2018年1月 第4週(1月22日~26日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2018年1月 第4週(1月22日~26日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
この内、ECBはフォワードガイダンス変更に向けた議論を開始するだろう。ECBの正常化が意識され、相対的なドル安が連想されそうだ。しかし、急激なユーロ高を避けたいとの思惑から、記者会見でのドラギ総裁は、慎重に正常化を進める姿勢を強調するだろう。この為、積極的な正常化を想定する向きの失望を誘う面もあり、ユーロ高(ドル安)は限定的とみる。
一方の日銀も来週の金融政策決定会合では、明るさを増す景況感を背景に、金融政策の現状維持を決めるだろう。注目は、黒田総裁の記者会見か。9日の長期国債の買い入れオペ減額の真意を問う質問が寄せられよう。しかし、黒田総裁の任期到来を4月に控え、人事の不確実性や政策の連続性に対する市場の疑念が台頭しかねないこのタイミングで、敢えて日銀が正常化を企図するとは考えられない。
黒田総裁もこうした見方を真っ向から否定し、ひとまず日銀が起点となって円が全面高となった事象の幕引きを試みよう。
来週のドル円は下げ渋りこそすれ、依然として上値も重いと予想する。一方、米国の政府機関閉鎖の可能性に一定の注意が必要だ。連邦予算の期限切れが19日に迫るなか、メインシナリオはつなぎ予算が成立し、政府機関閉鎖は回避されるものだ。
仮に、政府機関閉鎖となれば、一時的にせよ110円を超えてドル安円高が進む場面もみられよう。もっとも、中間選挙を見据え、政府機関閉鎖は共和党はもちろん民主党にとっても政治的なダメージが大きい。政府機関閉鎖は短期間で解消し、ドル安円高トレンドの起点となるイベントにまでは至らないだろう。
今週は、上値の重い動きが予想される。米地区連銀報告で良好な米国経済が報告されたが、先週発表された米国の経済指標は軒並み低調だったことから、今週の発表される経済指標結果が注目されている。
今週も冴えない結果が続くようなら、ドルの一段の下落の可能性も考えられる。また、日銀の量的金融緩和縮小の思惑があることから、週序盤の日銀の金融政策決定会合の結果や、黒田総裁の会見での発言にも注目したい。
最大の注目点は欧州中央銀行(ECB)理事会。早期の政策変更を期待したユーロ買いが年初から優勢となる中、ロイターは16日に、今回の理事会で資産買い入れに関する文言の変更はない見通しと報道した。足元でユーロ高は一服となっている。
理事会で、実際に目立った文言の変更がなく、市場の期待を抑え込むようなハト派的な情報発信があれば、ユーロは一段と反落に向かう公算が高い。米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、投機筋のユーロ買い持ちは過去最大に膨らんでいる。
ECB幹部らから通貨高をけん制する発言が増えてきたことにも留意が必要だ。
一方の日本でも、日銀が今月9日に国債買い入れオペを一部減額したことを受け、市場で海外勢を中心に政策変更観測が急速に台頭。そうした見方に冷淡な国内勢を尻目に、18年度の成長率を上方修正するとの見通しが報じられると再び円が買い仕掛けられるなど、一部参加者の間で先走る期待はやや過熱気味だ。円が4カ月ぶり高値に買い上げられる原動力となった。
黒田東彦総裁が記者会見で、そうした投機筋の思惑の修正に成功すれば、円は反落の公算が高まる。110円台より円高水準では国内投資家勢の円売り需要が強いとされることも、円高の歯止めになり得そうだ。
週明けは窓開け下落からスタートしそうですが、その後の動きに注目です。
ドル円はジリジリと売られ、上昇する力があまりありません。ただ、売り仕掛けても大きく下落してしまうこともなく、売り圧力は大きいものの、買わなければならない向き(実需)による買上げが定期的に入ってくるため、方向感がなく、入りづらい展開となっているように見えます。
海外勢は日銀の動向に警戒をしているという声もあるようですが、日本人の感覚からすると、このタイミングでどうこうということは無いと思います。
今週の主役はユーロでしょうか。
こちらも、Sell in Fact には注意が必要です。
ドル円予想 : 109.50 - 111.90
経済指標一覧(日本時間)
1/22(月)
- 未定(日) 日銀・金融政策決定会合(一日目)
1/23(火)
- 世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議,~ 26日)
- 未定(日) 日銀 金融政策決定会合・政策金利発表
1/24(水)
- 08:50(日) 12月 貿易統計
- 18:00(欧) 1月 製造業購買担当者景気指数(PMI)
- 18:30(英) 12月 失業率
1/25(木)
- 06:45(NZ) 10-12月期 四半期消費者物価(CPI)
- 21:45(欧) ECB 政策金利
- 22:30(欧) ドラギ ECB 総裁 定例記者会見
- 24:00(米) 12月 新築住宅販売件数
1/26(金)
- 08:30(日) 12月 全国消費者物価指数(CPI)
- 08:50(日) 日銀 金融政策決定会合議事要旨
