2018年1月 第2週(1月8日~12日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年1月 第2週(1月8日~12日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
足もとの好調な米経済指標、税制改革法案(減税)の成立、高値更新が続く米国の株式相場などを勘案すれば、高官から 3 月利上げを示唆する発言がきかれても不思議ではない。その場合、多少ドル高円安が進む場面もみられよう。
しかし、以下の理由を考慮すれば、その程度も限られよう。
まず、①既に 3 月の利上げは約 8 割織り込みが進んでおり、一段の織り込み余地は限界的だ。②そもそも利上げ織り込みが高まる局面(例えば昨年 9 月以降)でもドルは上がらないかドル安が進んできた。③利上げ織り込みや短期ゾーンの金利に代わって、長期金利が羅針盤となっているが、その長期金利上昇が阻まれていることだ。
この為、ドル円を展望する上で、しばらく注目されるのは、市場を取り巻く環境や本邦サイドの事情から生じる円安要因だ。突発的な悪材料が出なければ、リスクオンの地合いが継続し、来週も円がやや売られやすい地合いが続く可能性が高い。
また、騰勢が続く日経平均株価、年末以降にじわりと上昇した原油価格などを映じ、日本の期待インフレも上昇。円の予想実質金利の低下がドル円を下支えする構図となりそうだ。
以上を踏まえると、ドル円は米ドルが軟調に推移する結果、上値が重いと見込まれるものの、円も軟調な値動きが見込まれる為、来週もクロス円が堅調に推移すると考えられる。
また、先週末まで連日の最高値更新となった株価が引き続き上昇となるのか、または失速するのかにも注目したい。
そして、12日には米国の消費者物価指数、小売売上高の発表が予定されており、特に年末商戦の小売業の売り上げが 2011年以来 6年ぶりの高い伸びとなったことから、小売売上高に対する期待感も出ていることから、結果には注目したい。
ドル/円ではドルと円の弱さが拮抗(きっこう)して、全般的なドル安にドル/円相場が出遅れているが、これが週後半の米小売売上高や米CPIなどの景気指標、地政学リスク、ロシアゲートの捜査といった材料で修正されるかが焦点となる。
一方、ユーロの強さは際立っている。ユーロは4日に1.2089ドルと昨年9月以来の高値を付け、ユーロ/円は136.37円と2015年10月21日以来、2年3カ月ぶりの高値を付けた。英ポンド/円、豪ドル/円の強さも目立つ。
トウキョウフォレックス上田ハーローの阪井勇蔵氏は「クロス円については年末から急ピッチで上昇してきているので、特段の材料が無くても、調整が入りやすい。ただし、1.2ドル台を維持しているユーロの上昇基調に変わりはないとみている」と述べ、投機筋はドル/円で値幅が出ないため、クロス円にシフトしている可能性があるとした。
テクニカル的にもやや上昇基調に戻りつつあるように見えますが、どちらにも動きづらい雰囲気もあります。
クロス円の動きの方が大きく、ユーロ円と豪ドル円の伸びが大きく目立っているため、一旦の調整を待って押し目を狙ってポジションを作っていく感じでしょうか。
予想 : 112.00 - 113.50
経済指標一覧(日本時間)
1/8(月)日本休場
- 19:00(欧) 11月 小売売上高
1/9(火)
- 16:00(独) 11月 鉱工業生産,貿易収支,経常収支
- 19:00(欧) 11月 失業率
1/10(水)
- 18:30(英) 11月 鉱工業生産指数
1/11(木)
- 09:30(豪) 11月 小売売上高
- 21:30(欧) ECB 理事会議事要旨 ☆☆
- 22:30(米) 12月 卸売物価指数(PPI)
1/12(金)
- オプションSQ
- 22:30(米) 12月 消費者物価指数,12月 小売売上高 ☆☆
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:112.00 - 114.00
