3月21日から3月25日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
3月21日から3月25日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル・円はチャート上で、2月11日の110円97銭、2月24日の111円00銭でいずれも下げ渋っており、心理的なフシとなる110円が下値として意識される。一方、上値では、3月17日時点での5日移動平均線112円99銭近辺が抵抗線となりそうだ。。
週末は米国などで聖金曜日の休日に当たる。「連休前のポジション調整で相場が不安定になりやすい」(別の国内金融機関)との見方も聞かれる。
何らかの要因でドルが110円を一時的に下回る可能性はあるものの、株高・原油高が続いた場合、リスク選好的な円売りが増える可能性もあることから、大幅なドル安・円高は回避される見通し。
米連邦公開市場委員会(FOMC)も利上げを見送った。声明文では設備投資の鈍化を指摘し、世界経済と金融動向のリスクに言及した。短期的な物価・成長見通しは小幅に引き下げられ、FOMCが年内2回程度の利上げを見通していることが明らかになった。米国の利上げ再開の正当性を、今後のデータで見極める必要がある。
欧州中央銀行(ECB)の金融政策イベントはドラギ総裁が追加利下げに否定的な見解を示したことで、再び失望を誘ったとの見方も根強い。ただし事前予想と比較して「満額回答」以上となったため、緩和効果に対する期待が今後、浸透していきそうだ。ユーロ圏の物価が低迷する限り、ECBの緩和的な金融政策は継続しよう。ただし問題は家計や企業へしっかり波及するかどうかである。効果が現れなければ今後、ECBの政策に対する限界論も高まっていくことになるだろう。
3/16の衆院財務金融委で「金利をマイナス0.5%程度まで引き下げることはできるのか」、という質問に対し「その通りです」と日銀黒田総裁は答弁。追加緩和を辞さない考えを示した。一方、「国際金融経済分析会合」での有識者見解を大義に、増税延期を視野とした安倍首相の動きが指摘され始めた。「金融緩和」「増税延期」「財政出動」、そして「衆参同日選」。あがりを「憲法改正」とするなら、それを阻害する円高進行は甘受できない、させられないという「円高絶対防衛圏」としたカードが浮かび上がってくる局面と読む。
3/17の1ドル111円割れ後に日銀レートチェック報が伝わると、一気に112.01円に反転する場面があった。筆者の経験上(10年以上前に日銀担当)では、日銀はあくまでも実務であり、介入の意向は財務省国際局為替市場課の所管であると認識している。そうなると麻生財務相・浅川財務官の行動報が重要なのだが、にもかかわらず、日銀レートチェック報で市場が動いたということは、それだけ市場が警戒を強めていることの証でもある。
輸出法人の期末決算円転需要が峠を越えた観測から、上値焦点は前出の112.01戻り高値、超えれば3/17高値112.965や90日線113.00、更には3/15-16高値の113.83、114.18まで期待値として推考している。下値焦点は111円台維持。割れると3/17安値110.65、そして2014/10/31の節目110.50-20が意識される。
需給に目を転じても、本邦勢が受け取る配当金の集積である第 1 次所得収支の黒字は、例年 4 月まで月間 2 兆円程度を維持。全てが円転されるわけではないが、円買い需要は旺盛とみられる。潜在的な円売りである対外直接投資や証券投資も、この円高の地合いとあって、手控えられる可能性が高く、円高抑止力としてはあまり見込みにくい。来週のドル円は、期末も近づく中、一段安への警戒が必要と考えられる。
直近安値(110.67)の更新や110 円割れも視界に入ろう。但し、110.99 から 113 円台に急速に切り返した 2 月 11 日や、同じく 110.67 から 112 円台へと短時間に急騰した 3 月 17 日の値動きも意識され、値動きは神経質なものとなりやすい。予想レンジは、相応に取らざるを得ないだろう。
ただ、お約束のように 110 円台ではかなりの警戒感から、いきなり切り返す場面が何度かあり、明確に 110 円を割り込むには、何か重大な事件が発生しないかぎりちょっと難しいのかな、とも思いました。
