2017 年 2 月 第四週(2月20日から24日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017 年 2 月 第四週(2月20日から24日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
また、22日に公表される1月31日・2月1日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の内容にも注目したい。イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長はタカ派的な姿勢を強めており、議事録の内容が早期利上げ観測につながるようなら、米金利上昇から、ドル買いに傾きそうだ。米経済指標の発表では、米1月中古住宅販売件数、米1月新築住宅販売件数と住宅関連の経済指標発表が控える。
ドル・円は25日移動平均線の113円半ば、114円台後半には13週移動平均線が控えており、上値の抵抗として意識されそうだ。一方この水準を突破出来れば、下値支持線が増えることになる。上値めどは2月高値の115円、下値めどは111円とする。
日米首脳会談を無難に通過したことで、米国の過度な保護主義やドル高けん制への警戒感が後退してきている一方、米経済指標の堅調な数字や米連邦準備理事会(FRB)高官らによるタカ派よりの発言が目立ち、米早期利上げへの思惑も根強く相場は支えられそうだ。
22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表される。目新しい材料は期待薄と見られているが、このところのFRB高官らの発言を踏まえて、議事要旨では「どちらかといえば、タカ派材料を探すことになるのではないか」(国内金融機関)という。
目先の関心は米政策の行方に移っており、トランプ氏のツイッターなどの発言で市場の思惑が高まる局面もあり得るが、具体性を欠く内容なら反応は限定的と見られている。
ドル円急騰の一因として挙げられるのが、ドル資金調達プレミアムの高騰とそれに伴う為替市場でのドル買い圧力の存在だ。このプレミアムは、年末を越えたことから余程、ドル資金の需給が逼迫しない限り、しばらくの間、安定的に推移すると見込まれ、ドル買い圧力が高まりにくい時間帯が続くと考えられる。
月末にはトランプ米大統領の議会での演説が予定されている。かねてトランプ米大統領は、向こう数週間で驚くべき税制改革案を示すとしており、その後、予算教書も控えている。
来週もトランプ政権の財政拡張路線への期待から、市場では総じてリスクオンの雰囲気が演出され、ドル円も底堅く推移しそうだ。
ただ、先述の見方が正しければ、多少日米金利差が開いた程度では、ドル円の上値は重いと考えられ、結果的に大きな方向感は出にくいだろう。
今回の会談成果は①日米関係の重要性再認、そして②金融政策、為替問題が実務者レベルでの議論となること、の2点となろうか。
2/3、麻生財務相が閣議後会見で、円高による状況を是正するために金融緩和をしたと発言。
ご愛嬌か。但し、2/15の衆院財務金融委で麻生財務相が「(円相場は)まだ120円にいっていない。円安といわれる覚えはない」と述べたことには些か驚愕した。
具体的な為替水準に言及するのは異例であり、咀嚼すると麻生財務相は1ドル120円を分水嶺として円高・円安、と判断している可能性となる。3/17-18のG20財務相・中央銀行総裁会議(独バーデン・バーデン)に向けては、国際協調枠組内での反応も含め、留意すべき上値目途の水準となろう。
上値焦点は2/16高値114.335、115円の節目、1/20、27高値圏115.40。日足一目均衡雲上限115.20-116.00が意識され1/11高値116.88を期待視。下値焦点は2/9深夜の上昇帯112.30-80、113円台の維持。最終拠点は2/6-9安値圏111.57-62-72-81と推考。
今週は月曜日から米国は休場であり、週を通しても水曜日の FOMC 議事録以外は大きなイベントがない週となります。レンジ内を細かく抜いていく戦略となるでしょうか。
予想 : 111.40 - 114.20
経済指標一覧(日本時間)
02/20(月)アメリカ市場休場(Presidents' Day),カナダ市場休場(Family Day)
- 08:50 (日) 1 月 貿易統計
02/21(火)
- 18:00 (欧) 2 月 製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 19:00 (英) カーニー BOE 総裁 発言
02/22(水)
- 19:00 (欧) 1 月 消費者物価指数(HICP)
- 21:00 (米) MBA 住宅ローン申請指数
- 24:00 (米) 1 月 中古住宅販売件数
- 28:00 (米) FOMC 議事要旨 ★★
02/23(木)
- 22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 23:00 (米) 10-12 月期 四半期住宅価格指数
02/24(金)
- 24:00 (米) 1 月 新築住宅販売件数
- 24:00 (米) 2 月 ミシガン大学 消費者態度指数
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
米入国制限の行方やFOMC議事録に注目
111.00 - 115.00
