2月29日から3月4日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
2月29日から3月4日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
米経済指標では、週末4日に米2月雇用統計の結果が発表される。足元では米経済指標の弱い結果が続いているものの、市場は2月の非農業部門雇用者数が前月比19.5万人と1月から拡大を見込む強い内容。ただ、世界的景気の先行き不透明感や不安定な原油先物価格の動向などから、仮に市場予想並みの強い結果が出たとしても、3月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ観測が市場に浸透するとは考えにくい。米経済の先行きを占ううえでは、2日発表のベージュブック(地区連銀経済報告)にも留意しておきたい。
G20を無風で通過し原油価格や中国株が落ち着いていれば、米経済指標に注目が集まりそうだ。3月1日にISM製造業景況指数、2日にADP全米雇用報告とベージュブック、3日にISM非製造業景況指数などの発表がある。これらが堅調で4日発表の雇用統計もいい内容となれば「ドルは115円手前まで上昇する可能性もある」(マネースクウェア・ジャパンのシニアアナリスト、山岸永幸氏)という。
ポンド円やユーロ円など、急降下したクロス円に調整が入ることでドル円が一定の反発をみせる可能性は否定できない。ただ英国の欧州連合(EU)離脱懸念も市場の新たな不透明要素に加わり、センチメントが改善しにくいなかで円高圧力を抑制するだけの材料は乏しい。
週末にかけて開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、市場の混乱が収束に向かうとの期待はしぼんでいる。米財務省関係者からは米国は為替の不均衡是正を強調し、競争的な通貨切り下げを回避するよう主張すると伝わった。
幸いにして1月米耐久財受注は改善を示した。しかし、2/2にフィッシャーFRB副議長が「競争力を得るために為替レートを活用することはよくない」とした見解を表明している
今後の焦点は1点。まずはドル安円高に対する為替介入は、日本自らが「為替操作国」のレッテルを貼ることになり、日米関係配慮として事実上の封印となる可能性である。
しかし前号で指摘したように、日銀法に基づいた臨時日銀会合の開催で“金利の下限拡大≒円買い圧力排除”の手段は更に高まったのではないか。
ドル円下値焦点は2/25安値111.885。下抜けた場合は2/24安値111.03と2/11安値110.985のダブルボトム圏が実質の最終橋頭堡と推考。上値焦点は2/19高値113.39と2/22高値113.40超。越えれば2/13高値114.34、2/17高値114.52、そして2/11安値110.98後の戻り最高値114.89が期待視されるだろう。
G20 では、日本のなりふり構わない「円安誘導」に対しての釘刺しがありました。まっとうな指摘ではないかと思います。夏の選挙までなんとしても日経とドル円を維持したい安倍政権ですが、市場原理からするとかなり無理があるのではないでしょうか。また、米国の大統領選挙の動きを見ていると、円安を許容している候補者はいません。
かつての「ジャパン・バッシング」ではないですが、中国だけではなく、米国からも逆風が吹き始めているのかな、という印象です。
来週ですが、G20 通過後の動きは正直読めないですねw
115 円近辺までは戻りがあるかもしれませんが、そこから突き抜けてドル高・円安、といいうトレンドに転換することはないと思っています。
予想 : 111.50 - 114.50
経済指標
02/29(月)
- 19:00 (欧)2 月 消費者物価指数(HICP・速報値)
- 23:45 (米)2 月 シカゴ購買部協会景気指数
- 24:00 (米)1 月 住宅販売保留指数
03/01(火)
- 08:30 (日)1 月 失業率・有効求人倍率
- 10:45 (中)2 月 Caixin 製造業購買担当者景気指数
- 24:00 (米)2 月 ISM 製造業景況指数
03/02(水)
- 21:00 (米)MBA 住宅ローン申請指数
- 22:15 (米)2 月 ADP 雇用統計
- 28:00 (米)米地区連銀経済報告
03/03(木)
- 10:45 (中)2 月 Caixin サービス部門購買部担当者景気指数
- 21:30 (米)2 月 チャレンジャー人員削減数
- 22:30 (米)10-12 月期 四半期費農業部門労働生産性・改定値
- 23:30 (米)2 月 ISM 非製造業景況指数 ★★
- 24:00 (米)1 月 製造業新規受注
03/04(金)
- 22:30(米) 2 月 非農業部門雇用者数変化 ★★
- 22:30(米) 2 月 失業率 ★★
予想レンジ
モーニングスター
111.00 - 115.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/02/26 18:00)来週3月1日には米大統領選挙の候補者選びのヤマ場とされる「スーパーチューズデー」を迎える。次期大統領候補者が為替市場に関する発言を行う可能性もあり、注意が必要。
