5月9日から13日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
経済指標
05/09(月)
- 08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨 ★★
- 23:00 (米) 4 月 米労働市場情勢指数(LMCI)
05/10(火)
- 10:30 (中) 4 月 生産者物価指数(CPI)
- 23:00 (米) 3 月 卸売在庫
05/11(水)
- 20:00 (米) MBA 住宅ローン申請指数(前週比)
- 27:00 (米) 4 月 月次財政収支
05/12(木)
- 08:50(日) 3 月 国際収支・貿易収支
- 21:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
05/13(金)
- 12:30 (日) 黒田日銀総裁 発言
- 21:30 (米) 4 月 小売売上高
- 21:30 (米) 4 月 卸売物価指数
- 23:00 (米) 5 月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
予想レンジ
モーニングスター
105.50 - 109.10
来週の東京外国為替市場見通し (2016/05/06 16:02)目先は6日発表の米4月雇用統計が焦点となる。4日発表の米4月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計が弱い内容だったことから、強気の市場予想とのギャップには注意したい。もっとも、4日のドル・円の動きを見る限り、弱い雇用統計となった場合でもドル売りは限定的となる可能性が高い。
日本では、安倍晋三首相、麻生太郎財務相、黒田東彦日銀総裁らが相次ぎ円高懸念を表明していることも、ドル・円の支えとなりそうだ。
ドル・円は3日に1ドル=105円半ばまで急落した。ただ、日銀が追加金融緩和を見送った28日高値から6%近くの急速な円高が進んだことに対する自律反発や、円高けん制発言を受け、ドル・円は戻り歩調にあり、下値を確認する展開を予想する。直近安値の105円半ばが下値めど、上値は25日移動平均線の109円前半と想定。
ロイター
106.50 - 110.00
来週の外為市場 (2016/05/06 15:20)来週の外為市場でドル/円は、連休中の急落で蓄積された短期筋の円買いポジションが巻き戻され、自律反発する余地がありそうだ。ただ、こうした反発がドル安の基本トレンドを覆す可能性は低いと見られている。
JPモルガン・チェース銀のチーフFX/EMストラテジスト棚瀬順哉氏は、大型連休中に際立ったドル/円の下落と3月末から4月初めのドル/円の下落は似通っていると指摘。
「円高に対して日本の通貨当局が打つ手がないとの観測、リスクオフを背景とした円の強さ、リスクオフにも関わらずドルが弱かったこと」が共通項だという。
さらに、今回の円高では「円をめぐるファンダメンタルズに大きな変化がなかったにも関わらず、短期筋の円ロングが過去最大を更新している可能性がある」と同氏は予想する。
これらの円ロングの巻き戻しが加速すれば、ドルは前回同様に下げ幅の7割程度を回復し、110円付近まで短期的に反発する可能性があるという。
みずほ証券チーフFXストラテジストの鈴木健吾氏も「ドルが、いったんは自律反発で108円台まで戻る可能性が高い」と言う。
鈴木氏は、ドルは1月末から2月初めに121円台だったが、5月3日には105円半ばをつけており、年間の値幅を既に達成している感があると指摘。108円台で時間を稼げるか否かが今後の展開の鍵になるとみている。
目下、ドル/円の日足転換線が108.75円、20日移動平均線が108.85円、基準線が109.10円水準にあり、これらをしっかりと上抜ければ流れが変わる、と同氏は予想する。
フィスコ
105.00 - 109.00
為替週間見通し(2016/05/07 15:02)6日発表された4月米雇用統計を受けてドルは一時106円44銭まで下げたが、平均時給の上昇や不完全雇用率の低下を意識したドル買いが観測されており、ドル・円は107円10銭でこの週の取引を終えた。
今週のドル・円は米経済指標や日米の株価動向が材料視される展開となりそうだ。
4月米雇用統計は市場の期待をやや下回る内容だったことから、6月利上げ期待は後退した。市場関係者の間からは、早期利上げ観測が後退したことによってドルは弱い経済指標に反応しやすくなっているとの声が聞かれている。
日本政府は投機的な為替の動きに対して必要に応じて対応する姿勢を示しているが、為替介入(円売り介入)がただちに実施される可能性は低いとみられている。
岡三オンライン証券
105.50 - 108.75
武部力也の週間為替相場見通し(2016/05/06)
安倍首相に「1ドル105円防衛」を託す展開安倍首相は自らの政治信条に併走して、"デフレ脱却"として円安思考を掲げてきた。しかし4/28に日銀は追加緩和を見送り、円は急騰。ドル円レートは昨秋水準に回帰し、政府と日銀の不協和音を指摘する見方も浮上した。
麻生財務相は制約されるものではないとしているが、仮に日本政府が円売り介入を強行すれば、トランプ旋風にも煽られて "日本は保護主義" "為替操作国" との論が米国内で高まるのは必至だろう。
本展開では2点注視している。一つはドル高の鎮静化であり、FRB管掌のドルインデックス(Broad)が昨秋水準120割れとなっている点だ。
つまりドルの名目実効相場が1/26のピーク126.22から4.76%程度の下落となっていることでドル安調整が更に加速すると米株・米債などへの流入期待≒ファイナンスが滞る可能性として米国側が諸刃の剣を焦燥し始める可能性である。
二点目は安倍首相が「為替安定は重要」とした"安定"の真意であり以前のような円安進展に頼らず、経済・財政対策を世界成長への貢献策をサミット議長国として内外に示す可能性だ。
つまり円安急反転は難しいが、アベノミクスは不惑のデフレ脱却も課題であることから、公的年金や郵貯、共済組合などによる外債・外株投資の大幅な増強、総動員で1ドル105円割れ圧力を円売り需給で鎮静化に努める可能性である。
ドル円は日足雲下限、4/28下落起点111.80を見上げ、4/29高値108.22、4/28日銀ショック後の戻り高値108.75を目標。下値焦点は5/4安値106.24、5/3安値105.54、2014/10/15安値105.175。105.00の通貨オプション防戦圧力も意識されるものと推考。
私見
米国の 4 月雇用統計は強弱まちまちではありますが、全般的には悪いという印象。ただし、発表直後に総崩れというわけではなく、戻してクローズしています。来週は SQ 週でもありますが、IMM の円ロングポジションは相変わらずかなり多いため、自律反発的な戻りはありそうです。目立ったイベントもないため、テクニカル的な 20 日移動平均線くらいまで戻して、レンジのようなチャートを形成すると予想します。
もしそこまで戻せずに、週開始から大きく下落するようだと 105 円を再び試しに行く流れになるかもしれません。
メイン予想 : 106.00 - 109.00
リスク予想 : 105.30 - 108.30