2017年9月第3週(9月18日~22日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017年9月第3週(9月18日~22日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
市場は先週のリスク回避の雰囲気から一変した。米株式市場は最高値更新、週末には円安と、市場のリスク許容度が回復している可能性も見られている。
来週だが、注目はFOMCであろう。金融危機以降、約4.5兆ドルに膨らんだバランスシートの縮小開始が発表される可能性が高い。
ただし、その辺は既に織り込み済みで、注目はFOMCメンバーの金利見通しと、FOMC経済見通し、そして、イエレン議長の会見であろう。特にFOMCメンバーの金利見通しは最注目であろう。
来週はFOMCにて追加利上げへの慎重な姿勢が垣間見られる結果、ドル円は上値が重かったり、やや軟調な値動きをたどると予想する。
特に、8 月下旬以降、200 日移動平均線の降下が始まっており、ドル円は弱気相場入りした可能性も疑われる。また、北朝鮮情勢を巡る緊張が高まる場面では、依然としてドル円が下押しされる場面もありそうだ。但し、先週 107 円台まで下落したものの、緊張が和らいだ場面ですぐさま 110 円台を回復するなど、日米の金融政策の格差を根拠とする円安観測も燻っているとみられる。
需給面をみても、期末を控えた本邦勢の円買い需要が相応に見込まれる一方、潜在的な円売りフローである対外直接投資や証券投資も活発と見込まれる。総じてみれば、来週のドル円は明確な方向感も出にくいと予想する。
14日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)が良好な内容だったことで、米国の年内利上げ期待がやや高まった。きょうの小売売上高や来週の住宅関連指標が良い内容なら、FOMCへの期待も膨らみそうだ。
FOMCは、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長をはじめとする当局者が、インフレや米経済の先行き、ハリケーンの影響などについてどのような見方を示すのか注目される。
20─21日は日銀が金融政策決定会合を開くが、イベント視されていない。先行きの物価が2%の目標に向けて上昇率を高めていくモメンタムは維持されているとの見方が大勢で、金融政策は現状維持になりそうだ。
筆者が注視したのは1点。北朝鮮の蛮行に憤りを覚える一方で、市場の感応度の耐久化、若しくはリスクオフの円買い仕掛けを見透かして、逆張り買い(ドル買い円売り)の好機と捉えた動きが見受けられたことだ。
日本政府によると、9/15午前6時57分に平壌近郊からミサイル発射、7時16分に襟裳岬東方2200キロの海上に落下とされる。この間、約20分。一方、ドル円初期反応は110円前半から109円半ばへと「有事の円買い」を見せるも、午前7時5分頃には110円台に回帰。値幅は約50銭、僅か「5分間」の動意だった。
■9/18週テーマは原点回帰の日米金融政策
不測事態の想定放棄は戒めるべきだが、筆者は市場テーマが金融政策に回帰する可能性を読んでいる。9/20にFOMC連邦公開市場員会、そして9/21に日銀の金融政策会合がある。
ドル円上値焦点は一目均衡表雲の帯(110.43-111.61)、7/27高値111.72。超えれば200日推移圏や7/26高値112.22期待。
下値焦点は9/12安値109.23。割れたら週足雲下限108.43、9/11安値108.15を推考。
テクニカル的にも、107 円に突破した時間はまだ短く、下を掘り進めるにももう少し日柄が必要なのかもしれません。FOMC に向けてドル円は上昇する可能性はありますが、それでも積極的にドルを買っていく流れというわけではなさそうです。
予想 : 108.60 - 112.00
経済指標一覧(日本時間)
09/18(月)日本休場(敬老の日)
- 18:00(欧) 8月 消費者物価指数(HICP 改定値)☆☆
- 24:00(英) カーニー BOE 総裁 発言
09/19(火)
- 未定 (米) FOMC(一日目)
- 10:30(豪) 豪準備銀行 金融政策会合議事要旨
- 21:30(米) 8月 住宅着工件数,建設許可件数
09/20(水)
- 未定 (日) 日銀金融政策決定会合(一日目)
- 17:30(英) 8月 小売売上高指数
- 27:00(米) FOMC 政策金利発表 ☆☆☆
- 27:30(米) イエレン FRB 議長 定例記者会見 ☆☆
09/21(木)
- 未定 (日) 日銀金融政策決定会合 政策金利発表 ☆☆
- 未定 (南ア) 南アフリカ準備銀行 政策金利発表 ☆☆
- 15:30(日) 黒田 日銀総裁 定例記者会見 ☆☆
- 23:00(欧) ドラギ ECB 総裁 発言