結局 111 円半ばでかろうじて耐えている感じですが、来週の展望で重要なのは 21 日。日本は祝日であり、日本勢不在と言われる中で、2 月 11 日の急落の再来は再び起こる可能性は高いと思います。初めはショートで付いて行きたいところですが、どこかのタイミングでロングで入りたいところです。
予想 : 111.20 - 112.60
経済指標
03/21(月)
日本市場は休場- 23:00 (米) 2 月 中古住宅販売件数
03/22(火)
- 22:00 (米) 1 月 住宅価格指数
- 23:00 (米) 3 月 リッチモンド連銀製造業指数
03/23(水)
- 23:00 (米) 2 月 新築住宅販売件数 ★★
03/24(木)
- 21:30 (米) 2 月 耐久財受注
- 21:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
03/25(金)
- 08:30 (日) 2 月 全国消費者物価指数(CPI)★★
- 14:00 (日) 1 月 景気先行指数(CI)
- 21:30 (米) 10-12 月期 四半期実質国内総生産(GDP)★★
予想レンジ
モーニングスター
111.00 - 113.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/03/18 18:05)米経済指標では、米2月中古住宅販売件数、米2月新築住宅販売件数、米2月耐久財受注の他、米10-12月GDP(国内総生産)確報値の発表が控える。この他、日本では3月14-15日開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表予定。今後の日本の追加金融緩和に対する思惑を左右し、ドル・円相場の変動要因となる可能性がある。
ドル・円はチャート上で、2月11日の110円97銭、2月24日の111円00銭でいずれも下げ渋っており、心理的なフシとなる110円が下値として意識される。一方、上値では、3月17日時点での5日移動平均線112円99銭近辺が抵抗線となりそうだ。。
ロイター
110.00 - 113.50
来週の外為市場 (2016/03/18 16:58)来週の外為市場でドル/円は、ドル安の流れを受けた下方圧力を警戒する展開が続きそうだ。週初は日本が休日のため、日本勢のドル買い/円売りによる支えが期待できず、投機筋主導でいったん下方向を試す可能性が警戒されている。ただ、急激な円高に対しては、日本の当局による為替介入への思惑も高まりやすい。
週末は米国などで聖金曜日の休日に当たる。「連休前のポジション調整で相場が不安定になりやすい」(別の国内金融機関)との見方も聞かれる。
フィスコ
109.00 - 114.00
為替週間見通し(2016/03/18 14:51)市場関係者の間では、1ドル=110円が重要な節目になるとの見方が多く、この水準付近での攻防が注目される。ただ、米国株は利上げペースの鈍化を好感しており、株高が続けば日本株も底堅い値動きとなることが予想される。原油先物は強い動きを見せており、先高観が浮上している。
何らかの要因でドルが110円を一時的に下回る可能性はあるものの、株高・原油高が続いた場合、リスク選好的な円売りが増える可能性もあることから、大幅なドル安・円高は回避される見通し。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
109.00 - 114.00
週間為替展望 (2016/03/18 23:23)
- ドル・円・ユーロ、それぞれ目先の落ち着きどころを模索。
- 米利上げ再開の正当性を今後のデータで判断へ。
米連邦公開市場委員会(FOMC)も利上げを見送った。声明文では設備投資の鈍化を指摘し、世界経済と金融動向のリスクに言及した。短期的な物価・成長見通しは小幅に引き下げられ、FOMCが年内2回程度の利上げを見通していることが明らかになった。米国の利上げ再開の正当性を、今後のデータで見極める必要がある。
欧州中央銀行(ECB)の金融政策イベントはドラギ総裁が追加利下げに否定的な見解を示したことで、再び失望を誘ったとの見方も根強い。ただし事前予想と比較して「満額回答」以上となったため、緩和効果に対する期待が今後、浸透していきそうだ。ユーロ圏の物価が低迷する限り、ECBの緩和的な金融政策は継続しよう。ただし問題は家計や企業へしっかり波及するかどうかである。効果が現れなければ今後、ECBの政策に対する限界論も高まっていくことになるだろう。