ドルも円も弱くクロス円じり高か
来週は、多くの米FRB高官の発言機会を控えている。足もとの好調な米経済指標、税制改革法案(減税)の成立、高値更新が続く米国の株式相場などを勘案すれば、高官から 3 月利上げを示唆する発言がきかれても不思議ではない。その場合、多少ドル高円安が進む場面もみられよう。
しかし、以下の理由を考慮すれば、その程度も限られよう。
まず、①既に 3 月の利上げは約 8 割織り込みが進んでおり、一段の織り込み余地は限界的だ。②そもそも利上げ織り込みが高まる局面(例えば昨年 9 月以降)でもドルは上がらないかドル安が進んできた。③利上げ織り込みや短期ゾーンの金利に代わって、長期金利が羅針盤となっているが、その長期金利上昇が阻まれていることだ。
この為、ドル円を展望する上で、しばらく注目されるのは、市場を取り巻く環境や本邦サイドの事情から生じる円安要因だ。突発的な悪材料が出なければ、リスクオンの地合いが継続し、来週も円がやや売られやすい地合いが続く可能性が高い。
また、騰勢が続く日経平均株価、年末以降にじわりと上昇した原油価格などを映じ、日本の期待インフレも上昇。円の予想実質金利の低下がドル円を下支えする構図となりそうだ。
以上を踏まえると、ドル円は米ドルが軟調に推移する結果、上値が重いと見込まれるものの、円も軟調な値動きが見込まれる為、来週もクロス円が堅調に推移すると考えられる。
SBI Liquidity Market
週間マーケット展望
予想レンジ:112.50 - 113.75
ドル円
今週は、底固い動きが予想される。先週末に発表された米雇用統計では、雇用者数の伸びが予想を下回る結果となったものの、金利先物市場では 3月の FOMCでの利上げ予想確率は依然として 80%を上回っている。そのため、底固い動きが続く可能性が考えられる。また、先週末まで連日の最高値更新となった株価が引き続き上昇となるのか、または失速するのかにも注目したい。
そして、12日には米国の消費者物価指数、小売売上高の発表が予定されており、特に年末商戦の小売業の売り上げが 2011年以来 6年ぶりの高い伸びとなったことから、小売売上高に対する期待感も出ていることから、結果には注目したい。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:111.50 - 113.50
株高続けばリスクオン、円とドルの弱さ比べ
世界的な株高を背景にリスクオンムードが広がる新年の金融市場では、ドルと円が両方売られやすく、ユーロが上昇する局面が来週も続きそうだ。ドル/円ではドルと円の弱さが拮抗(きっこう)して、全般的なドル安にドル/円相場が出遅れているが、これが週後半の米小売売上高や米CPIなどの景気指標、地政学リスク、ロシアゲートの捜査といった材料で修正されるかが焦点となる。
一方、ユーロの強さは際立っている。ユーロは4日に1.2089ドルと昨年9月以来の高値を付け、ユーロ/円は136.37円と2015年10月21日以来、2年3カ月ぶりの高値を付けた。英ポンド/円、豪ドル/円の強さも目立つ。
トウキョウフォレックス上田ハーローの阪井勇蔵氏は「クロス円については年末から急ピッチで上昇してきているので、特段の材料が無くても、調整が入りやすい。ただし、1.2ドル台を維持しているユーロの上昇基調に変わりはないとみている」と述べ、投機筋はドル/円で値幅が出ないため、クロス円にシフトしている可能性があるとした。
私見
年初から雇用統計でしたが、やや下振れしたものの 113 円を維持して越週しています。テクニカル的にもやや上昇基調に戻りつつあるように見えますが、どちらにも動きづらい雰囲気もあります。
クロス円の動きの方が大きく、ユーロ円と豪ドル円の伸びが大きく目立っているため、一旦の調整を待って押し目を狙ってポジションを作っていく感じでしょうか。
予想 : 112.00 - 113.50