2017 年 1 月 第五週(30日と31日)および 2 月 第一週(1 日から 3 日)までの、ドル円相場の予想と、経済指標のまとめからマーケットの見通しを考察します。
2017 年 1 月 第五週(30日と31日)および 2 月 第一週(1 日から 3 日)までの、ドル円相場の予想と、経済指標のまとめからマーケットの見通しを考察します。
米経済指標では27日に米10-12月期GDP(国内総生産)が発表される。週明けには米12月PCEコア・デフレーター(個人消費支出)、米1月雇用統計など重要指標発表が目白押し。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)では、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見は予定されていないものの、米利上げ再開後およびトランプ新政権発足後初の会合でもあり、利上げ見通しや景況感など声明文の内容にどのような変化があるか確認したい。
一方、日銀金融政策決定会合では、展望レポートが発表される。景気や物価に対する判断に注目。春節で2月2日まで中国証券市場が休場となる間に発表される中国1月製造業PMI(購買担当者景気指数)などの結果にも気をつけたい。
ドル・円は25日移動平均線の115円半ば(26日時点)を上回れば、1月9日に付けた高値近辺の117円50銭まで余地が広がりそうだ。下値めどは24日安値近辺の112円50銭。
このところの米指標は良好な数字が続き、FRB高官らのタカ派寄りの発言も目立っている。FOMC声明では「利上げに前向きな内容となれば、ドル買いが促されそうだ」(神田氏)という。
米国の指標が良好で米金利が上昇すればドル/円は底堅いとみられる一方、米国サイドからのドル高けん制への警戒感も根強く「上げ幅は限られそうだ」(国内金融機関)という。
目先のドル/円はレンジ入りしたとの見方が多く、112円半ば─115円半ばが軸になるとみられている。
1点目はトランプ大統領が1/26の共和党上下院集会で「通貨安誘導に対し極めて強い制限を導入していく」と、今後の通商協定に為替条項を盛り込む表明をしたことだ。
2点目は米・メキシコとの国境沿い約3200キロ(≒日本列島)に壁を造るとした問題である。米税関・国境警備局が政権移行チーム向けに作成した概算費用は113億ドル超との観測で、これはインフラ投資とも捉えられる。しかし、メキシコへの課税検討報と併せると日系企業の部品供給網がメキシコにあることから、その影響は日本株安→円高を危惧させる。
3点目は中国の習近平国家主席が1/17のダボス会議で「中国には人民元安によって貿易競争力を高めるとした通貨戦争の意図はない」と呼びかけたことだ。裏を返せば米財務省の為替報告書(次回4月末)が、中国を為替操作国認定する不安への表れとも言えよう。本邦貿易統計によると中国は貿易相手国第2位であることから同国経済の衰退、打撃は日本製品の需要低下、景気圧迫に繋がる恐れとなる。
中長期観点では米景気拡大・インフレ利上げ・ドル高、とした軌道を見込むものの、政治が為替(円)を突き動かす展開も覚悟しておく局面となろう。1/30週のドル円上値焦点は日足一目均衡表の雲上限(115.47-116.12)、1/11高値116.88、1/9高値117.545。下値焦点は月足ボリンジャーバンド中心線114.052、1/25-26安値113.045、1/24安値112.52を推考。
今週はとにかくイベントが多く、上下に揺さぶられる展開になるかもしれません。2 月に入ることもあり、いよいよ議会や予算といった話題も出てくるでしょう。トランプラリー 2.0 が本物なのか、そうではないのかの試金石となるのではないでしょうか。
予想 : 113.80 - 116.50
経済指標一覧(日本時間)
01/30(月)
- 未定 (日) 日銀・金融政策決定会合(一日目)
- 22:30 (米) 12 月 個人消費支出,個人所得
- 24:00 (米) 12 月 住宅販売保留指数
01/31(火)
- 未定 (日) 日銀・金融政策決定会合・政策金利発表 ★★
- 未定 (米) FOMC(一日目)
- 08:30 (日) 12 月 失業率,有効求人倍率,全世帯家計調査・消費支出
- 15:30 (日) 黒田日銀総裁 定例記者会見
- 19:00 (欧) 1 月 消費者物価指数(HICP)
- 19:00 (欧) 10-12 月期 四半期域内総生産(GDP)
- 23:00 (米) 11 月 ケース・シラー米住宅価格指数
- 24:00 (米) 1 月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
02/01(水)
- 未定(英) 英中銀金融政策委員会(MPC)一日目
- 22:15 (米) 1 月 ADP 雇用統計 ★★
- 24:00 (米) 1 月 ISM 製造業景況指数
- 28:00 (米) FOMC 政策金利発表 ★★★
02/02(木)
- 21:00 (英) イングランド銀行(BOE)金利発表 ★★★
- 21:00 (英) 英中銀資産買取プログラム規模,MPC 議事要旨 ★★
- 22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
02/03(金)
