4月4日から4月8日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
4月4日から4月8日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル・円は目先の高値水準114円を突破できるかがカギとなる。一方、下値は2月11日の110円97銭、2月24日の111円00銭、そして3月17日の直近安値110円62銭でいずれも下げ止まっており、111円台は固そうだ。
1日発表された3月日銀短観によると、大企業、中小企業の業況判断DIがそろって悪化。16年度の企業業績の下振れ懸念が強まり、日経平均株価が大幅に下落。ドル/円はリスク回避的な円買いが強まった。
ただ、ドル/円は下値の堅さも確認されつつある。市場からは「ベルギーの連続爆破事件でリスク回避が強まった場面でも111円前半で反転した。下がっても111円くらいで買戻しが入りそうだ」(外為アナリスト)との声が出ていた。
来週のドル・円はもみあう展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測は後退している。6日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で早期追加利上げに対する慎重な姿勢が確認された場合、金利先高観は後退し、ドル売り・円買いがやや強まる可能性がある。
ただし、2016年度は本邦勢による米国債などの外国債券投資は拡大するとの見方があることから、ドル・円相場が円高方向に振れる場面では、国内投資家のドル買いが入る可能性がある。また、日米金利差の段階的な拡大に対する市場の期待は残されており、ドルの上値はやや重くなるとしても、ドル安・円高が急速に進行する状況ではないとみられる。
FOMCの金利予測(ドットチャート)だが、クローズアップされるのは絶対的中間値のみで、見通しの分布にはあまり目が向けられていない。中間値と比較してタカ派のメンバーから、早期利上げに前向きな発言が聞かれるのは当然だろう。今後も慎重な判断が必要になりそうだ。
3/29に新年度・平成28年度予算が成立。これを受け安倍首相は、日本経済の再生に向けて可能なものから予算を前倒し執行するよう、麻生財務相に指示する考えを示した。
今後を推測するうえで注視したのは、3/23に政府が3月の月例経済報告で景気判断を5カ月ぶりに下方修正したことだ。そこで思い浮かぶのが2014年10-12月の①「日銀ハロウイン緩和」②「消費増税延期」③「衆院解散」④「自民党圧勝」である。
2014年9月の月例報告では今般同様、5か月ぶりの下方修正をし、前号でも記したが、有識者からの増税延期提言が起点となった。今般も当時同様に安倍政権の勝利の方程式に円安(株高)の変数が組み込まれるのではないか。
上値焦点は113円超、3/16-29高値113.82-83。
日足一目均衡表雲下限114.55は114円突破を阻む抵抗体だが、一部ではバーゼルⅢ条項に伴う資本増強や期初に関わる需給がフォワード市場のドル金利上昇を引き起こし、直物相場にもドル買いが及ぶ可能性が指摘されている。一応の留意だ。
下値は112円台前半で維持に失敗すると111.80、3/22戻り安値111.52、安値111.37が焦点として意識されるだろう。。
対外証券投資が活発化する場合であっても、円安を誘発する効果は、以下 3 つの理由から、限定的と予想している。
ドル円は発表直後のモミ合いから一時上昇したものの、結局 113.40 あたりで失速し、逆に 111 円台へ下落してクローズしています。
ドル円はごく狭いレンジを形成していますが、来週スタート時にもう少しだけ下がって反発するようであれば、再びレンジ内に留まるものと思われます。
来週は大きなニュースはないので、引き続きレンジの取引となるでしょうが、何らかの重大な事象が起こった場合、簡単に下抜けをする気がするので、注意が必要です。
予想 : 110.50 - 113.20
経済指標
04/04(月)
- 23:00 (米) 3 月 米労働市場情勢指数
- 23:00 (米) 2 月 製造業新規受注
04/05(火)
- 21:30 (米) 2 月 貿易収支
- 23:00 (米) 3 月 ISM 非製造業景況指数
04/06(水)
- 10:45 (中) 3 月 Caixin サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
