2017年6月第三週(12日から15日)の、ドル円相場の予想と主要な経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
経済指標一覧(日本時間)
06/12(月)
- 08:50(日) 4月 機械受注
- 27:00(米) 5月 月次財政支出
06/13(火)
- 未定:FOMC 一日目
- 17:30(英) 5月 消費者物価指数(CPI),5月 小売物価指数(RPI),5月 卸売物価指数
- 18:00(欧) 4月 小売売上高
06/14(水)
- 未定:英中銀金融政策委員会(MPC)一日目
- 21:30(米) 5月 消費者物価指数(CPI)
- 21:30(米) 5月 小売売上高
- 27:00(米) FOMC 政策金利
- 27:30(米) イエレン FRB 議長 定例記者会見
06/15(木)
- 未定:日銀 金融政策決定会合 一日目
- 07:45(NZ) 1-3月期 四半期国内総生産(GDP)
- 20:00(スイス) スイス国立銀行3ヶ月物銀行間取引金利誘導目標中央値
- 20:00(英) イングランド銀行(BOE)金利発表
- 20:00(英) 英中銀資産買取プログラム規模 ★★
- 20:00(英) 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨 ★★
- 21:30(米) 6月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
- 21:30(米) 6月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
06/16(金)米メジャーSQ
- 未定・日銀金融政策決定会合 政策金利発表
- 15:30(日) 黒田日銀総裁 定例記者会見 ★★
今週のドル円予想レンジ予想
KlugFX:109.50 - 112.50
とれんど捕物帳 (2017/06/10)
あえてハッピーシナリオを描くと
来週だが、最注目はFOMCであろう。利上げは確実視されており、市場も十分に織り込んでいる。驚きは無いであろう。注目は経済見通しや、FOMCメンバーの金利見通しになるものと思われる。ただ現時点でFRBは、あくまで正常化の過程という認識に立っているものと思われる。上げられるうちに上げて置けば、後々の余力に繋がる。基本的にはこれまでのスタンスに変化はないものと予想している。
FOMCは最注目のイベントだが、個人的には、FOMCと同日に発表される5月の米消費者物価(CPI)にも注目したい。このところ市場にはインフレ期待を後退させる向きも出始めており、長期ゾーンの米国債利回りの低下に繋がっている。それがドル円を圧迫している要因と言ってもよいであろう。
あえてドル円のロング勢にとってハッピーシナリオを描くと、ここで2.0%か2.1%を見せてくれれば、かなり“ほっとした感”に繋がる。そして、午後のFOMCでタカ派スタンスに変化がなければ、もしかするとドル円はロフテッド軌道を描いて上に飛んで行くかもしれない。もっとも、落ちるときは音速の10倍らしいが!
いずれにしろ、来週はどうなるか楽しみな週ではある。スタンスはやや強気。
モーニングスター:109.00 - 113.00
来週の東京外国為替市場見通し (2017/06/09)
FOMC受けた米利上げペースに関心
注目は13-14日のFOMC(米連邦公開市場委員会)。市場では、今回の利上げはほぼ織り込み済み。焦点は今後の利上げペースの動向に移るが、ヒントとなるのがイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見内容とメンバーによる政策金利見通しだ。日本では15-16日に日銀金融政策決定会合が開催される。金融政策の変更はないと予想されるが、景気判断に関しポジティブな見方がなされた場合は、リスクオンの動きとなりやすい。
英選挙やコミーFBI前長官の議会証言など、リスク要因の多かった週を乗り越え、ドル・円は回復基調にある。目先は200日移動平均の110円44銭程度を上回れるかどうか。ただ、この水準を突破しても13週線の111円17銭近辺、26週線の112円96銭近辺が上値抵抗線として意識され、ドル・円上昇への障壁は多い。
ロイター:108.50 - 111.80
来週の外為市場(2017/06/09)
来週はFOMC待ち、資産縮小の工程表示されるかが焦点
来週の外為市場でドル/円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ち。0.25%ポイントの利上げはほぼ織り込み済みだが、米連邦準備理事会(FRB)が年内にも着手するとみられるバランスシート(B/S)縮小について、工程表が示されれば株安/ドル安のリスクが高まり、逆に示されなければ株高/ドル高に振れる可能性がある。ただ、北朝鮮問題、ロシアゲート問題、中東情勢の緊張などのリスク要因は継続しており、ドルの上値は重そうだ。ユーロについては、欧州中央銀行(ECB)の理事会で、フォワードガイダンスを巧みに修正し、早期利上げ観測は後退した。
