2026年1月第3週のドル円は、米当局によるレートチェック観測をきっかけに急落。来週(1/26〜1/30)はFOMCを控え、ドル高是正観測と日本の財政要因が交錯。
今週(2026年1月19日〜1月23日)のドル円相場の振り返り
今週のドル円相場は、157円台後半から159円台前半まで大きく振れる不安定な展開となった。
週初こそ米欧関係の緊張や地政学リスクを背景にドル売りが先行し、157円台半ばまで下落する場面があったものの、その後は日本の政局や債券市場の動きを材料に円売り圧力が再び強まり、158円台後半から159円台を試す動きとなった。
とくに21日以降は、日本の財政拡張を意識させる政治動向を受けて長期金利が上昇し、海外投資家による円売りが優勢となった。一方で、財務省および米財務省高官から市場に冷静さを求める発言が相次いだことで、ドル円は急落と反発を繰り返す荒い値動きとなった。
金曜日には日銀金融政策決定会合が開催された。事前の情報通り政策金利は据え置かれたが、それにより円安がさらに進行した。そのまま円安が続くかと思われたものの、夕方に伝わった「米当局がレートチェックを実施したとの観測」を受け、為替市場では「米国がドル高を警戒しているのではないか」との思惑が急速に広がり、ドル円は159円台から157円台半ばまで急落した。その後は158円前後まで戻したものの、NY時間でもその流れを引き継ぎ、大陰線を付け155.60で越週した。
ドル円急落の背景:米国の「レートチェック」観測とは何か
今回の急落の直接的な引き金となったのが、米国当局によるレートチェック観測である。レートチェックとは、当局が市場参加者に対して為替レートの水準を確認する行為を指し、必ずしも即座の為替介入を意味するものではない。しかし、市場では「将来的な介入やドル高是正への布石ではないか」と受け止められやすい。
とくに今回は、ドル円が159円台という高水準にあったこともあり、「米国側も過度なドル高を容認しないのではないか」との警戒感が一気に高まった。その結果、短期筋を中心にドルロングの巻き戻しが進み、急激な円高・ドル安が進行したと考えられる。
来週(2026年1月26日〜1月30日)の注目イベント
① FOMC(1月27日〜28日)
来週最大の注目材料は、1月27〜28日に開催されるFOMCである。市場では政策金利の変更は見込まれていないものの、声明文やパウエルFRB議長の会見内容が焦点となる。
事前の見方によると、
- 米国経済は成長が底堅い
- 雇用は減速傾向
- インフレ圧力は限定的
という「強弱が入り混じった状態」である。こうした環境下では、FRBが明確な利下げ時期を示すことは難しく、市場の利下げ期待が後退すればドルの買い戻しが入る可能性もある。
② FRB議長人事を巡る不透明感
来週は、次期FRB議長人事に関する報道にも注意が必要である。トランプ大統領が利下げに前向きな姿勢を示す人物を指名するとの観測が根強く、報道内容次第では、金利見通しが大きく変化し、ドル円相場のボラティリティが高まる可能性がある。
③ 日本の政治・財政リスク
日本では、総選挙を控えた財政拡張的な議論が続いており、
- 消費税引き下げ
- 積極財政
といったテーマが意識されやすい。これらは中長期的に円売り要因と捉えられやすく、ドル円の下値を支える要素となり得る。
テクニカル見通し
1月23日の米当局によるレートチェック観測がNY時間に入ってもくすぶり続けたことで、ドル円は日足ベースで大陰線を形成した。加えて、50日移動平均線を明確に下抜けたことから、テクニカル的にはいったん天井を打った可能性が高まっている。
目先の下値メドとしては、昨年12月の安値である154.34円が意識されやすい水準である。この水準を割り込むかどうかが、短期的な方向感を判断する上での重要な分岐点となろう。当面は、反発局面においても戻り売りが入りやすい地合いが想定される。
もっとも、円が売られやすいという中長期的な構図が大きく転換したわけではない。そのため、仮に154.34円を下抜けた場合でも、151円台半ば(151ミドル)では押し目買いが入りやすいと考えられる。日米金利差は足元でやや縮小しているものの、依然としてドル円のショートポジションには高いスワップコストがかかる。
この点を踏まえると、ドル円を売りで対応する場合は、深追いを避け、ある程度の水準でこまめに利食いを行う戦略が現実的であろう。
まとめ
今週のドル円相場は、米国のレートチェック観測という突発的な材料により急落する場面があり、改めて当局動向が相場を左右する局面であることを示した。来週はFOMCを控え、神経質な値動きが続く可能性が高い。
米金融政策の不透明感、日本の財政・政治リスクという複数の要因が交錯する中で、ドル円は大きなトレンドが出にくい一方、値幅は出やすい相場となろう。冷静なリスク管理を前提に、イベントごとの反応を丁寧に見極めたい週である。

