2018年4月第4週(4月30日~5月4日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年4月第4週(4月30日~5月4日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
上値追いは108円台までか
財務省が 19 日に発表したデータによれば、本邦勢の 4/8~14 における対外証券投資の内、株式・投資ファンド持分は 3 週続けての買い越し、中長期債も 3 週ぶりの買い越しに転じた。
こうした傾向が今週も継続していたとすれば、じり高に推移したドル円の動きにも合点がいく。3 月下旬の 105 円割れでの潜伏時間が極めて短かった上、安値 104.56 からドル円は既に 3 円以上も反発している。こうした値動きを踏まえれば、投資家の間ではドル円上昇への期待も膨らみやすいだろう。
こうしたことを踏まえると、来週のドル円は専ら円の需給緩和を主因に、引き続きドルの戻り高値を試しそうだ。108 円台を回復する可能性も大いにあるだろう。
足もとの米長期金利の上昇にも要注意だ。先述の通り、19 日はひとまずドル円のサポート要因となったが、米長期金利は市場の混乱を招いた2 月当時の水準に再接近。本邦投資家も多く保有するドイツや英国の国債利回りも上昇に転じている。こうした傾向が続けば、世界的な株式相場の下落や本邦勢の中長期債の売り越しを誘発しかねない。いずれも円高要因として機能する可能性が高いだろう。
市場の関心は節目を上抜けた米10年金利が上昇を維持するか、これまでのレンジ内へ再び戻るかに集まっている。テクニカル的には14年1月の3.04%を明確に上抜けるとレンジ切り上げの公算が高まるといい、そうなればドル買いも加速しやすい。
当面最大の注目イベントは、来週にも行われる見通しのムニューシン米財務長官の訪中。トランプ大統領は「合意にこぎ着ける可能性は大いにある」と楽観姿勢だが、市場では「米中間選挙までに片が付くとは想定しがたい」(機関投資家)と、つばぜり合いがしばらく続くとの見方が大勢。交渉が難航すれば、中国の米国債売り懸念が米金利を押し上げる可能性も出てくる。
日本は大型連休期間に入るが、米国では経済イベントが目白押し。FRB議長会見は予定されていないもののFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される他、米4月雇用統計の発表が控える。雇用統計では非農業部門雇用者数の増加や失業率の低下が予想されており、良好な結果となれば米追加利上げペースの加速観測が再浮上し、日・欧金融政策との方向性の違いが意識される中でドルをサポートしそうだ。
チャート上でドル・円は、心理的フシ目となる1ドル=110円台の上乗せをうかがう展開。その後は2月高値110円47円(2月2日)の上抜けが焦点となる。下方向では、米金利急伸前にもみ合った107円前後がメド。
その水準ではそれなりに売られるとは思われますが、そこで再びレンジに戻るのか、それともさらに上値を追っていくのかを見極める必要があります。
本邦勢は GW に突入し、東京時間は極めて流動性のない時間が続くと思われます。よほどの悪いニュースでも無い限りは値動きのない週となりそうですね。
そんな中でも FOMC や 雇用統計が控えており、無理なポジションメイクをしない方が勝つ、という「休むも相場」を地で行くことになります。
ドル円予想 : 107.60 - 111.00
経済指標一覧(日本時間)
4/30(月)
- 21:30(米) 3月 個人消費支出(PCEコア・デフレーター)
- 22:45(米) 4月 シカゴ購買部協会景気指数
5/01(火)
- 13:30(豪) 豪準備銀行 政策金利発表
- 21:30(加) 2月 月次国内総生産(GDP)
- 23:00(米) 4月 ISM 製造業景況指数
5/02(水)
- 18:00(欧) 1-3月期 四半期域内総生産(GDP)
- 21:15(米) 4月 ADP 雇用統計
- 27:00(米) FOMC 政策金利発表
5/03(木)
- 18:00(欧) 4月 消費者物価指数(HICP)
- 23:00(米) 4月 ISM非製造業景況指数
5/04(金)
- 21:30(米) 4月 非農業部門雇用者数変化(雇用統計)
- 21:30(米) 4月 失業率
