2018年6月第3週(6月11日~6月15日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年6月第3週(6月11日~6月15日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
主要通貨の相対的な位置関係
来週は日米およびユーロ圏にて、金融政策を決定する会合を控える。加えて、米朝首脳会談など重要なイベントが目白押しだ。さらに、重要な経済指標も数多く控えている。それぞれの材料を踏まえて、神経質な相場展開が見込まれる。
しかし、金融政策の正常化を切り口とした各通貨間の相対的な位置関係の見極めが重要だろう。最近の動きを振り返ると、4 月中旬以降、ドル高が再燃した最大の要因は、英国やユーロ圏の金融政策正常化機運の後退だ。
市場の注目は、そのECB理事会よりも早く開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に集まる。しかし、6 月の利上げは既に確実視されており、それだけではドル高材料にはなりにくい。ドル高をもたらすとすれば、政策金利の予想分布図、いわゆるドットチャートだろう。足もとでは、米国の経済指標に好転の動きもみられ、今回は4 回へ上方修正される可能性が高い。
12 日にシンガポールで米朝首脳会談が予定されている。ここで、朝鮮戦争の終結宣言が出されるほか、米朝対話継続の方向性が示されるなど、非核化プロセスにも前進がみられると、市場もリスクオンで反応しそうだ。さらに、日朝首脳会談開催の可能性も浮上すれば、日本では雰囲気的には株高と円安との反応がみられそうだ。
最大の注目点は12─13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。市場で確実視されている利上げの有無はもちろん、参加者の金利見通しも焦点となる。
続いて注目度が急上昇してきたのが、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会。ハト派で知られるプラート専務理事が、今回の理事会で債券買い入れの年内終了を討議すると述べるなど、タカ派的と受け止められる発言が理事会メンバーから相次いでいる。
ユーロは対ドル、対円ともに、イタリアで金利が急騰する以前の水準へ値を回復。ドイツ国債金利も切り返しが鮮明で「米との金利差が縮小し、ユーロ高/ドル安が促されている。当面は2月以降の下げ幅の38.2%戻しにあたる1.19ドル台への反発局面か」(シティグループ証券チーフFXストラテジストの高島修氏)との指摘もある。
12日の米朝首脳会談も円高リスクを意識させるイベントだ。今回の会談のみで北朝鮮の非核化に道筋が付く可能性は低いとされる。事態不変のまま継続協議となれば、事前期待の裏返しが株安や円高圧力となる可能性もある。
13日のFOMC結果発表だが、利上げは確実視されており、注目はFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)とパウエルFRB議長の会見であろう。今回を含めて年内あと3回の利上げの可能性を示唆してくるか注目となる。現在、市場では今回は確実なほか、9月については65%程度の確率で織り込んでいる。マクロのエコノミストの予想ではもう少し高い。足元の米指標からはFRBが弱気になる必要は無いが、12月もとなると、まだ可能性は低いように個人的には考えている。
もし、次の日のECB理事会次第ではドルは底堅いものの、意外に上値が重く膠着した相場展開も想定される。
今週のドル円は110円台前半に来ている200日線に顔合わせしたが、その後は上値を拒まれている。来週も底堅さは堅持するかもしれないが、上値抵抗も強く膠着した相場展開も予想される。
FOMC の利上げが織り込み済みということは、その付近で利食いが出やすく、ドル円の上昇を阻む可能性がありそうです。
ドル円予想 : 109.00 - 110.50
経済指標一覧(日本時間)
6/11(月)
- 特に重要な経済指標の発表なし
6/12(火)
- 未定(米)FOMC(米連邦公開市場委員会・一日目)
- 17:30(英)5月 失業保険申請件数、失業率
- 21:30(米)5月 消費者物価指数(CPI)
6/13(水)
- 27:00(米)FOMC(米連邦公開市場委員会) 政策金利発表
- 27:30(米)パウエル FRB 議長 定例記者会見
6/14(木)
- 未定(日) 日銀 金融政策決定会合
- 20:45(欧) 欧州中央銀行(ECB) 政策金利発表
- 21:30(欧) ドラギ欧州中央銀行(ECB) 総裁 定例記者会見
- 21:30(米) 5月 小売売上高
6/15(金)
- 米メジャーSQ
- 未定(日) 日銀 金融政策決定会合 政策金利発表
- 15:30(日) 黒田日銀総裁 定例記者会見
- 18:00(欧) 5月 消費者物価指数(HICP)
- 22:15(米) 5月 鉱工業生産