岡三オンライン証券:108.10 - 112.50
武部力也の週間為替相場見通し(2017/06/09)
月米利上げ後の空気を読む局面
FRBの金融政策目標は連邦準備法(Federal Reserve Act)で定められており、いわゆる「最大雇用」、「安定した物価目標」が二つの使命とされている。しかし、「低い長期金利」も掲げられているのはあまり知られていない。これらを踏まえて焦点はひとつ。4月個人消費支出・実質物価指数が前年同月比で2月以降、伸び率が鈍化している点だ。同指数の鈍化、下落傾向パターンは2016年4月から3カ月間続いた時以来である。FRBの使命はもとより、慎重なイエレン議長が気にしそうなデータではないか。
シカゴFEDウォッチを見ると、6/14のFOMC利上げ確率は90%以上で、市場は利上げを既に織り込んでいる。しかし、その後の利上げ時期は不透明で、12月FOMCでの利上げ確率は38.2%(6/9時点)。6/14FOMCでは緩やかな利上げの継続と物価情勢を注視する姿勢との整合性に要警戒だ。
6/12週のドル円上値焦点は、200日線、日足一目均衡表雲上下100.40-111.80-112.10を仰ぎ見る格好で5/24高値112.13、5/17欧米時間下落前の戻り高値圏112.50-55、5/17高値113.12が期待値。下値焦点は6/8安値109.39、6/7安値109.10。下抜けたら4/21-20安値圏108.875-72、4/18-19安値圏108.37-31、4/17安値108.11。割れたら2016/11/09 トランプラリー開始からの61.8%戻し107.865留意。
三菱東京UFJ銀行:108.25~111.75
FX Weekly(2017/06/09)
FOMC後の軟化を見込む
来週は、米FOMC(連邦公開市場委員会)、日銀の金融政策決定会合を控えている。この内、米FOMCでは金融危機後 4 度目となる利上げがほぼ確実視されており、ドル円上昇期待も高まっている。ただ、以下の理由により、ドル円の上値は重く、小幅下落して週末を迎えると予想する。
来週のFOMCにおける利上げは、既に市場で織り込み済みとなっている。従って、ドル円の続伸には、各参加者の政策金利予想分布図によって、利上げペースが加速するとの見方が示される必要がある。今回は従来以上に各参加者ともバランスシート(B/S)の縮小を念頭に置きながら予想を立てると考えられる。
足もとでは、利上げペースの加速を要するほど物価上昇圧力が高まっているわけではなく、トランプ政権の税制改革も実現の見込みは低い。この為、利上げペースの加速が示される可能性は極めて低いだろう。
来週は日銀も 15~16 日にかけて金融政策決定会合を開催する。今回は、経済・物価情勢の展望(いわゆる展望レポート)の公表もない為、政策変更はないだろう。ただ、既に日銀のバランスシート規模が 500 兆円を突破したタイミングでもあり、記者会見では正常化に対する質問が多数寄せられよう。これまで、黒田総裁は時期尚早であるとし、出口へ向かう意思の有無を含め、極めて曖昧な対応に終始してきた。
こうした中、今週 8 日、日銀が出口政策に関してその「時期尚早」との姿勢を「対話重視」へ改めるとの観測報道を受け、ドル円が約 50 銭下落する場面がみられた。仮に、来週の会合でこうした姿勢の変化が実際にみられれば、ドル円への下押しとなる可能性が高い。
ただ、米FRBでさえ、初めて正常化に関して合意した「正常化の原則(Exit Strategy Principles」の公表(11 年 6 月)から、実際の正常化の第一歩まで 2 年以上を要した3。未だに物価上昇への道筋が見えない日本において、仮に黒田総裁が出口戦略に言及した場合も、その影響はひとまず一時的なものにとどまろう。
私見
ドル円はイベントをこなし、窓を締めて反発をしています。週足で見ると非常に長い下ヒゲを付けていますが、まだ上昇トレンドに回帰できていないことは間違いないです。大きなイベントは FOMC の利上げとなりますが、これは既に織り込み済みとなっており、今後さらに上昇できるかどうかはイエレン議長の定例記者会見から読み解くことになります。
ただし、様々なリスク要因もあるため、上値はそれなりに重くなるでしょう。
また、さすがにそろそろ株高に対しての警戒感も高まっており、高騰が続くビットコインの崩壊と同じく株総崩れというシナリオも囁かれています。そのタイミングがいつなのかは誰もわかりませんが、上昇トレンドに復帰できなかった場合は再び 108 円を攻めに行ってもおかしくありません。
慎重なポジション管理と資産管理が必要になる週だと思われます。
予想 : 108.20 - 111.80