2017年7月第三週(10日から14日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
経済指標一覧(日本時間)
07/10(月)
- 08:50(日) 5月 機械受注
- 23:00(米) 6月 米労働市場情勢指数(LMCI)
07/11(火)
- 23:00(米) 5月 卸売在庫
07/12(水)
- 17:30(英) 6月 失業率
- 23:00(加) カナダ銀行 政策金利 ☆☆
- 23:00(米) イエレン FRB 議長 発言
07/13(木)
- 未定(中) 6月 貿易収支
- 23:00(米) イエレン FRB 議長 発言
07/14(金)オプションSQ
- 21:30(米) 6月 消費者物価指数(CPI)☆☆
- 21:30(米) 6月 小売売上高
今週のドル円予想レンジ予想
KlugFX:113.00 - 115.50
とれんど捕物帳
日銀は1人取り残されも、実は恵みの雨か? 来週は魔の米CPI
今週も先週と流れは変わらず、ドル円とクロス円は上値追いを続けている。この先どの通貨が先行するのかは未知数ではあるが、確かなのは円は最後ということなのであろう。円安が進行している。先日のECBフォーラムで各国の総裁が出口戦略を語っていたのに対して、黒田総裁だけは「企業は依然として支出に慎重」と述べるに留まっている。1人取り残された感もあり寂しい状況だ。
ただ、中央銀行が気にしなければならないのは、インフレの勢いだ。足元のインフレが前年比0%の状況では日銀も動けないであろう。賃金上昇はどの国も上げが鈍い。円安が進み、企業も帳面上の採算が改善することから、日本経済にとっては実は、恵みの雨なのかもしれない。
それにしてもユーロが強い。自身の想定も完全に外れている。まだまだユーロの上値期待は高いようで、市場はユーロ買いの材料探しになっている様子もうかがえる。ECB理事からは慎重な声も出ているが、市場はほぼ無視といったところ。
さて来週だが、イエレンFRB議長の議会証言、そして、14日金曜日にはまた、魔の米消費者物価(CPI)と小売売上高の発表がやってくる。
イエレン議長の議会証言は今週の米雇用統計が、賃金の伸びは相変わらずだが、まずまずの内容だったこともあり、正常化に向けたタカ派姿勢は概ね変えないであろう。
想定レンジだが、円安も少し過熱感が出てきている。ただ、ドル円は底堅い動きを想定し、113.00~115.50を想定。イベント次第では115円突破も見込む。スタンスはやや強気を継続。
ロイター:112.00 - 114.50
来週の外為市場
来週は米金融政策「正常化」のペースを探る展開に
来週の外為市場では、今夜の米雇用統計で低迷している賃金の伸び率が回復するかや、14日の米消費者物価指数や小売売上高が堅調な数字になるかなど、ハードデータから、米金融政策の正常化のペースを探る展開となりそうだ。金融政策の「正常化」に前のめり気味の米連邦準備理事会(FRB)とは対照的に、これらのデータが弱ければドル売りに結びつきやすい。
10日には日本の5月機械受注、12日には米地区連銀経済報告や、イエレンFRB議長の下院での半期議会証言が予定される。13日には中国の6月貿易収支、14日には6月米鉱工業生産、6月消費者物価指数、6月小売売上高などの指標が続く。
岡三オンライン証券:112.80 - 115.20
武部力也の週間為替相場見通し
夏のドル買い誘うか、イエレン議長の証言局面
量的緩和策で膨張したFRBの資産を年内に縮小開始するとの意向は6月のFOMCで示されていた。縮小開始、市場還流のタイミング次第では米景気を抑制する可能性もあり、開始時期が注視されるのは当然だ。FRBのシナリオを探る手掛かりとして7/12の米議会下院金融サービス委員会におけるイエレン議長の議会証言(草稿の事前公表有り)だ。
6月の会見時同様、イエレン議長が自信を示せば、ドルブル派の勇躍度合いが試されるだろう。オバマケア代替法案の上院採決、米議会の審議の行方が不透明な中で、ドルはイエレン証言をベースとした王道展開を示すのではないか。
一方、7/7に日銀金融市場局は固定利回りで国債を買い入れ、指し値オペ(公開市場操作)の実施を通知。これはFRBに続き、欧州中銀などの金融政策の正常化、金利上昇傾向に比べて“日銀の出口戦略はまだ先“とした市場メッセージでもあり、金利面での円買いインセンテブを対ドルほか、対主要通貨で後退させた格好となる。
上値焦点は5/12高値113.97、5/10-11高値圏114.37-38。超えれば3/15高値114.90、115円節目、3/14高値115.205。3/10高値115.52、1/19高値115.635が期待値。下値焦点は7/4-5-6安値圏112.89-82-73。割れると7/3急騰起点の112.50圏、112.20圏が意識されると推考。
三菱東京UFJ銀行:112.00~115.00
FX Weekly
しばらく金融政策格差が意識される時間帯、ドル円堅調推移か
6 月下旬以来の世界的な金利上昇に対し、日銀が指値オペを実施した。一方、米国では来週 12 日、13 日にイエレンFRB議長による半年次の議会証言によって、改めて年内のバランスシート縮小に向けた意気込みが確認される見込みだ。
来週は、日米の金融政策格差がことさら際立つとみられ、円安地合いが続くとの見方が強まろう。
加えて、ISM製造業景気指数が予想を大幅に上回ったことを受け、17 年末と 18 年末までの米国の利上げ織り込み度合いもいく分、高まった。こうしたことから、来週のドル円は本日の米雇用統計が予想を大幅に下回らない限り、じり高に推移すると見込まれ、今年 3 月以来の高値となる 115 円台も意識されよう。
一方、世界経済の成長率が 3%台にとどまると見込まれる中、世界的な金利上昇は、株式相場の不安定化を招く可能性が高い(円高要因)。また、日銀の指値オペを受けて急低した本邦の長期金利も、午後には再び 0.10%台まで上昇するなど、グローバルな金利上昇が続く中、日本の長期金利にも上昇圧力は加わり続けると考えられる。
私見
金利差と円キャリートレードによる王道的な円一人負け状態により、ドル円もジリジリと上値を追っています。テクニカル的には、年初の高値を起点とする週足レジスタンスを突破しました。また、MACD も上向きの流れに変わってきました。
来週も底堅い展開が予想されます。ドルが高いというよりも、円が安い、というイメージでクロス円を買っていくイメージは来週も続くのではないかと思われます。
ただ、リスク要因(特に北朝鮮関連)も多いので、慎重なポジション管理が必要です。
予想 : 112.30 - 115.00