来週の東京外国為替市場見通し (2017/02/17 18:01)トランプ米大統領は16日、難民やイスラム圏7カ国からの入国制限に関する新たな大統領令に署名すると発表した。1月27日に署名された入国制限に関する大統領が修正されるとの見方が出ているが、内容の詳細については明らかになっていない。さらに混乱を引き起こす内容となれば、リスクオフからドル・円は下押しする可能性がある。一方で、入国制限が緩和されれば、ドル買いが出やすくなる。
また、22日に公表される1月31日・2月1日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の内容にも注目したい。イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長はタカ派的な姿勢を強めており、議事録の内容が早期利上げ観測につながるようなら、米金利上昇から、ドル買いに傾きそうだ。米経済指標の発表では、米1月中古住宅販売件数、米1月新築住宅販売件数と住宅関連の経済指標発表が控える。
ドル・円は25日移動平均線の113円半ば、114円台後半には13週移動平均線が控えており、上値の抵抗として意識されそうだ。一方この水準を突破出来れば、下値支持線が増えることになる。上値めどは2月高値の115円、下値めどは111円とする。
ロイター
来週のドル/円は底堅い、上昇決め手欠きもみ合いか
112.00 - 115.00
来週の外為市場 (2017/02/17 16:28)来週の外為市場でドル/円は、トランプ米政権の政策や米早期利上げへの思惑がくすぶり底堅い展開になりそうだ。ただ、上昇の決め手も欠くことから上値は限られ、狭いレンジでの推移が想定される。
日米首脳会談を無難に通過したことで、米国の過度な保護主義やドル高けん制への警戒感が後退してきている一方、米経済指標の堅調な数字や米連邦準備理事会(FRB)高官らによるタカ派よりの発言が目立ち、米早期利上げへの思惑も根強く相場は支えられそうだ。
22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表される。目新しい材料は期待薄と見られているが、このところのFRB高官らの発言を踏まえて、議事要旨では「どちらかといえば、タカ派材料を探すことになるのではないか」(国内金融機関)という。
目先の関心は米政策の行方に移っており、トランプ氏のツイッターなどの発言で市場の思惑が高まる局面もあり得るが、具体性を欠く内容なら反応は限定的と見られている。
三菱東京UFJ銀行
上値の重さの背景
111.00 - 114.50
FX Weekly(2017/02/17)今週は米国債利回りの上昇に加え、米主要株価指数の史上最高値更新も続くなど、総じてリスクオンの雰囲気が強かったが、ドル円は 115 円台手前での上値の重さが確認された。
ドル円急騰の一因として挙げられるのが、ドル資金調達プレミアムの高騰とそれに伴う為替市場でのドル買い圧力の存在だ。このプレミアムは、年末を越えたことから余程、ドル資金の需給が逼迫しない限り、しばらくの間、安定的に推移すると見込まれ、ドル買い圧力が高まりにくい時間帯が続くと考えられる。
月末にはトランプ米大統領の議会での演説が予定されている。かねてトランプ米大統領は、向こう数週間で驚くべき税制改革案を示すとしており、その後、予算教書も控えている。
来週もトランプ政権の財政拡張路線への期待から、市場では総じてリスクオンの雰囲気が演出され、ドル円も底堅く推移しそうだ。
ただ、先述の見方が正しければ、多少日米金利差が開いた程度では、ドル円の上値は重いと考えられ、結果的に大きな方向感は出にくいだろう。
岡三オンライン証券
「麻生・1ドル120円」は米利上げムード次第か。
111.80 - 115.40
武部力也の週間為替相場見通し(2017/02/17)日米首脳会談を以て今後の為替議論の主役は麻生財務相、そして2/13に財務長官に正式に就任したムニューチン氏に移行。
今回の会談成果は①日米関係の重要性再認、そして②金融政策、為替問題が実務者レベルでの議論となること、の2点となろうか。
2/3、麻生財務相が閣議後会見で、円高による状況を是正するために金融緩和をしたと発言。
ご愛嬌か。但し、2/15の衆院財務金融委で麻生財務相が「(円相場は)まだ120円にいっていない。円安といわれる覚えはない」と述べたことには些か驚愕した。
具体的な為替水準に言及するのは異例であり、咀嚼すると麻生財務相は1ドル120円を分水嶺として円高・円安、と判断している可能性となる。3/17-18のG20財務相・中央銀行総裁会議(独バーデン・バーデン)に向けては、国際協調枠組内での反応も含め、留意すべき上値目途の水準となろう。
上値焦点は2/16高値114.335、115円の節目、1/20、27高値圏115.40。日足一目均衡雲上限115.20-116.00が意識され1/11高値116.88を期待視。下値焦点は2/9深夜の上昇帯112.30-80、113円台の維持。最終拠点は2/6-9安値圏111.57-62-72-81と推考。
私見
115 円へのトライは、巨大なオプションもあり、一回目のトライしか試せないほど分厚かったです。また大きな利食いも入っていたようで、週を通して軟調に推移しました。今週は月曜日から米国は休場であり、週を通しても水曜日の FOMC 議事録以外は大きなイベントがない週となります。レンジ内を細かく抜いていく戦略となるでしょうか。
予想 : 111.40 - 114.20