- 08:50 (日) 日銀 金融政策決定会合議事要旨
- 22:30 (米) 1 月 非農業部門雇用者数変化,失業率 ★★★
- 24:00 (米) 1 月 ISM 非製造業景況指数
休場
- 中国:1 月 30 日~ 2 月 2 日
- 香港:1 月 30 日~ 31 日
- シンガポール:1 月 30 日
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
引き続きトランプ米大統領発言を注視、FOMCや米雇用統計も
112.50 - 117.50
来週の東京外国為替市場見通し (2017/01/27 17:54)引き続きトランプ米大統領の発言に相場は翻弄される展開か。特に米輸出企業を意識したドル安誘導発言には注意が必要。日本との関係でいえば、来月で調整が進む日米首脳会談を前に、貿易関係などについて揺さぶりをかけてくる可能性もある。
米経済指標では27日に米10-12月期GDP(国内総生産)が発表される。週明けには米12月PCEコア・デフレーター(個人消費支出)、米1月雇用統計など重要指標発表が目白押し。また、FOMC(米連邦公開市場委員会)では、イエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見は予定されていないものの、米利上げ再開後およびトランプ新政権発足後初の会合でもあり、利上げ見通しや景況感など声明文の内容にどのような変化があるか確認したい。
一方、日銀金融政策決定会合では、展望レポートが発表される。景気や物価に対する判断に注目。春節で2月2日まで中国証券市場が休場となる間に発表される中国1月製造業PMI(購買担当者景気指数)などの結果にも気をつけたい。
ドル・円は25日移動平均線の115円半ば(26日時点)を上回れば、1月9日に付けた高値近辺の117円50銭まで余地が広がりそうだ。下値めどは24日安値近辺の112円50銭。
ロイター
来週のドル/円は神経質、日米中銀と米政権動向にらみ
113.00 - 116.50
来週の外為市場 (2017/01/27 16:18)来週の外為市場でドル/円は、神経質な展開が続くとみられる。日米の中銀イベントや、米国の重要指標の発表が予定されており、日米の景況感や金融政策の格差が意識されて底堅さが見込まれる一方、トランプ米大統領の保護主義姿勢への警戒感が重しになりやすい。
このところの米指標は良好な数字が続き、FRB高官らのタカ派寄りの発言も目立っている。FOMC声明では「利上げに前向きな内容となれば、ドル買いが促されそうだ」(神田氏)という。
米国の指標が良好で米金利が上昇すればドル/円は底堅いとみられる一方、米国サイドからのドル高けん制への警戒感も根強く「上げ幅は限られそうだ」(国内金融機関)という。
目先のドル/円はレンジ入りしたとの見方が多く、112円半ば─115円半ばが軸になるとみられている。
岡三オンライン証券
トランプ保護主義宣言後の「円・警戒モード」局面
113.00 - 117.50
武部力也の週間為替相場見通し(2017/01/27)トランプ政権が保護主義姿勢を強めるなかで、筆者は次の3点に警戒感を覚える。
1点目はトランプ大統領が1/26の共和党上下院集会で「通貨安誘導に対し極めて強い制限を導入していく」と、今後の通商協定に為替条項を盛り込む表明をしたことだ。
2点目は米・メキシコとの国境沿い約3200キロ(≒日本列島)に壁を造るとした問題である。米税関・国境警備局が政権移行チーム向けに作成した概算費用は113億ドル超との観測で、これはインフラ投資とも捉えられる。しかし、メキシコへの課税検討報と併せると日系企業の部品供給網がメキシコにあることから、その影響は日本株安→円高を危惧させる。
3点目は中国の習近平国家主席が1/17のダボス会議で「中国には人民元安によって貿易競争力を高めるとした通貨戦争の意図はない」と呼びかけたことだ。裏を返せば米財務省の為替報告書(次回4月末)が、中国を為替操作国認定する不安への表れとも言えよう。本邦貿易統計によると中国は貿易相手国第2位であることから同国経済の衰退、打撃は日本製品の需要低下、景気圧迫に繋がる恐れとなる。
中長期観点では米景気拡大・インフレ利上げ・ドル高、とした軌道を見込むものの、政治が為替(円)を突き動かす展開も覚悟しておく局面となろう。1/30週のドル円上値焦点は日足一目均衡表の雲上限(115.47-116.12)、1/11高値116.88、1/9高値117.545。下値焦点は月足ボリンジャーバンド中心線114.052、1/25-26安値113.045、1/24安値112.52を推考。
私見
週明けはリスクオフの流れを汲み、やや下落して始まりましたが、その後は歴史的な NYSE 20,000 突破から全面株高の展開。ドル円は週半ばまでやや鈍い展開でしたが、週後半にかけて株につられる形で上昇を続け、NY 終値では 115.06 と、辛うじてですが 115 円に乗せて引けました。先行き不透明ながらも、トランプ新大統領の「実行力」に評価がされているのでしょう。今週はとにかくイベントが多く、上下に揺さぶられる展開になるかもしれません。2 月に入ることもあり、いよいよ議会や予算といった話題も出てくるでしょう。トランプラリー 2.0 が本物なのか、そうではないのかの試金石となるのではないでしょうか。
予想 : 113.80 - 116.50