3月28日から4月1日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
3月28日から4月1日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル・円は反発基調が強まり、チャート上では5日と25日の移動平均線のゴールデン・クロスを形成間近。直近でもみ合った114円台半ばのラインを上抜けられるかが焦点となる。
経済指標では4月1日発表の3月米雇用統計が有力な手掛かり材料となる。米雇用統計 が堅調なら、早期追加利上げ観測が再燃し、ドルは115円程度まで上昇する可能性が ある。
もっともブラード総裁を除く他の委員には、FOMCで今年の投票権はない。イエレンFRB議長をはじめ、中心的なメンバーの政策スタンスを考慮するならば、あまり前のめりな判断は得策ではないだろう。早期利上げ期待が短期的なドルの底堅さに寄与しても、緩和スタンスの長期化観測を歓迎して年初からの下げを埋めた米株価指数にとっては重しとなる可能性がある。引き続き、米景気の基調の強さと海外情勢を見極めていく必要がある。
増税見送りの決断に対して安倍首相の手持ちカードは「一票の格差是正」「金融緩和」「財政出動」、そして国民に信を問う「解散総選挙」。7月予定の参院選と併せて「ダブル選挙」というシナリオも成立するだろう。ジョーカーは2014年12月の衆議院選挙において安倍首相は自ら“アベノミクス解散”と名付けていたこと。つまり今回、解散総選挙に及んだ場合は2017年4月の消費増税に耐えうる経済が実現するとしていた前回時の言責も問われる可能性から「株高・円安」は必須とも読み込める。
日本企業の3月決算に伴う海外収益の円転(リパトリエーション)がピークアウトを迎えたことで、3/28週は円買い圧力の後退に対して国内機関投資家の総動員強化で外貨買い円売り攻勢が高まる局面とも言えるのではないか。
下値焦点は日足一目均衡基準線・転換線参考で112.50、前出の今月始値水準112.345。下抜けると3/23-24安値112.13-28が意識される。維持失敗となると3/22安値111.37が脅かされるだろう。上値焦点は3/15-16高値113.83、114.18超。日足一目均衡表雲下限114.65、2/16高値114.86到達を4/1米雇用統計結果も含めて期待視。
とは言え、ここ数年の傾向として、4 月に入ってからも、配当金の受け取りに相当する第 1 次所得収支の黒字は、高水準を維持し、月間黒字幅が 2 兆円に迫る見込みだ。一方、円安圧力として期待される本邦からの対外証券投資の内、中長期債の多くは、為替ヘッジ付が主流と見込まれ、実際の円売りは限定的と考えられる。円の需給は、必ずしも新年度入り後の円安シナリオを後押しするものではないだろう。
そもそも、世界経済の低成長継続が見込まれる中、米国の利上げ観測が高まるほど、ドル円上昇は阻害される公算が大きい。ドルが底堅さを増した今週、原油先物相場は、続伸を阻まれ、週央以降は軟化。米国の株式相場もそれを横目に週末にかけてやや軟化した。
ドル高は、必ずしもドル円相場のドル高円安を意味しない。
来週のドル円は、上下ともに決定打を欠く上、週末にかけて様子見姿勢も強いとみられ、方向感の乏しい展開を予想する。
直近は戻りの局面となっており、また、来週も引き続き期末に伴う実需勢の買い上げが入ると思われますが、週末に雇用統計を控えるため、徐々に動きづらい局面になるのではないかと思われます。
ただ、世界的なリスクが後退したわけでは決してないため、ちょっとしたきっかけで下値を試しに行く動きには警戒しなければなりません。
引き続き安全運転をしながら、ドル円がどこまで上値を試せるのかに注目ですね。
予想 : 111.70 - 115.60
経済指標
03/28(月)
- 21:30 (米) 2 月 個人消費支出(PCEコア・ デフレータ)★★
- 23:00 (米) 2 月 住宅販売保留指数
03/29(火)
- 22:00 (米) 1 月 ケース・シラー米住宅価格指数
- 23:00 (米) 3 月 消費者信頼感指数
