2017 年 5 月 第四週(5月22日から26日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017 年 5 月 第四週(5月22日から26日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
来週以降、この問題が発展するかどうか注目だが、その場合、”トガケのしっぽ切り・ファイヤー“を発動することになるのであろう。
冷静に考えれば万一、トランプ大統領が弾劾されたとしても、米国では選挙はなく、ペンス副大統領が大統領に昇格するだけだ。大型減税や規制緩和については、共和党自体の政策の面も大きく、評判も良いことから、それほど変わらないとは思われる。
仏大統領選も無難に通過し、メルケル独首相も秋の総選挙に向けて好調なことから、政治リスクが後退している。更にここにきてユーロ圏の指標が好調なことから、ECBの出口戦略への期待がユーロを押し上げているようだ。
個人的にはユーロの買いは続かないと見ている。冷静に考えれば、現段階で囁かれているECBの出口戦略のスケジュールは6月にガイダンスを変更し、年内に具体的な道筋を示す。実際に量的緩和の拡大ペース縮小は来年以降だ。その間にもFRBは利上げを着々と実施し、バランスシート縮小開始の具体的なサインも打ち出してくると見ている。いずれ、その格差を市場も再認識するものと考えている。もっとも、トランプ大統領がやらかさなければの話ではあるが。
さて来週だが、イベントとしてはFOMC議事録やOPEC総会などがあり、米経済指標も住宅関連やGDP改定値などが発表される。週末にはG7首脳会議がイタリアのタオルミーナで行われる。
ユーロも急ピッチで上昇したことから多少、戻りも入る一方、ドル円も買い戻しが入ることを期待する。ただ、その場合でもまだ、本格的な戻りにはならないものと思われる。
先週は当たらなかった予想レンジだが、110.00~112.50を一応想定する。スタンスは中立。
米国の政治リスクが落ち着けばドルに買い戻しが入って112円台へ回帰する可能性もあるが、「短期間では不安はぬぐえない」(外為アナリスト)との見方も多く、上昇しても次第に上値が重くなりそうだ。
トランプ陣営に不利な追加報道があればドル売り/円買いが加速し、状況によっては110円割れもあり得るという。24日にコミー氏を召喚する公聴会が開催される予定とされ、ヘッドラインに振られやすいとみられている。
ユーロは1.10ドルを上抜けており、高値つかみを警戒する動きが出やすいとみられている。欧州中央銀行(ECB)は6月会合で政策軌道に関する姿勢を大きく変更することに消極的なもよう。「強気ムードが後退していることから1.12ドルくらいで上値が重くなりそうだ」(国内金融機関)との見方が出ている。
5/22週はロシアゲート関連報に対して主要指標(石油輸出国機構(OPEC)総会、G7シチリア・サミット、米1-3月期GDP改定値、4月耐久財受注)に注視。5/27からイスラム・ラマダン休暇入り、5/29が英米休場になることから週末調整テンポが前倒しになる可能性にも警戒。
テクニカル観点では、日足一目均衡表雲枠内(上値111.82、下値110.76-16)突入での展開を推考。下値焦点は5/18安値110.23。200日線推移の109.70圏、4/24-25安値圏109.60-65、月足一目均衡表雲上限109.508が最終橋頭堡。上値焦点は5/17欧米時間下落前の戻り高値圏112.50-55、5/17高値113.12。
但し、政治的な混乱もしばらくは急展開する可能性は低く、やや膠着感が強まると考えられる。この為、来週はひとまず市場も落ち着きを取り戻すと考えられ、地道に米経済指標を点検する時間帯となろう。
その点、来週は、26 日に第 1 四半期GDPの改定値、耐久財受注などの発表を控えている。この内、ミシガン大消費者信頼感指数に注目だ。これまで、奮わない経済指標が散見される一方、良好なセンチメントによって、消費も底堅さを増すとの期待につながってきたからだ。