- 21:30(米) 4月 平均時給
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:106.25 - 108.75
上値追いは108円台までか
財務省が 19 日に発表したデータによれば、本邦勢の 4/8~14 における対外証券投資の内、株式・投資ファンド持分は 3 週続けての買い越し、中長期債も 3 週ぶりの買い越しに転じた。こうした傾向が今週も継続していたとすれば、じり高に推移したドル円の動きにも合点がいく。3 月下旬の 105 円割れでの潜伏時間が極めて短かった上、安値 104.56 からドル円は既に 3 円以上も反発している。こうした値動きを踏まえれば、投資家の間ではドル円上昇への期待も膨らみやすいだろう。
こうしたことを踏まえると、来週のドル円は専ら円の需給緩和を主因に、引き続きドルの戻り高値を試しそうだ。108 円台を回復する可能性も大いにあるだろう。
足もとの米長期金利の上昇にも要注意だ。先述の通り、19 日はひとまずドル円のサポート要因となったが、米長期金利は市場の混乱を招いた2 月当時の水準に再接近。本邦投資家も多く保有するドイツや英国の国債利回りも上昇に転じている。こうした傾向が続けば、世界的な株式相場の下落や本邦勢の中長期債の売り越しを誘発しかねない。いずれも円高要因として機能する可能性が高いだろう。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:105.00 - 108.00
来週のドルは底堅い展開か、米金利高が支え リスクは株安
ドル/円は底堅い動きとなりそうだ。4年ぶりに3%台へ乗せてきた米10年債利回りが支えとなる見通しで、新年度入りした国内機関投資家の対外投資に対する期待も強い。ただ、金利急騰や米中通商交渉などをきっかけに株価が調整へ転じれば、一転してリスクオフ的な円高が進む可能性もある。市場の関心は節目を上抜けた米10年金利が上昇を維持するか、これまでのレンジ内へ再び戻るかに集まっている。テクニカル的には14年1月の3.04%を明確に上抜けるとレンジ切り上げの公算が高まるといい、そうなればドル買いも加速しやすい。
当面最大の注目イベントは、来週にも行われる見通しのムニューシン米財務長官の訪中。トランプ大統領は「合意にこぎ着ける可能性は大いにある」と楽観姿勢だが、市場では「米中間選挙までに片が付くとは想定しがたい」(機関投資家)と、つばぜり合いがしばらく続くとの見方が大勢。交渉が難航すれば、中国の米国債売り懸念が米金利を押し上げる可能性も出てくる。
モーニングスター
来週の東京外国為替市場見通し
予想レンジ:107.00 - 111.00
ドル円は米中貿易戦争懸念の後退と朝鮮半島の地政学リスク緩和で下げ渋る展開か
ドル・円は当面、3%近傍にある米長期金利の動向をにらんだ展開が続く。日本は大型連休期間に入るが、米国では経済イベントが目白押し。FRB議長会見は予定されていないもののFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される他、米4月雇用統計の発表が控える。雇用統計では非農業部門雇用者数の増加や失業率の低下が予想されており、良好な結果となれば米追加利上げペースの加速観測が再浮上し、日・欧金融政策との方向性の違いが意識される中でドルをサポートしそうだ。
チャート上でドル・円は、心理的フシ目となる1ドル=110円台の上乗せをうかがう展開。その後は2月高値110円47円(2月2日)の上抜けが焦点となる。下方向では、米金利急伸前にもみ合った107円前後がメド。
私見
北朝鮮の地政学リスクが後退し、ドル円は 5 週連続の陽線となりました。戻りを試しているところですが、心理的な節目である 110 円が近づいてきました。その水準ではそれなりに売られるとは思われますが、そこで再びレンジに戻るのか、それともさらに上値を追っていくのかを見極める必要があります。
本邦勢は GW に突入し、東京時間は極めて流動性のない時間が続くと思われます。よほどの悪いニュースでも無い限りは値動きのない週となりそうですね。
そんな中でも FOMC や 雇用統計が控えており、無理なポジションメイクをしない方が勝つ、という「休むも相場」を地で行くことになります。
ドル円予想 : 107.60 - 111.00