2017年7月第二週(3日から7日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
経済指標一覧(日本時間)
07/03(月)
- 08:50(日) 4-6月期 日銀短観・四半期大企業製造業業況判断
- 23:00(米) 6月 ISM 製造業景況指数
07/04(火)米休場
- 13:30(豪) 豪準備銀行 政策金利発表
07/05(水)
- 18:00(欧) 5月 小売売上高
- 27:00(米) FOMC 議事要旨
07/06(木)
- 20:30(欧) ECB 理事会議事要旨
- 21:15(米) 6月 ADP 雇用統計
- 23:00(米) 6月 ISM 非製造業景況指数
07/07(金)G20 サミット(ハンブルク)
- 21:30(米) 6月 非農業部門者数変化,失業率
今週のドル円予想レンジ予想
KlugFX:111.00 - 114.00
とれんど捕物帳
ドル円は3週連続で陽線だが、中味は次第に変化も
ドル円は今週も週足陽線で引けている。これで3週連続での陽線引けとなるが、次第に中味に変化が出てきているように思われる。今週に入るとECBや英中銀、カナダ中銀の各総裁から出口戦略への発言が相次いだことで、各国の国債利回りが一気に上昇し始め、ドル円の重しとなっていた米国債利回りも歩調を合わせて上昇。ドル円も買い戻しを続けている格好となっている。
さて、この動きは今後も続くのかという点だが、ユーロ高やポンド高の動きは早晩に一旦止まるのではと見ている。
恐らくECBがこのままユーロ高の進行を許容するとは考えがたい。市場は何事も無く通過してしまったが、イタリアで銀行が2行破綻している。
出口戦略への方向感は変えないであろうが、ユーロ高抑制も含めて、慎重な姿勢を強調してくるものと見られる。このままユーロ高が進むとインフレ鈍化圧力となる。
一方、ポンドだが、今週のカーニー英中銀総裁の発言で、早ければ8月にも利上げとの見方が一部で強まっている。しかし、インフレ以外の足元の経済指標は利上げを正当化していないものと思われる。
賃金の伸びが鈍い中、インフレが急速に進んだことから英消費者も、貯蓄の余裕が無くなっているのではとも見られている。
今週も米株式市場でIT・ハイテク株の調整が強まりドル円を圧迫していたが、IT・ハイテク株については割高感は否めないものの、クラウドや人工知能(AI)、IOTなど、テーマも数多く抱えており、まだ警戒感を強めるまでには至っていないようだ。来月に入ると4-6月期の決算が発表されるが、それを無難に通過すれば再びモメンタムが高まるのではとの期待もあるようだ。これをきっかけに株式市場の調整が強まるとは見ていない。
さて来週だが、ドル円は来週以降、113円台を試しそうな気配も出ている。ただそれにはやはり、予想を上回る強い米経済指標が欲しいところ。来週は米雇用統計をはじめ米経済指標の発表も多く、そのほか、FOMC議事録、そして、FRBが金融政策報告を議会に提出することもあり、重要イベントが多い。それらを受けてドルが復活できるか注目の週となりそうだ。
モーニングスター:111.00 - 114.50
来週の東京外国為替市場見通し
米重要経済指標目白押し、ユーロの動向も注視
7月3-7日は重要な米経済指標が目白押し。米先物取引大手CMEグループの「FED WATCH」を見る限り、FOMCは11月の会合まで政策金利を据え置くとの見方が大勢を占める。足元の米経済指標は弱いものが目立っており、雇用統計などがさえない結果となって年内の追加利上げも見送られるとの見方が広がればドル・円は調整色を強めるだろう。
また、ユーロの動向も注視しておきたい。米早期追加利上げ観測が後退する一方で、ECBによる緩和縮小観測が高まるようだとユーロ買い・ドル売りの勢いが強まり、ドル・円の上値も圧迫しそうだ。
ドル・円は週足チャートで26週移動平均線(112円30銭近辺)が上値抵抗線。5月半ばにも試したが、その時はトランプ米大統領の「ロシアゲート」疑惑を嫌気したドル売りに押されている。同疑惑は解消されていないうえ、トランプ米大統領は新たなトラブルを起こすなど「トランプ・リスク」は日を重ねるごとに高まっており、ドルの重しとなる。