09/22(金)
- 特に重要な経済指標結果の発表なし
ドル円予想レンジ
Klug FX
とれんど捕物帳
予想レンジ:109.50 - 112.50
FOMC次第ではリスク許容度の更なる改善も期待
この連休中に日本列島には台風が来襲しようとしているが、今週の相場のほうは台風一過とった感じであったであろう。市場は先週のリスク回避の雰囲気から一変した。米株式市場は最高値更新、週末には円安と、市場のリスク許容度が回復している可能性も見られている。
来週だが、注目はFOMCであろう。金融危機以降、約4.5兆ドルに膨らんだバランスシートの縮小開始が発表される可能性が高い。
ただし、その辺は既に織り込み済みで、注目はFOMCメンバーの金利見通しと、FOMC経済見通し、そして、イエレン議長の会見であろう。特にFOMCメンバーの金利見通しは最注目であろう。
三菱東京UFJ銀行
FX Weekly
予想レンジ:108.75 - 111.75
FOMCはドル安を誘うか
来週のドル円も引き続き軟調な値動きが見込まれる。来週はFOMCにて追加利上げへの慎重な姿勢が垣間見られる結果、ドル円は上値が重かったり、やや軟調な値動きをたどると予想する。
特に、8 月下旬以降、200 日移動平均線の降下が始まっており、ドル円は弱気相場入りした可能性も疑われる。また、北朝鮮情勢を巡る緊張が高まる場面では、依然としてドル円が下押しされる場面もありそうだ。但し、先週 107 円台まで下落したものの、緊張が和らいだ場面ですぐさま 110 円台を回復するなど、日米の金融政策の格差を根拠とする円安観測も燻っているとみられる。
需給面をみても、期末を控えた本邦勢の円買い需要が相応に見込まれる一方、潜在的な円売りフローである対外直接投資や証券投資も活発と見込まれる。総じてみれば、来週のドル円は明確な方向感も出にくいと予想する。
ロイター
来週の外為市場
予想レンジ:109.00 - 112.00
ドル/円は堅調地合い、FOMCで買い強まるか=来週の外為市場
来週の外為市場でドル/円は、堅調地合いが継続しそうだという。北朝鮮の示威行動には耐性がつきつつある。米連邦公開市場委員会(FOMC)で年内利上げ期待が高まれば、112円台をうかがう展開も予想される。14日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)が良好な内容だったことで、米国の年内利上げ期待がやや高まった。きょうの小売売上高や来週の住宅関連指標が良い内容なら、FOMCへの期待も膨らみそうだ。
FOMCは、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長をはじめとする当局者が、インフレや米経済の先行き、ハリケーンの影響などについてどのような見方を示すのか注目される。
20─21日は日銀が金融政策決定会合を開くが、イベント視されていない。先行きの物価が2%の目標に向けて上昇率を高めていくモメンタムは維持されているとの見方が大勢で、金融政策は現状維持になりそうだ。
岡三オンライン証券
武部力也の週間為替相場見通し
予想レンジ:109.20 - 112.00
「北ミサイル5分間」VS「イエレン・黒田の2日間」
■北朝鮮の蛮行に立ち向かう市場筆者が注視したのは1点。北朝鮮の蛮行に憤りを覚える一方で、市場の感応度の耐久化、若しくはリスクオフの円買い仕掛けを見透かして、逆張り買い(ドル買い円売り)の好機と捉えた動きが見受けられたことだ。
日本政府によると、9/15午前6時57分に平壌近郊からミサイル発射、7時16分に襟裳岬東方2200キロの海上に落下とされる。この間、約20分。一方、ドル円初期反応は110円前半から109円半ばへと「有事の円買い」を見せるも、午前7時5分頃には110円台に回帰。値幅は約50銭、僅か「5分間」の動意だった。
■9/18週テーマは原点回帰の日米金融政策
不測事態の想定放棄は戒めるべきだが、筆者は市場テーマが金融政策に回帰する可能性を読んでいる。9/20にFOMC連邦公開市場員会、そして9/21に日銀の金融政策会合がある。
ドル円上値焦点は一目均衡表雲の帯(110.43-111.61)、7/27高値111.72。超えれば200日推移圏や7/26高値112.22期待。
下値焦点は9/12安値109.23。割れたら週足雲下限108.43、9/11安値108.15を推考。
私見
地政学的リスクももはや「下で拾う」という流れができつつあります。市場は今のところはまだ北朝鮮問題はテールリスクであるという証拠なのかもしれません。テクニカル的にも、107 円に突破した時間はまだ短く、下を掘り進めるにももう少し日柄が必要なのかもしれません。FOMC に向けてドル円は上昇する可能性はありますが、それでも積極的にドルを買っていく流れというわけではなさそうです。
予想 : 108.60 - 112.00