本邦では、25 日に発表される週次の対内対外証券売買契約動向に注目だ。ドル円相場が 3 円以上も下落した今週も本邦の投資家勢が活発な対外証券投資を行っていたことが確認されれば、今後も一段と事態が悪化しない限り、110 円前後でドル円を下支えするフローとして、その存在が意識されよう。
とはいえ、神経質な動きであることは代わりなく、積極的にロングを追加するというより、少しの値幅ですぐに確定する流れが続いています。
大きな材料がない週となりますが、フランス大統領選挙時につけたギャップはまだ埋められていません。一旦は再びこれを埋める動きとなり、下値の固さを確認した後に次の展開となるのではないかと思います。
もっとも、ギャップを埋めた場合、セオリー通りでは「買い」ということになりますね。
少し長いスパンで見ると、6 月の FOMC に向けてドル外の機運がどこまで高まるのかに注目です。
イベントがない中、狭い動きに終始する週となるのか、新たなる展開の始まりとなるのかを見極める週となるのではないでしょうか。
予想 : 109.50 - 113.50
経済指標一覧(日本時間)
05/22(月)
- 重要指標の発表なし
05/23(火)
- 15:00(独) 1-3月期国内総生産(GDP)
- 23:00(米) 4月 新築住宅販売件数
05/24(水)
- 23:00(加) カナダ銀行 政策金利
- 27:00(米) FOMC 議事要旨
05/25(木)
- 未定(南ア) 南アフリカ準備銀行 政策金利 ★★
- 17:30(英) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP)
05/26(金)G7サミット(伊・タオルミーナ)
- 08:30(日) 4月 全国消費者物価指数(CPI)
- 21:30(米) 1-3月期 四半期実質国内総生産(GDP・改定値)
- 23:00(米) 5月 ミシガン大学消費者態度指数
今週のドル円予想レンジ予想
KlugFX
トランプリスク後退もドル円の戻りは鈍いか
110.00 - 112.50
とれんど捕物帳 (2017/05/20)仏大統領選も無難に通過し、市場の意識もファンダメンタルズに戻りかけていた矢先に、トランプ大統領がまた、やらかしてくれた。
来週以降、この問題が発展するかどうか注目だが、その場合、”トガケのしっぽ切り・ファイヤー“を発動することになるのであろう。
冷静に考えれば万一、トランプ大統領が弾劾されたとしても、米国では選挙はなく、ペンス副大統領が大統領に昇格するだけだ。大型減税や規制緩和については、共和党自体の政策の面も大きく、評判も良いことから、それほど変わらないとは思われる。
仏大統領選も無難に通過し、メルケル独首相も秋の総選挙に向けて好調なことから、政治リスクが後退している。更にここにきてユーロ圏の指標が好調なことから、ECBの出口戦略への期待がユーロを押し上げているようだ。
個人的にはユーロの買いは続かないと見ている。冷静に考えれば、現段階で囁かれているECBの出口戦略のスケジュールは6月にガイダンスを変更し、年内に具体的な道筋を示す。実際に量的緩和の拡大ペース縮小は来年以降だ。その間にもFRBは利上げを着々と実施し、バランスシート縮小開始の具体的なサインも打ち出してくると見ている。いずれ、その格差を市場も再認識するものと考えている。もっとも、トランプ大統領がやらかさなければの話ではあるが。
さて来週だが、イベントとしてはFOMC議事録やOPEC総会などがあり、米経済指標も住宅関連やGDP改定値などが発表される。週末にはG7首脳会議がイタリアのタオルミーナで行われる。
ユーロも急ピッチで上昇したことから多少、戻りも入る一方、ドル円も買い戻しが入ることを期待する。ただ、その場合でもまだ、本格的な戻りにはならないものと思われる。
先週は当たらなかった予想レンジだが、110.00~112.50を一応想定する。スタンスは中立。
ロイター
ドル/円は戻り鈍い、米政治リスクへの警戒継続
109.80 - 112.80
来週の外為市場(2017/05/19)来週の外為市場で、ドル/円は戻りが鈍い展開となりそうだ。トランプ米大統領の「ロシア疑惑」を巡る政治リスクが意識され、腰の入ったドル買いは入りにくい。一方、疑惑を深める追加関連報道があった場合はドル安/円高の流れが強まり、110円を割り込む可能性もあるという。
