右肩上がりでガンガン上がっていた相場も、しばらくすると高値を更新できなくなっていき、やがてトレンドが転換していきます。相場は上昇する時よりも下落する時の方が勢いが強く、それまで買っていた参加者が一斉に損切りをすると大陰線を伴って大きく下落していきます。売りが売りを呼び、パニック...
右肩上がりでガンガン上がっていた相場も、しばらくすると高値を更新できなくなっていき、やがてトレンドが転換していきます。相場は上昇する時よりも下落する時の方が勢いが強く、それまで買っていた参加者が一斉に損切りをすると大陰線を伴って大きく下落していきます。売りが売りを呼び、パニック状態になってしまう事も少なくありません。
そんな時の相場格言があります。
落ちてくるナイフをつかむな、床に突き刺さったナイフを拾え。
急落時の安易な買い出動は、まさに落ちてくるナイフを手でつかむようなもので、
ナイフが床に落ちてから(底を打ってから)買い出動すべきだという意味です。
この格言ですが、ではナイフが床に落ちたのをどう確認すれば良いのでしょうか? なんとなく安くなったらという理由で買い出動して大きく損失を膨らませるトレーダーが後を絶ちません。
この記事では急落した相場が反転していく流れについて例示しています。落ちているナイフが止まったのを確認してから、ようやく手を出せる状態になるのです。
落ちたナイフの拾い方
まず、よくある失敗例から。
大きく下落してきたけど前回の安値付近からリバってきたので、ここらで買ってみよう、という感じです。
まだナイフは床に刺さっていませんでした…………。
早すぎました。
よく見ると「グランビルの法則にある移動平均線へのタッチで売り」なのです。移動平均線だけではなく、急落時の高値まで戻っていないし、この時点ではまだまだ売りが優勢。順張りは「売り」です。
全体としてはまだ下落しているものの、初動からすると値幅がだんだんと小さくなってきました。そして、大陽線が出現。20日移動平均線を大きく実体で抜けました。
この時、実は先行して、MACD の傾きが徐々に上に向いてきています。MACDの動きだけでは信頼性は低かったのですが、大陽線がトレンド転換の合図です。
ただ、この時点ではまだナイフは床に落ちてブンブンと揺れている状態です。トレンドが転換したとは言えないので、どちらかというと「売りは様子見? そろそろ全決済?」という段階です。「思いっきり買い出動!」という局面ではありません。よくコレを間違えて大損するトレーダーが多いです。
そして、ナイフが止まるのは MACD が 0 ラインを超えたタイミング。50日移動平均線にもタッチしています。このあたりから「もしかしたらトレンドが転換したのかもしれない。買い出動できるかも?」というシナリオに切り替えます。
最終的に、50日移動平均線を実体で超えたらトレンド転換です。ここからはもう売りではなく、買いから入れないかチャンスを探っていきます。