- 20:00 (米) MBA 住宅ローン申請指数(前週比)
- 27:00 (米) FOMC 議事要旨 ★★
04/07(木)
- 20:30 (欧) ECB 理事会議事要旨 ★★
- 21:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 28:00 → 8 日 04:00 (米) 2 月 消費者信用残高
- 30:30 → 8 日 06:30 (米) イエレン FRB 議長 発言
04/08(金)
- 08:50 (日) 2 月 国際収支・経常収支, 国際収支・貿易収支
- 15:00 (日) 3 月 景気ウォッチャー調査 - 現状判断 DI
- 23:00 (米) 2 月 卸売在庫
予想レンジ
モーニングスター
111.00 - 114.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/04/01 18:37)目先の注目は、4月1日の米3月雇用統計。市場では非農業部門雇用者数で前月比20万人超の増加など堅調な数字が予想されており、強い結果にはドル買いで反応しそうだが、足元でイエレンFRB議長が追加利上げは慎重であるべきとの姿勢を示したこともあり、上値を追うほどの力強い相場とはなりにくい。
ドル・円は目先の高値水準114円を突破できるかがカギとなる。一方、下値は2月11日の110円97銭、2月24日の111円00銭、そして3月17日の直近安値110円62銭でいずれも下げ止まっており、111円台は固そうだ。
ロイター
111.00 - 114.00
来週の外為市場 (2016/04/01 16:58)来週の外為市場で、ドル/円はレンジ継続を基本線としつつ、下方向への警戒も必要とされる。米国の早期追加利上げ観測が後退し、米国サイドからのドル買い要因に期待できなくなっている。一方、株価が予想以上に下げるなど悪い流れが続いた場合は、リスク回避の円買いが強まりそうだという。
1日発表された3月日銀短観によると、大企業、中小企業の業況判断DIがそろって悪化。16年度の企業業績の下振れ懸念が強まり、日経平均株価が大幅に下落。ドル/円はリスク回避的な円買いが強まった。
ただ、ドル/円は下値の堅さも確認されつつある。市場からは「ベルギーの連続爆破事件でリスク回避が強まった場面でも111円前半で反転した。下がっても111円くらいで買戻しが入りそうだ」(外為アナリスト)との声が出ていた。
フィスコ
111.50 - 114.50
為替週間見通し(2016/04/01 15:32)
来週のドル・円はもみあう展開となりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測は後退している。6日に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で早期追加利上げに対する慎重な姿勢が確認された場合、金利先高観は後退し、ドル売り・円買いがやや強まる可能性がある。
ただし、2016年度は本邦勢による米国債などの外国債券投資は拡大するとの見方があることから、ドル・円相場が円高方向に振れる場面では、国内投資家のドル買いが入る可能性がある。また、日米金利差の段階的な拡大に対する市場の期待は残されており、ドルの上値はやや重くなるとしても、ドル安・円高が急速に進行する状況ではないとみられる。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
110.50 - 115.00
週間為替展望 (2016/04/01 20:29)
- イエレンFRB議長のスタンスは変わらず。
- ドットチャートから得られる見通しには慎重な判断が必要。
FOMCの金利予測(ドットチャート)だが、クローズアップされるのは絶対的中間値のみで、見通しの分布にはあまり目が向けられていない。中間値と比較してタカ派のメンバーから、早期利上げに前向きな発言が聞かれるのは当然だろう。今後も慎重な判断が必要になりそうだ。
岡三オンライン証券
111.50 - 113.80
武部力也の週間為替相場見通し(2016/04/01)
Yellen reiterates need for rates caution3月中旬以降、複数FRB幹部から早ければ4月FOMCでの議題に再利上げ案浮上との推測となった。しかしイエレン議長は、インフレ加速が持続するかは定かではないとし、利上げを慎重に進めることが依然適切との認識を示し鎮静させている。