下値は13週線(111円15銭近辺)や週足一目均衡表の「雲」(上限は110円90銭近辺)などがあるが、ここを割り込むと110円割れの可能性が高まる。
ロイター:110.50 - 113.50
来週の外為市場
来週のドル/円底堅い、金融政策の方向性の違いを意識
来週の外為市場で、ドル/円は底堅く推移しそうだ。欧州の要人発言をきっかけに日欧の金融政策の方向性の違いが意識されており、クロス円を中心に円売り圧力がかかりやすくなっている。米国では複数の重要経済指標の発表が予定されており、株価や金利が上昇すればドルは113円を試す展開もあり得るという。今週は、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁による「リフレ移行発言」や、イングランド銀行(BOE)のカーニー総裁の利上げ関連発言でユーロや英ポンドなど欧州通貨が買われ、円が売られる流れが強まった。
足元ではユーロ/ドルは上げ渋っているものの、来週、再び欧州通貨買いの流れが強まれば、心理的節目の1.15ドルを突破する可能性がある。一方、今週の上昇が急ピッチだったこともあり「米国の経済指標が良かったり長期金利が上昇したりすれば、利食いや調整が入ることもあり得る」(外為アナリスト)という。下値は1.13ドル付近がサポートとなりそうだ。
株式市場の調整で円売りの勢いはいったん収まった感もあるが、株安が一時的であれば、円売りが再開するシナリオもあり得る。そうなれば、ドル/円は5月中旬以来の113円トライも視野に入る。ただ、円売りと同時にドル売りも進んでおり、一気に114円台の乗せるのは厳しいとみられている。
株価が崩れたり米指標が軟調だったりした場合は、円売りの巻き戻しが進みドルは111円を割り込む可能性がある。
7月2日には東京都議選の投開票が行われる。自民党が負けた場合は安倍政権の基盤の揺らぎが意識され、週明けの初期反応として円高方向に動くとの見方もある。ただ、そうなった場合でも一時的な材料として処理され、ドル/円のトレンドを大きく変えるほどのインパクトはないとの指摘も多い。
岡三オンライン証券:110.90 - 113.80
武部力也の週間為替相場見通し
「円」の「安倍1強」再認局面
最近の報道各社世論調査では安倍内閣の支持率低下が顕著だ。しかし直ちに安倍政権瓦解、政権交代リスクが浮上するとは到底、考えられない。8月には安倍内閣改造・自民党役員人事に踏み切る意向も報じられており、人事で求心力を維持し、政権基盤の安定を優先させる筈だ。
7/4米祝日、7/7米雇用統計を控えてドルの主体性は低下しそうだ。しかし主要中銀が先行き緩和政策縮小、出口論を強める一方で、日銀緩和は継続とした見方が円キャリー、特にクロス円動向がドル円を牽引すると読んでいる。
上値焦点は月足一目雲上限112.675、6/29高値112.94、5/17高値113.12。超えれば5/12-17高値圏113.78-86-97。下値焦点は日足一目均衡表雲の帯(111.83-25)、6/26-23安値圏111.19-15、200日線111.10。6/22安値で週足一目均衡表雲上限110.90を最終橋頭保と推考。
私見
6月のまとめ
日経平均が2万円を回復し、ドル円は中盤からじわりと上昇。後半はユーロとポンドに先導される形で上値が重いながらも上昇。テクニカル的には一目雲に弾かれて上昇した形となっています。7月の展望
7月からは年後半ということもあったり、夏枯れの動きとなっていく中で、大きく動くのかどうかには注目です。一旦、上方向は週足のレジスタンスである 113 超えのレベルでどうなるか。これをクリアするようだと、115 が見えてくるはずです。暴落するする詐欺のように警戒感が強まっています。
ただし、個人投資家ですらこれだけ警戒しているので、個人的には本当に暴落するのかという疑念のほうが強くなってきました。
でも、それは誰にもわかりません…。
予想 : 111.00 - 113.50