2017 年 2 月 第二週(3月6日から10日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017 年 2 月 第二週(3月6日から10日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
ドル・円は2日に5日移動平均線と25日移動平均線がミニ・ゴールデンクロス(GC)を達成。3月利上げ観測が強まるなか、堅調な推移を見せている。
ドル・円の上値のめどは1月19日の高値115円62銭を意識して1ドル=116円ちょうど。下値のめどは2月28日の安値111円68銭への意識から1ドル=112円ちょうどとしたい。
トランプ米大統領の議会演説を無難に通過し、市場のテーマは米国の利上げに移っている。今週はダドリー・ニューヨーク連銀総裁やブレイナードFRB理事などから早期利上げを示唆する発言が続き、3月利上げの織り込みは8割程度まで上昇した。
来週はブラックアウト期間(FOMC前に政策関連の発言が禁止される期間)となるため、基本的にFRB高官の発言から情報は得られない。各種経済指標や米国の株価、金利の動向などを確認しながらの取引になるとみられる。
次回のFOMC(14~15日)の前に発表される2月雇用統計(10日)がよほど冴えない結果とならない限り、次回3月利上げの可能性が極めて濃厚となる。
こうした利上げ観測に支えられ、来週のドル円は総じて底堅く推移しよう。とは言え、イエレンFRB議長が複数回の利上げの意向をみせた2月中旬の議会証言後、ドル円は直後の予想比良好な米経済指標にも後押しされた絶好の上値トライの場面で115円乗せを阻まれた(2/15の高値114.95)。
結局その後、111円台まで反落しており、ドル円は底堅い一方、上値も重いとの見方が強い。仮に1月30日以来の115円台乗せが実現する場合も、相応の売り圧力が被さると見込まれ、続伸はそれほど容易ではないだろう。
加えて、足もとではセッションズ米司法長官が選挙期間中、駐米ロシア大使と面会していた件を巡り、民主党が辞任を迫っている。ただでさえ閣僚指名が遅れているトランプ政権にとって、フリン氏に告ぐ辞任との見方が強まれば、株高に象徴されるトランプラリーが冷や水を浴びることにもなりかねず、反落にも一定の警戒を要する。
①「米国第一主義」に変化がないこと
筆者は“排外主義的な地産地消策“と解釈。結果、輸入関税を引き上げ、輸入物価や賃金の上昇圧力が強まり、インフレ圧力に転ずる、と読む。但し、輸入価格上昇は家計の購買力低下、消費の重石となる公算が高い。
②方針の具体策が霞んでいたために3月中旬に議会提出される予算教書の行方
巨額な減税・インフラ投資は共和党の懸念する財政赤字拡大に繋がるため、調整の難航を想像。
③拡張的な財政政策に対するFRBの利上げタイミング
3/15のFOMCに注目だ。予測不能ながらもトランプ施策はインフレ加速リスク、として“FRBは後手を避けるための予防利上げ”とした見方が強まるかもしれない。シカゴFEDウオッチは前号指摘時点と逆転。3/2時点での3/15利上げ確率は75.3%にまで上昇している。
3/6週ドル円は日足一目均衡表「変化日」とされるネジレ形成が発生。上値焦点は1/30、2/15高値圏114.97、115円節目。そして1/20、27高値圏115.40。超えれば1/19高値115.635視野で1/11以来の116円台期待視。
下値焦点は3/2安値113.71、3/1の114円示現後の戻り安値113.465。割れると113円台維持、3/1安値112.75意識。2/28終盤にFRB幹部らから3月利上げに前向きな発言が相次いで急上昇した112.30-70価格帯を最終拠点と推考。
目先の注目は 3 月の雇用統計ですが、「往って来い」を予想します。
利上げを控える中、大口のオーダーで右往左往しても、結局はレンジに収束するのではないかと思われます。
テクニカル的には、雲に阻まれて下落をし始めて越週しました。