3/29に新年度・平成28年度予算が成立。これを受け安倍首相は、日本経済の再生に向けて可能なものから予算を前倒し執行するよう、麻生財務相に指示する考えを示した。
今後を推測するうえで注視したのは、3/23に政府が3月の月例経済報告で景気判断を5カ月ぶりに下方修正したことだ。そこで思い浮かぶのが2014年10-12月の①「日銀ハロウイン緩和」②「消費増税延期」③「衆院解散」④「自民党圧勝」である。
2014年9月の月例報告では今般同様、5か月ぶりの下方修正をし、前号でも記したが、有識者からの増税延期提言が起点となった。今般も当時同様に安倍政権の勝利の方程式に円安(株高)の変数が組み込まれるのではないか。
上値焦点は113円超、3/16-29高値113.82-83。
日足一目均衡表雲下限114.55は114円突破を阻む抵抗体だが、一部ではバーゼルⅢ条項に伴う資本増強や期初に関わる需給がフォワード市場のドル金利上昇を引き起こし、直物相場にもドル買いが及ぶ可能性が指摘されている。一応の留意だ。
下値は112円台前半で維持に失敗すると111.80、3/22戻り安値111.52、安値111.37が焦点として意識されるだろう。。
三菱東京UFJ銀行
FX Monthly(2016/03/31)
狭い値幅に留まった 3 月のドル円。但し、一時 110.67 と年初来安値を更新したほか、戻り高値は 114 円台手前までと上値は重い。円高の主因は、リスクオフという一時的なものではない可能性が高い。多少の乱高下を繰り返しつつ年末に向けて緩やかながらもドル安円高傾向が持続するとの従来予想を維持。いずれ 110 円の大台を割り込む展開を予想する。新年度入りするタイミングであることから、本邦からの対外証券投資が活発化し、円安圧力を招くとの見方は根強い。但し、ドル円を展望する上で重要なのは、こうした投資が、為替リスクを伴う(=円売りを伴う)オープン形式か、為替リスクを排除したヘッジ付かが重要だ。
対外証券投資が活発化する場合であっても、円安を誘発する効果は、以下 3 つの理由から、限定的と予想している。
- 株式・投資ファンド持分に関して言えば、昨年の主たる買い手であった信託勘定(公的年金)は、株式相場が下落した場面での買い増し(リバランス)を除き、様子見姿勢を強めよう。例えば、公的年金最大手の「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」の場合、基本ポートフォリオに占める外国株式の資産構成割合「25%±8%」に対し、2015 年末時点の保有比率は、既に 22.82%となっている
- 総じて、市場参加者の円高警戒は高まっており、為替リスクは取りづらい。また、生命保険会社の場合、為替リスクを伴った資産に適用されるソルベンシーマージン比率(健全性の指標)算出上のリスク掛け目が高いこともあり、中長期債投資は為替ヘッジ付が主流とみられる。
- 2016 年度も、本邦の経常収支は昨年並みの黒字を維持すると見込まれる(円高圧力)。多少の円売りを伴うオープンでの対外証券投資が増加しても、それに伴う円安圧力は、経常黒字による円高圧力に吸収されよう。
これまでのドル安円高は一時的な動きではないと判断し、4 月以降も緩やかなドル安円高傾向が続くとの従来見通しを維持する。
また、向こう 1 年の予想レンジの下限を、引き続き 105 円程度と予想。
これは、昨年末時点での購買力平価(OECD 算出)が 106 円であること、実質金利差で試みる推計値がほぼ同水準にあること、2014 年10 月末の QQE 拡大後、ドル高円安が加速する起点となった水準であることなどを総合的に考慮したものだ。
私見
雇用統計は、注目されていた賃金の伸びはプラスに転じましたが、失業率は若干の悪化となりました。ドル円は発表直後のモミ合いから一時上昇したものの、結局 113.40 あたりで失速し、逆に 111 円台へ下落してクローズしています。
ドル円はごく狭いレンジを形成していますが、来週スタート時にもう少しだけ下がって反発するようであれば、再びレンジ内に留まるものと思われます。
来週は大きなニュースはないので、引き続きレンジの取引となるでしょうが、何らかの重大な事象が起こった場合、簡単に下抜けをする気がするので、注意が必要です。
予想 : 110.50 - 113.20