米国の政治リスクが落ち着けばドルに買い戻しが入って112円台へ回帰する可能性もあるが、「短期間では不安はぬぐえない」(外為アナリスト)との見方も多く、上昇しても次第に上値が重くなりそうだ。
トランプ陣営に不利な追加報道があればドル売り/円買いが加速し、状況によっては110円割れもあり得るという。24日にコミー氏を召喚する公聴会が開催される予定とされ、ヘッドラインに振られやすいとみられている。
ユーロは1.10ドルを上抜けており、高値つかみを警戒する動きが出やすいとみられている。欧州中央銀行(ECB)は6月会合で政策軌道に関する姿勢を大きく変更することに消極的なもよう。「強気ムードが後退していることから1.12ドルくらいで上値が重くなりそうだ」(国内金融機関)との見方が出ている。
岡三オンライン証券
ドル円が苦悶する「トランプ・ロシアゲート問題」
109.70 - 113.10
武部力也の週間為替相場見通し(2017/05/19)「トランプ・ロシアゲート問題」は議会や世論の反発から減税や財政政策の大幅な遅れに繋がるとした見通しはドルブル派にはネガティブ材料だ。しかし前号でも指摘したが、FRBによる景気見通しは基調的な拡大傾向に変わりはない、との姿勢である。トランプ政権の先行きに関心が奪われがちだが、相次ぐ好調な米指標を鑑みると、FRBが6月利上げを引っ込める可能性は極めて低い、と読む。
5/22週はロシアゲート関連報に対して主要指標(石油輸出国機構(OPEC)総会、G7シチリア・サミット、米1-3月期GDP改定値、4月耐久財受注)に注視。5/27からイスラム・ラマダン休暇入り、5/29が英米休場になることから週末調整テンポが前倒しになる可能性にも警戒。
テクニカル観点では、日足一目均衡表雲枠内(上値111.82、下値110.76-16)突入での展開を推考。下値焦点は5/18安値110.23。200日線推移の109.70圏、4/24-25安値圏109.60-65、月足一目均衡表雲上限109.508が最終橋頭堡。上値焦点は5/17欧米時間下落前の戻り高値圏112.50-55、5/17高値113.12。
三菱東京UFJ銀行
政治的混乱も米経済に注目
109.50 - 113.00
FX Weekly(2017/05/19)米政権に関する政治的な不透明感は、早急に晴れる見込みは低く、ある程度のリスク回避的な動きが続くだろう。このため、来週のドル円もリスクは下(ドル安円高)方向と考えられる。
但し、政治的な混乱もしばらくは急展開する可能性は低く、やや膠着感が強まると考えられる。この為、来週はひとまず市場も落ち着きを取り戻すと考えられ、地道に米経済指標を点検する時間帯となろう。
その点、来週は、26 日に第 1 四半期GDPの改定値、耐久財受注などの発表を控えている。この内、ミシガン大消費者信頼感指数に注目だ。これまで、奮わない経済指標が散見される一方、良好なセンチメントによって、消費も底堅さを増すとの期待につながってきたからだ。
本邦では、25 日に発表される週次の対内対外証券売買契約動向に注目だ。ドル円相場が 3 円以上も下落した今週も本邦の投資家勢が活発な対外証券投資を行っていたことが確認されれば、今後も一段と事態が悪化しない限り、110 円前後でドル円を下支えするフローとして、その存在が意識されよう。
私見
久しぶりに大混乱となったマーケットですが、思いのほか下値が固く、マーケットはやや落ち着きを取り戻しています。とはいえ、神経質な動きであることは代わりなく、積極的にロングを追加するというより、少しの値幅ですぐに確定する流れが続いています。
大きな材料がない週となりますが、フランス大統領選挙時につけたギャップはまだ埋められていません。一旦は再びこれを埋める動きとなり、下値の固さを確認した後に次の展開となるのではないかと思います。
もっとも、ギャップを埋めた場合、セオリー通りでは「買い」ということになりますね。
少し長いスパンで見ると、6 月の FOMC に向けてドル外の機運がどこまで高まるのかに注目です。
イベントがない中、狭い動きに終始する週となるのか、新たなる展開の始まりとなるのかを見極める週となるのではないでしょうか。
予想 : 109.50 - 113.50