メインシナリオは、週前半は 112 前半か半ばをターゲットに下落。そこから再び反発し、FOMC 週に 115 をトライ→突破。115 を突破すると、上昇余地が広がる可能性もあります。
トレンドが強いシナリオとしては、週前半に落ちなかった場合。115 を超えて上昇が広がる可能性は低いでしょうが、高い位置で停滞して FOMC 週を迎えることになります。
リスクシナリオとしては、111 前半まで落ちてしまった場合。週の引けがそのあたりだとちょっと波乱があるかもしれません。
予想 : 111.50 - 115.00
経済指標一覧(日本時間)
03/06(月)
- 24:00 (米) 1 月 製造業新規受注
03/07(火)
- 12:30 (豪) 豪準備銀行 政策金利発表
- 19:00 (欧) 10-12 月期 四半期国内総生産(GPD)
- 22:30 (米) 1 月 貿易収支
- 29:00 (米) 1 月 消費者信頼残高
03/08(水)
- 未定 (中) 2 月 貿易収支
- 08:50 (日) 10-12 月期 四半期実質国内総生産 ★★
- 15:00 (日) 1 月 景気ウォッチャー調査 現状判断 DI
- 21:00 (米) MBA 住宅ローン申請件数
- 22:30 (米) 2 月 ADP 雇用統計 ★★
03/09(木)
- 10:30 (中) 2 月 消費者物価指数(CPI)
- 21:45 (欧) ECB 政策金利 ★★★
- 22:30 (欧) ドラギ ECB 総裁 定例記者会見
- 22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
03/10(金)
- 22:30 (米) 2 月 非農業部門雇用者数変化 ★★★
- 22:30 (米) 2 月 失業率 ★★★
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
イエレンFRB議長講演、米2月雇用統計に注目
112 .00 - 116.00
来週の東京外国為替市場見通し (2017/03/03 18:24)目先の焦点は、現地3日に予定されるイエレンFRB議長の講演。タカ派的な発言が相次ぐなか、3月利上げを肯定するかどうか要注目。3月利上げを完全肯定せずとも、その後、良好な経済指標が続けば、利上げ期待は自ずと高まろう。
ドル・円は2日に5日移動平均線と25日移動平均線がミニ・ゴールデンクロス(GC)を達成。3月利上げ観測が強まるなか、堅調な推移を見せている。
ドル・円の上値のめどは1月19日の高値115円62銭を意識して1ドル=116円ちょうど。下値のめどは2月28日の安値111円68銭への意識から1ドル=112円ちょうどとしたい。
ロイター
来週の外為市場はドル/円は底堅い、米3月利上げ期待が支えに
113.00 - 116.00
来週の外為市場 (2017/03/03 16:13)来週の外為市場で、ドル/円は底堅く推移しそうだ。米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受けて米国の3月利上げ期待が高まっており、今晩のイエレン議長の講演内容次第では115円台に上昇する可能性がある。ただ、高値では短期筋の利益確定や実需筋のドル売りが上値を抑える可能性も指摘されている。
トランプ米大統領の議会演説を無難に通過し、市場のテーマは米国の利上げに移っている。今週はダドリー・ニューヨーク連銀総裁やブレイナードFRB理事などから早期利上げを示唆する発言が続き、3月利上げの織り込みは8割程度まで上昇した。
来週はブラックアウト期間(FOMC前に政策関連の発言が禁止される期間)となるため、基本的にFRB高官の発言から情報は得られない。各種経済指標や米国の株価、金利の動向などを確認しながらの取引になるとみられる。
三菱東京UFJ銀行
115 円台回復あっても続伸は容易ではない
112.50 - 115.50