03/30(水)
- 20:00 (米) MBA 住宅ローン申請指数
- 21:15 (米) 3 月 ADP 雇用統計 ★★
03/31(木)
- 18:00 (欧) 3 月 消費者物価指数(HICP)★★
- 20:30 (米) 3 月 チャレンジャー人員削減数
- 21:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 22:45 (米) 3 月 シカゴ購買部協会景気指数
04/01(金)
- 08:50 (日) 1-3 月期 日銀短観・四半期大企業製造業業況判断★★
- 10:00 (中) 3 月 製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 10:00 (中) 3 月 Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 21:30 (米) 3 月 非農業部門雇用者数変化 ★★★
- 21:30 (米) 3 月 失業率 ★★★
- 23:00 (米) 3 月 ISM 製造業景況指数 ★★
- 23:00 (米) 3 月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値
予想レンジ
モーニングスター
111.00 - 114.50
来週の東京外国為替市場見通し (2016/03/25 17:59)市場では直近開催のFOMCを受け、米国の年内追加利上げ回数はこれまでの4回が2回へと引き下げられたとの見方が広がった。ただ、FRB高官発言を受け、4月26-27日開催のFOMCでの利上げの可能性にも関心が集まりつつある。3月29日に予定されるイエレンFRB議長の講演内容次第では、米金融政策への見方が大きく変化することになりそうだ。週末4月1日には米3月雇用統計の発表が控える。好結果となれば早期の米追加利上げを補強する材料と見なされそうだ。
ドル・円は反発基調が強まり、チャート上では5日と25日の移動平均線のゴールデン・クロスを形成間近。直近でもみ合った114円台半ばのラインを上抜けられるかが焦点となる。
ロイター
110.50 - 114.50
来週の外為市場 (2016/03/18 16:58)年度末をまたぐ来週の外為市場では、実需のフローが主役となりそうだ。なかでも公的年金は、外貨建て証券投資に伴う為替差損を少しでも圧縮する観点から、ドルの下値を支えてくる公算が大きいとみられている。また、そうした思惑に便乗した海外投機筋がドル買い/円売りを仕掛ける可能性も大きい。期末要因以外では、米国の利上げをめぐる思惑や、米国のドル安志向も気になる。指標では4月1日に日銀短観と米雇用統計が予定される。
フィスコ
111.00 - 115.00
為替週間見通し(2016/03/25 14:50)ベルギーでのテロ事件を嫌気して米追加利上げ観測は一度後退したが、複数の米地区連銀総裁が4月を含めた早期追加利上げ実施の可能性に言及した。これを受けてリスク回避的なドル売りは一服し、一部でドルを買い 戻す動きが観測されている。この動きは来週も続く可能性があり、米連邦準備制度理事会(FRB)関係者(金融 当局者)からタカ派的な発言が聞かれた場合、ドルの買戻しは一段と強まる見通し。
経済指標では4月1日発表の3月米雇用統計が有力な手掛かり材料となる。米雇用統計 が堅調なら、早期追加利上げ観測が再燃し、ドルは115円程度まで上昇する可能性が ある。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
110.50 - 115.00
週間為替展望 (2016/03/26 11:10)
- 米当局社の発言で FOMC 後のドル安に調整、ドルの下値限定的か。
- 米利上げ期待の高まりを注視、来週は最重要指標が目白押し。
