2018年8月第2週(8月6日~8月10日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年8月第2週(8月6日~8月10日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
一方、貿易摩擦の激化が警戒され、リスクオフの雰囲気も続く可能性が高い。この為、円も相応に強いと見込まれ、ドル高と円高を受けたクロス円の軟化が見込まれる。
ドル円の続伸も容易ではなく、7 月高値(113.18)更新のハードルは高いとみる。本邦の対外証券投資も下支えとなって、ドル円が大きく値下がりする地合いでもなかろうが、日米通商協議が株安や円高に波及するリスクには要注意だろう。
日銀の決定会合を通過
結果をどう解釈するかはやや難しいが、政策の修正を緩和政策の出口の始まりだと捉えられたくない、との日銀の思いは伝わってくる。
米国経済は依然として堅調ではあるが、通商摩擦の影響は皆無だとは言い難い。
米国の株式市場も一進一退である。アップル株の時価総額が 2 日、米国市場初の 1 兆ドルに乗せたことがニュースとなり、未だに華々しさもあるが、一方でネット企業を中心とする株式相場の下落も注目を集めるなど、通商摩擦のみが原因ではない何らかのピークアウト感が米国にもある。
中国経済には軟調な株式相場や人民元の下落といった不安材料が出ているが、米国は対中関税を一段と厳しくするとの方針を出しており、この米中対立が長期化すると、双方が大きな痛手を蒙ることになる、と改めて懸念される。
対欧州通貨ではM&Aがらみのフローが円の下落圧力を醸成する可能性がある。このところ堅調なユーロは欧州中央銀行(ECB)の債券再投資の可能性が話題となっており、ECB当局者からの関連発言があれば材料視される余地がある。
ドル/円相場は米国の制裁関税を挟んで小幅に上下動したあと、6日の欧州市場序盤までに110円半ばに下落、人民元は6.66元と元高方向に振れた。
「今後、米国と中国が表面的な落ち着きどころを探っていくのか、それとも、第2弾、第3弾と関税合戦が悪化するのか、来週はそれを見極める時間帯となりそうだ」とトウキョウフォレックス上田ハーロー営業推進室・室長の阪井勇蔵氏は言う。
ユーロの動向について、債券市場では欧州中央銀行(ECB)の債券再投資の可能性が話題になっている。ロイターは6月29日、量的緩和を年内で終了した後、借り入れコストを低水準に維持するため、来年以降の再投資でより長期の債券を購入することを検討していると報じた。
「ECB関連で新たなニュースが出て、独金利が低下すればユーロはやや売られやすい」(国内証券エコノミスト)という。
FRBが引き締めスタンスを取っている間は恐らく、米中貿易問題のエスカレートはドル高のシナリオなのであろう。習政権がどれだけ耐えられるか次第だが、この問題は長期化も予想されることから、FRBのスタンスに変更がない限りドル高が長期化する可能性もはらんでいる。
来週だが、米物価統計を中心に日本のGDPなどの発表が予定されている。経済指標の注目は米消費者物価であろう。
予想通りであれば、年内あと2回の利上げシナリオを追認する内容となろう。ただし、市場は既に織り込んでいることから、流れを新たに作るような反応にはならないであろう。
やはり中心は米中貿易問題であろう。トランプ大統領からノイズが発せられる可能性は十分にあり、その場合、一時的に円高の反応も想定されるが、ドル高が相殺し一時的な動きに留まる可能性も考えられる。
これらの状況を踏まえ、買戻しが入っているドル円は底堅い推移が持続することを期待する。緩やかではあるが、年初来高値の113.40円に向かって再び進むことを期待したい。
ドル円相場は、日銀 = 円高、という向きが多かったためか、ショートポジションを踏み上げて上昇しました。
週末にかけてはやや弱含んだものの、ドル強気の流れは、今後も継続するものと思われます。
ドル円は、テクニカル的にも上昇の流れを継続させています。
ただ、勢いが落ちてたことから、もみ合う時間帯に入りつつあるかもしれません。
ドル円に関しては、しっかりと利食いをしていく戦略をとる必要があるかもしれません。
経済指標一覧(日本時間)
8/6(月)
- 休場:加、豪
- 特に重要な経済指標の発表なし
8/7(火)
- 13:30(豪) 豪準備銀行 政策金利発表
8/8(水)
- 未定(中) 7月 貿易収支
- 14:00(日) 7月 景気ウォッチャー調査
8/9(木)
- 06:00(NZ) ニュージーランド準備銀行 政策金利
- 21:30(米) 7月 卸売物価指数
8/10(金)
- 08:50(日) 4-6月期 四半期実質国内総生産(GDP)
- 17:30(英) 4-6月期 四半期実質国内総生産(GDP)
- 21:30(加) 7月 新規雇用者数、失業者数
- 21:30(米) 7月 消費者物価指数(CPI)
ドル円予想レンジ
三菱UFJ銀行
FOREX WEEKLY
予想レンジ:110.00 - 113.00
日銀会合後に上昇した予想実質金利