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:107.00 - 111.00
主要通貨の相対的な位置関係
来週は日米およびユーロ圏にて、金融政策を決定する会合を控える。加えて、米朝首脳会談など重要なイベントが目白押しだ。さらに、重要な経済指標も数多く控えている。それぞれの材料を踏まえて、神経質な相場展開が見込まれる。しかし、金融政策の正常化を切り口とした各通貨間の相対的な位置関係の見極めが重要だろう。最近の動きを振り返ると、4 月中旬以降、ドル高が再燃した最大の要因は、英国やユーロ圏の金融政策正常化機運の後退だ。
市場の注目は、そのECB理事会よりも早く開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)に集まる。しかし、6 月の利上げは既に確実視されており、それだけではドル高材料にはなりにくい。ドル高をもたらすとすれば、政策金利の予想分布図、いわゆるドットチャートだろう。足もとでは、米国の経済指標に好転の動きもみられ、今回は4 回へ上方修正される可能性が高い。
12 日にシンガポールで米朝首脳会談が予定されている。ここで、朝鮮戦争の終結宣言が出されるほか、米朝対話継続の方向性が示されるなど、非核化プロセスにも前進がみられると、市場もリスクオンで反応しそうだ。さらに、日朝首脳会談開催の可能性も浮上すれば、日本では雰囲気的には株高と円安との反応がみられそうだ。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:108.00 - 111.00
重要イベント集中、突発的な円高警戒
来週の外為市場では、日米欧中銀会合や米朝首脳会談など相次ぐ重要イベントが相場に大きな影響を与えそうだ。結果的に市場の緊張感が高まり、リスク回避ムードが円高圧力となる可能性もあるだけに、注意が必要だ。最大の注目点は12─13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。市場で確実視されている利上げの有無はもちろん、参加者の金利見通しも焦点となる。
続いて注目度が急上昇してきたのが、14日の欧州中央銀行(ECB)理事会。ハト派で知られるプラート専務理事が、今回の理事会で債券買い入れの年内終了を討議すると述べるなど、タカ派的と受け止められる発言が理事会メンバーから相次いでいる。
ユーロは対ドル、対円ともに、イタリアで金利が急騰する以前の水準へ値を回復。ドイツ国債金利も切り返しが鮮明で「米との金利差が縮小し、ユーロ高/ドル安が促されている。当面は2月以降の下げ幅の38.2%戻しにあたる1.19ドル台への反発局面か」(シティグループ証券チーフFXストラテジストの高島修氏)との指摘もある。
12日の米朝首脳会談も円高リスクを意識させるイベントだ。今回の会談のみで北朝鮮の非核化に道筋が付く可能性は低いとされる。事態不変のまま継続協議となれば、事前期待の裏返しが株安や円高圧力となる可能性もある。
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:108.50 - 110.50
ファンダメンタルズに意識を戻せるか注目も
来週だが、重要イベント目白押しの週だ。週明けはG7サミットの反応、12日は米朝首脳会談、そして、FOMC、ECB理事会と続く。週末に日銀決定会合もあるがこちらは無風であろう。13日のFOMC結果発表だが、利上げは確実視されており、注目はFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)とパウエルFRB議長の会見であろう。今回を含めて年内あと3回の利上げの可能性を示唆してくるか注目となる。現在、市場では今回は確実なほか、9月については65%程度の確率で織り込んでいる。マクロのエコノミストの予想ではもう少し高い。足元の米指標からはFRBが弱気になる必要は無いが、12月もとなると、まだ可能性は低いように個人的には考えている。
もし、次の日のECB理事会次第ではドルは底堅いものの、意外に上値が重く膠着した相場展開も想定される。
今週のドル円は110円台前半に来ている200日線に顔合わせしたが、その後は上値を拒まれている。来週も底堅さは堅持するかもしれないが、上値抵抗も強く膠着した相場展開も予想される。
私見
イベント盛りだくさんの週となりますが、すべて織り込み済みといった印象を受けます。FOMC の利上げが織り込み済みということは、その付近で利食いが出やすく、ドル円の上昇を阻む可能性がありそうです。
また、期待感で上昇している分、突発的なニュースにはひどく反応するリスクもあります。リスク管理はしっかりとしたいところ。
ユーロが戻り局面に入ってきていますが、これが伸びていくのかどうかにも注目です。
ユーロ円は動き出すとけっこう美味しい動きをするので。
ドル円予想 : 109.00 - 110.50