もっともブラード総裁を除く他の委員には、FOMCで今年の投票権はない。イエレンFRB議長をはじめ、中心的なメンバーの政策スタンスを考慮するならば、あまり前のめりな判断は得策ではないだろう。早期利上げ期待が短期的なドルの底堅さに寄与しても、緩和スタンスの長期化観測を歓迎して年初からの下げを埋めた米株価指数にとっては重しとなる可能性がある。引き続き、米景気の基調の強さと海外情勢を見極めていく必要がある。
岡三オンライン証券
110.50 - 114.65
武部力也の週間為替相場見通し(2016/03/25)
3月期末「4日間」での円安期待消費税再増税を巡って政府・与党内で実施派と延期派の対立が報じられているなか、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏は従前通り、消費税率引き上げに対して慎重にすべきとの考えを示した。同氏は以前よりデフレ脱却途上における我が国に対して昨年4月の消費税増税も強く批判していた2014/11/6にも、安倍首相に増税延期の必要を説いている点だ。
増税見送りの決断に対して安倍首相の手持ちカードは「一票の格差是正」「金融緩和」「財政出動」、そして国民に信を問う「解散総選挙」。7月予定の参院選と併せて「ダブル選挙」というシナリオも成立するだろう。ジョーカーは2014年12月の衆議院選挙において安倍首相は自ら“アベノミクス解散”と名付けていたこと。つまり今回、解散総選挙に及んだ場合は2017年4月の消費増税に耐えうる経済が実現するとしていた前回時の言責も問われる可能性から「株高・円安」は必須とも読み込める。
日本企業の3月決算に伴う海外収益の円転(リパトリエーション)がピークアウトを迎えたことで、3/28週は円買い圧力の後退に対して国内機関投資家の総動員強化で外貨買い円売り攻勢が高まる局面とも言えるのではないか。
下値焦点は日足一目均衡基準線・転換線参考で112.50、前出の今月始値水準112.345。下抜けると3/23-24安値112.13-28が意識される。維持失敗となると3/22安値111.37が脅かされるだろう。上値焦点は3/15-16高値113.83、114.18超。日足一目均衡表雲下限114.65、2/16高値114.86到達を4/1米雇用統計結果も含めて期待視。
三菱東京UFJ銀行
111.50 - 114.50
FX Weekly(2016/03/25)市場では、本邦輸出筋や配当金受け取りに伴う円買い需要が一巡。さらに、マイナス金利政策を受けた対外証券投資の活発化によって、円安に振れ易くなるとの期待も高まる。前週の米FRB高官らの発言もしばらくは意識され、ドル円は小じっかりと推移しよう。
とは言え、ここ数年の傾向として、4 月に入ってからも、配当金の受け取りに相当する第 1 次所得収支の黒字は、高水準を維持し、月間黒字幅が 2 兆円に迫る見込みだ。一方、円安圧力として期待される本邦からの対外証券投資の内、中長期債の多くは、為替ヘッジ付が主流と見込まれ、実際の円売りは限定的と考えられる。円の需給は、必ずしも新年度入り後の円安シナリオを後押しするものではないだろう。
そもそも、世界経済の低成長継続が見込まれる中、米国の利上げ観測が高まるほど、ドル円上昇は阻害される公算が大きい。ドルが底堅さを増した今週、原油先物相場は、続伸を阻まれ、週央以降は軟化。米国の株式相場もそれを横目に週末にかけてやや軟化した。
ドル高は、必ずしもドル円相場のドル高円安を意味しない。
来週のドル円は、上下ともに決定打を欠く上、週末にかけて様子見姿勢も強いとみられ、方向感の乏しい展開を予想する。
私見
今週は FOMC メンバーの早期利上げ発言と、日本の期末に伴う実需勢のドル買いにより、ドル高方向へと進みました。何度か調整局面はありながらも、下値をどんどん切り上げていく感覚は久しぶりでした。直近は戻りの局面となっており、また、来週も引き続き期末に伴う実需勢の買い上げが入ると思われますが、週末に雇用統計を控えるため、徐々に動きづらい局面になるのではないかと思われます。
ただ、世界的なリスクが後退したわけでは決してないため、ちょっとしたきっかけで下値を試しに行く動きには警戒しなければなりません。
引き続き安全運転をしながら、ドル円がどこまで上値を試せるのかに注目ですね。
予想 : 111.70 - 115.60