- 18:30(英) 10-12月期 四半期実質国内総資産(GDP・速報)
- 22:30(米) 10-12月期 四半期実質国内総資産(GDP・速報)
ドル円予想レンジ
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:109.50 - 112.50
下げ渋るも上値重く
来週は、欧州中央銀行(ECB)の理事会と日銀の金融政策決定会合を控える。この内、ECBはフォワードガイダンス変更に向けた議論を開始するだろう。ECBの正常化が意識され、相対的なドル安が連想されそうだ。しかし、急激なユーロ高を避けたいとの思惑から、記者会見でのドラギ総裁は、慎重に正常化を進める姿勢を強調するだろう。この為、積極的な正常化を想定する向きの失望を誘う面もあり、ユーロ高(ドル安)は限定的とみる。
一方の日銀も来週の金融政策決定会合では、明るさを増す景況感を背景に、金融政策の現状維持を決めるだろう。注目は、黒田総裁の記者会見か。9日の長期国債の買い入れオペ減額の真意を問う質問が寄せられよう。しかし、黒田総裁の任期到来を4月に控え、人事の不確実性や政策の連続性に対する市場の疑念が台頭しかねないこのタイミングで、敢えて日銀が正常化を企図するとは考えられない。
黒田総裁もこうした見方を真っ向から否定し、ひとまず日銀が起点となって円が全面高となった事象の幕引きを試みよう。
来週のドル円は下げ渋りこそすれ、依然として上値も重いと予想する。一方、米国の政府機関閉鎖の可能性に一定の注意が必要だ。連邦予算の期限切れが19日に迫るなか、メインシナリオはつなぎ予算が成立し、政府機関閉鎖は回避されるものだ。
仮に、政府機関閉鎖となれば、一時的にせよ110円を超えてドル安円高が進む場面もみられよう。もっとも、中間選挙を見据え、政府機関閉鎖は共和党はもちろん民主党にとっても政治的なダメージが大きい。政府機関閉鎖は短期間で解消し、ドル安円高トレンドの起点となるイベントにまでは至らないだろう。
SBI Liquidity Market
週間マーケット展望
予想レンジ:109.50 - 111.88
ドル円
先週は、週明け米国市場が休場となったものの、前週からの円買いの流れを引き継ぎ、序盤から軟調な動きが続いた。日銀の量的金融緩和縮小の思惑や、中国の外貨準備に関する報道をきっかけに、ドル買いポジションの調整が引き続き進んだ。今週は、上値の重い動きが予想される。米地区連銀報告で良好な米国経済が報告されたが、先週発表された米国の経済指標は軒並み低調だったことから、今週の発表される経済指標結果が注目されている。
今週も冴えない結果が続くようなら、ドルの一段の下落の可能性も考えられる。また、日銀の量的金融緩和縮小の思惑があることから、週序盤の日銀の金融政策決定会合の結果や、黒田総裁の会見での発言にも注目したい。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:109.50 - 112.00
来週のドル/円は下値余地、米指標や株価に関心
来週の外為市場では、年初来続いてきたドル全面安が一服となる公算がある。日欧中銀が今年最初の会合で、先走る市場の政策変更期待を抑制し、ドル安の一方で進んできた円やユーロの上昇にいったん歯止めがかかりやすくなる可能性があるためだ。最大の注目点は欧州中央銀行(ECB)理事会。早期の政策変更を期待したユーロ買いが年初から優勢となる中、ロイターは16日に、今回の理事会で資産買い入れに関する文言の変更はない見通しと報道した。足元でユーロ高は一服となっている。
理事会で、実際に目立った文言の変更がなく、市場の期待を抑え込むようなハト派的な情報発信があれば、ユーロは一段と反落に向かう公算が高い。米商品先物取引委員会(CFTC)の最新データによると、投機筋のユーロ買い持ちは過去最大に膨らんでいる。
ECB幹部らから通貨高をけん制する発言が増えてきたことにも留意が必要だ。
一方の日本でも、日銀が今月9日に国債買い入れオペを一部減額したことを受け、市場で海外勢を中心に政策変更観測が急速に台頭。そうした見方に冷淡な国内勢を尻目に、18年度の成長率を上方修正するとの見通しが報じられると再び円が買い仕掛けられるなど、一部参加者の間で先走る期待はやや過熱気味だ。円が4カ月ぶり高値に買い上げられる原動力となった。
黒田東彦総裁が記者会見で、そうした投機筋の思惑の修正に成功すれば、円は反落の公算が高まる。110円台より円高水準では国内投資家勢の円売り需要が強いとされることも、円高の歯止めになり得そうだ。
私見
残念ながら米予算は失効しました。週明けは窓開け下落からスタートしそうですが、その後の動きに注目です。
ドル円はジリジリと売られ、上昇する力があまりありません。ただ、売り仕掛けても大きく下落してしまうこともなく、売り圧力は大きいものの、買わなければならない向き(実需)による買上げが定期的に入ってくるため、方向感がなく、入りづらい展開となっているように見えます。
海外勢は日銀の動向に警戒をしているという声もあるようですが、日本人の感覚からすると、このタイミングでどうこうということは無いと思います。
今週の主役はユーロでしょうか。
こちらも、Sell in Fact には注意が必要です。
ドル円予想 : 109.50 - 111.90