行方が焦点。連立協議が長引けば、来年の金融政策変更などをにらんだユーロ買いが一段と入りづらくなると予想する参加者は少なくない。
英国では欧州連合(EU)離脱に伴う清算金、アイルランド国境問題といった重要課題が合意に近づいたとしてポンドが急伸中。ポンドの数少ない値動きの良さが短期筋に受けているといい、需給的にも乱高下しやすい状況だ。
岡三オンライン証券
武部力也の週間為替相場見通し
予想レンジ:111.70 - 113.50
イエレン議長「最後の土俵入り」で読むドルの弱点
■イエレン議長、最後の証言イエレンFRB議長は米上下院合同経済委員会で証言と質疑応答に臨んだ。
イエレン証言で筆者が注視したのは一点。それは前日、次期議長に指名されたパウエルFRB理事が、議会上院の公聴会でトランプ・税制改革について言及を避けたのに対し、イエレン議長は踏み込んで警告を発した点である。
米連邦政府の債務残高が20兆ドル(約2200兆円)を超えようとしているという事実に対して、イエレン議長は「It‘sthetypeofthing thatshouldkeeppeopleawakeatnight,“(人々が夜間に目を覚まさなければならないようなものだ」と指摘。
米議会、特に共和党主導での税制改革・減税審議に対して「やってはいけないことをやっている」と批判した格好だ。
税制改革に市場は期待を抱きつつも、減税決定は財政赤字の拡大懸念に転化するジレンマを抱えている。この状況を鑑みれば、トランプ大統領が税制改革法案の年内成立に意欲を表明していることに対し、民主党が駆け引きをする可能性があると筆者は読んでいる。
それは、暫定予算に協力することで政府機関の閉鎖を回避させ、その見返りに税制改革法案の中身を譲歩するよう、共和党に迫る可能性だ。
結局は、ドル高抑制要因となってしまうのではないか。
■12/4週ドル円
中期トレンドでは20日線が90・200日線に対しデッドクロス形成を推考させる恐れや週足一目均衡表雲上限112.309留意。
上値焦点は11/20-21、12/1高値圏112.70-72-73、日足雲上限(113.134-113.381)、11/15高値113.51。超えれば11/14高値113.92、11/9高値114.08意識。
下値焦点は200日線維持、11/30安値111.725、11/29安値111.375。下抜けた際は11/27-28安値圏110.925-825、日足雲下限110.89が実質の最終橋頭堡。
私見
金曜日はまさかのタイミングで 1.4 円も動き、だいぶストップを狩られた週となりました。全般的に 急落→戻し の繰り返しで疲弊しました。しかし、今週はイベントが盛り沢山となり、さらに大きく振られそうに思われています。
テクニカル的に見ると、ドル円はチャート上、辛うじて戻りを試している段階ではありますが、金曜日の動きにより、下向きに変化した感があります。
振り返ってみればですが、今年は 113 を超えてきたあたりからショートしていればレンジで何度も値幅を取れていましたが、9月あたりから週足でも移動平均線が収束しつつあり、 そろそろ大きくどちらかに振れそうです。
ファンダメンタルズとしてはリスクしかないので下となりますが、仕掛けづらいです。
予想 : 110.50 - 113.20