岡三オンライン証券
110.50 - 114.00
武部力也の週間為替相場見通し(2016/03/18)
浮かび上がる「円高絶対防衛圏」FRBは3/16のFOMCで追加利上げを見送った。FOMC参加者が予想する年内利上げ回数は、昨年12月時点の4回から2回に修正。次回利上げ予想時期は6月以降と読むのが無難となった。イエレン議長の慎重な姿勢を踏まえると、米利上げ期待を背景とした一本調子のドル高円安期待はしづらくなってきた。
3/16の衆院財務金融委で「金利をマイナス0.5%程度まで引き下げることはできるのか」、という質問に対し「その通りです」と日銀黒田総裁は答弁。追加緩和を辞さない考えを示した。一方、「国際金融経済分析会合」での有識者見解を大義に、増税延期を視野とした安倍首相の動きが指摘され始めた。「金融緩和」「増税延期」「財政出動」、そして「衆参同日選」。あがりを「憲法改正」とするなら、それを阻害する円高進行は甘受できない、させられないという「円高絶対防衛圏」としたカードが浮かび上がってくる局面と読む。
3/17の1ドル111円割れ後に日銀レートチェック報が伝わると、一気に112.01円に反転する場面があった。筆者の経験上(10年以上前に日銀担当)では、日銀はあくまでも実務であり、介入の意向は財務省国際局為替市場課の所管であると認識している。そうなると麻生財務相・浅川財務官の行動報が重要なのだが、にもかかわらず、日銀レートチェック報で市場が動いたということは、それだけ市場が警戒を強めていることの証でもある。
輸出法人の期末決算円転需要が峠を越えた観測から、上値焦点は前出の112.01戻り高値、超えれば3/17高値112.965や90日線113.00、更には3/15-16高値の113.83、114.18まで期待値として推考している。下値焦点は111円台維持。割れると3/17安値110.65、そして2014/10/31の節目110.50-20が意識される。
三菱東京UFJ銀行
109.50 - 113.50
FX Weekly(2016/03/18)ドル安の恩恵を受け、ドルと逆相関性の高い原油先物相場のほか、幅広いリスク資産が反発しており、VIX指数も 14%台と 3 ヶ月ぶりの水準にまで低下。市場の緊張は相応に緩和している。一方、足元のドル円は 2 年ぶりの安値(円の高値)を更新中。円高の背景を、リスク回避による一時的な動きとする見方は完全に否定される。
需給に目を転じても、本邦勢が受け取る配当金の集積である第 1 次所得収支の黒字は、例年 4 月まで月間 2 兆円程度を維持。全てが円転されるわけではないが、円買い需要は旺盛とみられる。潜在的な円売りである対外直接投資や証券投資も、この円高の地合いとあって、手控えられる可能性が高く、円高抑止力としてはあまり見込みにくい。来週のドル円は、期末も近づく中、一段安への警戒が必要と考えられる。
直近安値(110.67)の更新や110 円割れも視界に入ろう。但し、110.99 から 113 円台に急速に切り返した 2 月 11 日や、同じく 110.67 から 112 円台へと短時間に急騰した 3 月 17 日の値動きも意識され、値動きは神経質なものとなりやすい。予想レンジは、相応に取らざるを得ないだろう。
私見
今週は FOMC や日銀金融政策決定会合などの重要イベントがありました。発表内容は予想通りで、その直後の値動きについても予想通り…なのですが、全面ドル安の流れに乗って、ドル円では投機筋が再び大量の売り仕掛けをしてきており、ドル円は再び 110 円台というかなり突っ込んだところまで売られました。ただ、お約束のように 110 円台ではかなりの警戒感から、いきなり切り返す場面が何度かあり、明確に 110 円を割り込むには、何か重大な事件が発生しないかぎりちょっと難しいのかな、とも思いました。
結局 111 円半ばでかろうじて耐えている感じですが、来週の展望で重要なのは 21 日。日本は祝日であり、日本勢不在と言われる中で、2 月 11 日の急落の再来は再び起こる可能性は高いと思います。初めはショートで付いて行きたいところですが、どこかのタイミングでロングで入りたいところです。
予想 : 111.20 - 112.60