FX Weekly(2017/03/03)2/28の日本時間夕刻に発行したFXMonthly3月号では、次回の利上げ時期として従来通り6月と予想した(その次は12月)。しかし、3月の利上げ織り込みが急上昇した状態を承知の上、さらにイエレンFRB議長、フィッシャーFRB副議長が3日の講演で同調すれば、これはもう確信犯的な3月利上げに向けた地ならしメッセージとみるべきだ。
次回のFOMC(14~15日)の前に発表される2月雇用統計(10日)がよほど冴えない結果とならない限り、次回3月利上げの可能性が極めて濃厚となる。
こうした利上げ観測に支えられ、来週のドル円は総じて底堅く推移しよう。とは言え、イエレンFRB議長が複数回の利上げの意向をみせた2月中旬の議会証言後、ドル円は直後の予想比良好な米経済指標にも後押しされた絶好の上値トライの場面で115円乗せを阻まれた(2/15の高値114.95)。
結局その後、111円台まで反落しており、ドル円は底堅い一方、上値も重いとの見方が強い。仮に1月30日以来の115円台乗せが実現する場合も、相応の売り圧力が被さると見込まれ、続伸はそれほど容易ではないだろう。
加えて、足もとではセッションズ米司法長官が選挙期間中、駐米ロシア大使と面会していた件を巡り、民主党が辞任を迫っている。ただでさえ閣僚指名が遅れているトランプ政権にとって、フリン氏に告ぐ辞任との見方が強まれば、株高に象徴されるトランプラリーが冷や水を浴びることにもなりかねず、反落にも一定の警戒を要する。
岡三オンライン証券
『朧月夜(おぼろづきよ)』にドル円可動域を探る展開
112.70 - 116.00
武部力也の週間為替相場見通し(2017/03/03)3/1、トランプ米大統領は今後1年間の施政方針を議会で演説。筆者が気になったのは3点。
①「米国第一主義」に変化がないこと
筆者は“排外主義的な地産地消策“と解釈。結果、輸入関税を引き上げ、輸入物価や賃金の上昇圧力が強まり、インフレ圧力に転ずる、と読む。但し、輸入価格上昇は家計の購買力低下、消費の重石となる公算が高い。
②方針の具体策が霞んでいたために3月中旬に議会提出される予算教書の行方
巨額な減税・インフラ投資は共和党の懸念する財政赤字拡大に繋がるため、調整の難航を想像。
③拡張的な財政政策に対するFRBの利上げタイミング
3/15のFOMCに注目だ。予測不能ながらもトランプ施策はインフレ加速リスク、として“FRBは後手を避けるための予防利上げ”とした見方が強まるかもしれない。シカゴFEDウオッチは前号指摘時点と逆転。3/2時点での3/15利上げ確率は75.3%にまで上昇している。
3/6週ドル円は日足一目均衡表「変化日」とされるネジレ形成が発生。上値焦点は1/30、2/15高値圏114.97、115円節目。そして1/20、27高値圏115.40。超えれば1/19高値115.635視野で1/11以来の116円台期待視。
下値焦点は3/2安値113.71、3/1の114円示現後の戻り安値113.465。割れると113円台維持、3/1安値112.75意識。2/28終盤にFRB幹部らから3月利上げに前向きな発言が相次いで急上昇した112.30-70価格帯を最終拠点と推考。
私見
FOMC 高官の発言により、3 月利上げは確定とも言える状況になっています。ただし、上値では相当厚い売りが待ち構えており、115 円は相当厚い壁であることが再確認されました。目先の注目は 3 月の雇用統計ですが、「往って来い」を予想します。
利上げを控える中、大口のオーダーで右往左往しても、結局はレンジに収束するのではないかと思われます。
テクニカル的には、雲に阻まれて下落をし始めて越週しました。
メインシナリオは、週前半は 112 前半か半ばをターゲットに下落。そこから再び反発し、FOMC 週に 115 をトライ→突破。115 を突破すると、上昇余地が広がる可能性もあります。
トレンドが強いシナリオとしては、週前半に落ちなかった場合。115 を超えて上昇が広がる可能性は低いでしょうが、高い位置で停滞して FOMC 週を迎えることになります。
リスクシナリオとしては、111 前半まで落ちてしまった場合。週の引けがそのあたりだとちょっと波乱があるかもしれません。
予想 : 111.50 - 115.00