来週は米株式相場が堅調に推移する限り、ドルも底堅く推移すると見込まれる。その場合、ドル円も小じっかりと推移しよう。一方、貿易摩擦の激化が警戒され、リスクオフの雰囲気も続く可能性が高い。この為、円も相応に強いと見込まれ、ドル高と円高を受けたクロス円の軟化が見込まれる。
ドル円の続伸も容易ではなく、7 月高値(113.18)更新のハードルは高いとみる。本邦の対外証券投資も下支えとなって、ドル円が大きく値下がりする地合いでもなかろうが、日米通商協議が株安や円高に波及するリスクには要注意だろう。
三井住友銀行
FOREX WEEKLY
予想レンジ:110.80 - 112.00
日銀の決定会合を通過
- 日銀は政策調整を行なうと同時に、フォワード・ガイダンスの導入により緩和強化を図った。
- FOMC は利上げ継続の方針で不変。通商摩擦への懸念は FOMC 声明文には表明されず。
- 中国経済の先行き懸念と同時に米国にもやや翳りが見える。米中通商摩擦の長期化はリスクが高い。
結果をどう解釈するかはやや難しいが、政策の修正を緩和政策の出口の始まりだと捉えられたくない、との日銀の思いは伝わってくる。
米国経済は依然として堅調ではあるが、通商摩擦の影響は皆無だとは言い難い。
米国の株式市場も一進一退である。アップル株の時価総額が 2 日、米国市場初の 1 兆ドルに乗せたことがニュースとなり、未だに華々しさもあるが、一方でネット企業を中心とする株式相場の下落も注目を集めるなど、通商摩擦のみが原因ではない何らかのピークアウト感が米国にもある。
中国経済には軟調な株式相場や人民元の下落といった不安材料が出ているが、米国は対中関税を一段と厳しくするとの方針を出しており、この米中対立が長期化すると、双方が大きな痛手を蒙ることになる、と改めて懸念される。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:109.50 - 112.00
米中貿易摩擦の落ち着きどころ探る展開
来週の外為市場で、ドル/円は米中貿易摩擦の落ち着きどころを探る展開となりそうだ。対欧州通貨ではM&Aがらみのフローが円の下落圧力を醸成する可能性がある。このところ堅調なユーロは欧州中央銀行(ECB)の債券再投資の可能性が話題となっており、ECB当局者からの関連発言があれば材料視される余地がある。
ドル/円相場は米国の制裁関税を挟んで小幅に上下動したあと、6日の欧州市場序盤までに110円半ばに下落、人民元は6.66元と元高方向に振れた。
「今後、米国と中国が表面的な落ち着きどころを探っていくのか、それとも、第2弾、第3弾と関税合戦が悪化するのか、来週はそれを見極める時間帯となりそうだ」とトウキョウフォレックス上田ハーロー営業推進室・室長の阪井勇蔵氏は言う。
ユーロの動向について、債券市場では欧州中央銀行(ECB)の債券再投資の可能性が話題になっている。ロイターは6月29日、量的緩和を年内で終了した後、借り入れコストを低水準に維持するため、来年以降の再投資でより長期の債券を購入することを検討していると報じた。
「ECB関連で新たなニュースが出て、独金利が低下すればユーロはやや売られやすい」(国内証券エコノミスト)という。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:110.50 - 113.00
しばらくドル高の流れ継続か
今週は日銀、FOMC、英中銀、米雇用統計など重要イベント目白押しの週となったが結局、ドル高の流れを確認した週であっただろう。FRBが引き締めスタンスを取っている間は恐らく、米中貿易問題のエスカレートはドル高のシナリオなのであろう。習政権がどれだけ耐えられるか次第だが、この問題は長期化も予想されることから、FRBのスタンスに変更がない限りドル高が長期化する可能性もはらんでいる。
来週だが、米物価統計を中心に日本のGDPなどの発表が予定されている。経済指標の注目は米消費者物価であろう。
予想通りであれば、年内あと2回の利上げシナリオを追認する内容となろう。ただし、市場は既に織り込んでいることから、流れを新たに作るような反応にはならないであろう。
やはり中心は米中貿易問題であろう。トランプ大統領からノイズが発せられる可能性は十分にあり、その場合、一時的に円高の反応も想定されるが、ドル高が相殺し一時的な動きに留まる可能性も考えられる。
これらの状況を踏まえ、買戻しが入っているドル円は底堅い推移が持続することを期待する。緩やかではあるが、年初来高値の113.40円に向かって再び進むことを期待したい。
私見
久しぶりに日銀が材料視
予想レンジ:110.50 - 112.50日銀の金融政策決定会合では、政策の微調整による銀行への配慮、そして、フォワード・ガイダンスによる異次元緩和の継続の再確認をマーケットに再確認させることに成功しました。丁寧にマーケットと向き合った姿勢は評価できます。
ドル円相場は、日銀 = 円高、という向きが多かったためか、ショートポジションを踏み上げて上昇しました。
週末にかけてはやや弱含んだものの、ドル強気の流れは、今後も継続するものと思われます。
ドル円は、テクニカル的にも上昇の流れを継続させています。
ただ、勢いが落ちてたことから、もみ合う時間帯に入りつつあるかもしれません。
ドル円に関しては、しっかりと利食いをしていく戦略をとる必要があるかもしれません。