米経済指標では、週末4日に米2月雇用統計の結果が発表される。足元では米経済指標の弱い結果が続いているものの、市場は2月の非農業部門雇用者数が前月比19.5万人と1月から拡大を見込む強い内容。ただ、世界的景気の先行き不透明感や不安定な原油先物価格の動向などから、仮に市場予想並みの強い結果が出たとしても、3月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ観測が市場に浸透するとは考えにくい。米経済の先行きを占ううえでは、2日発表のベージュブック(地区連銀経済報告)にも留意しておきたい。
ロイター
111.00 - 114.90
来週の外為市場 (2016/02/26 17:11)来週の外為市場で、ドル/円は底堅い展開となりそうだ。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結果が失望を招いた場合でも、111円を割り込むような円高にはならないとの見方が出ている。原油価格や株価が安定していれば、雇用統計を始めとする米国の重要指標に関心が移っていきそうだ。
G20を無風で通過し原油価格や中国株が落ち着いていれば、米経済指標に注目が集まりそうだ。3月1日にISM製造業景況指数、2日にADP全米雇用報告とベージュブック、3日にISM非製造業景況指数などの発表がある。これらが堅調で4日発表の雇用統計もいい内容となれば「ドルは115円手前まで上昇する可能性もある」(マネースクウェア・ジャパンのシニアアナリスト、山岸永幸氏)という。
フィスコ
111.50 - 114.00
為替週間見通し(2016/02/26 15:36)英国の欧州連合(EU)離脱懸念や米追加利上げ観測の後退 を背景に市場のドル買い意欲はやや薄れる一方、円買い基調は続きそうだ。ただ、3月4日発表の米雇用統計(非農業部門雇用者数)は前回を大きく上回る可能 性があるため、ドルを積極的に売り込みづらい展開となりそうだ。米連邦準備制度理 事会(FRB)が利上げにやや前向きな姿勢を見せた場合、値ごろ感でドルを買い戻す 動きがみられる可能性がある。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
110.50 - 116.00
週間為替展望 (2016/02/27 11:10)
- 米国では製造業に続き、サービス業の景況感も悪化。
- 対円以外でのドル高調整はまだ小幅、米当局はドル高への回帰は避けたい。
ポンド円やユーロ円など、急降下したクロス円に調整が入ることでドル円が一定の反発をみせる可能性は否定できない。ただ英国の欧州連合(EU)離脱懸念も市場の新たな不透明要素に加わり、センチメントが改善しにくいなかで円高圧力を抑制するだけの材料は乏しい。
週末にかけて開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、市場の混乱が収束に向かうとの期待はしぼんでいる。米財務省関係者からは米国は為替の不均衡是正を強調し、競争的な通貨切り下げを回避するよう主張すると伝わった。
岡三オンライン証券
111.50 - 114.50
武部力也の週間為替相場見通し(2016/02/26)
To Fight against Currency Manipulation by China, Japan11月の米大統領選挙を控え、民主・共和両党の候補指名争いが本格化してきた。各候補は有権者の歓心を買う為に舌鋒鋭く円を批判する可能性が高い。「ドル高円安≒景気後退≒日本悪」とした政治的なスケープゴートである。
幸いにして1月米耐久財受注は改善を示した。しかし、2/2にフィッシャーFRB副議長が「競争力を得るために為替レートを活用することはよくない」とした見解を表明している
今後の焦点は1点。まずはドル安円高に対する為替介入は、日本自らが「為替操作国」のレッテルを貼ることになり、日米関係配慮として事実上の封印となる可能性である。
しかし前号で指摘したように、日銀法に基づいた臨時日銀会合の開催で“金利の下限拡大≒円買い圧力排除”の手段は更に高まったのではないか。
ドル円下値焦点は2/25安値111.885。下抜けた場合は2/24安値111.03と2/11安値110.985のダブルボトム圏が実質の最終橋頭堡と推考。上値焦点は2/19高値113.39と2/22高値113.40超。越えれば2/13高値114.34、2/17高値114.52、そして2/11安値110.98後の戻り最高値114.89が期待視されるだろう。
私見
今週は週前半に 111 円台前半をつけた後、反発の動きとなりました。G20 に対しての期待感もあったようですが、114 円まで付けて引けています。G20 では、日本のなりふり構わない「円安誘導」に対しての釘刺しがありました。まっとうな指摘ではないかと思います。夏の選挙までなんとしても日経とドル円を維持したい安倍政権ですが、市場原理からするとかなり無理があるのではないでしょうか。また、米国の大統領選挙の動きを見ていると、円安を許容している候補者はいません。
かつての「ジャパン・バッシング」ではないですが、中国だけではなく、米国からも逆風が吹き始めているのかな、という印象です。
来週ですが、G20 通過後の動きは正直読めないですねw
115 円近辺までは戻りがあるかもしれませんが、そこから突き抜けてドル高・円安、といいうトレンドに転換することはないと思っています。
予想 : 111.50 - 114.50