2017 年 3 月 第四週(3月20日から24日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
2017 年 3 月 第四週(3月20日から24日)の、ドル円相場の予想と経済指標のまとめから、マーケットの見通しを考察します。
一方日本では、大阪・豊中市の元の国有地をめぐる問題で、学校法人の森友学園の籠池理事長が23日に国会に証人喚問される見通し。この問題では与野党と対立が深まっている他、安倍政権への影響も出始めており、政局の不透明感がリスクオフにつながる可能性もあるため注意したい。
ドル・円の予想レンジは1ドル=111円50銭-115円00銭としたい。イエレン議長が金融政策の判断材料として雇用を特に重視している点から、21-24日の週は幕間つなぎでドル・円はもみ合いとなりそう。
ロイターが入手したG20共同声明草案では「あらゆる保護主義に反対する」とのこれまでの文言が削除され、代わりに「公正で開かれた国際通商システムを維持する」となっており、米国の意向を色濃く反映したものとなっている。
また草案では「競争的な通貨切り下げを回避し、競争目的で為替をターゲットとしない」との文言も消え、「従来の為替相場のコミットメントを再確認する」となっている。
ユーロが既に上がり始めたことに鑑みれば、「共同声明の変化が極端であれば、円が最初に買われやすい」(FX会社)との意見も出ている。
「米連邦公開市場委員会(FOMC)が事前の期待より緩やかな利上げペースを想定していたことで、一気に目線が下がった印象がある」とトウキョウフォレックス上田ハーローの阪井勇蔵氏は述べ、110円を超える円高は想定し難いものの、「ドルは対ユーロや英ポンドでも弱く、立ち直るにはある程度時間が必要だ」とみている。
その点、ドル円続伸に必要なのは、利上げペース加速との見方が意識されることだ。それも、株式相場への重しとならないことが条件となる(株安⇒円高となるため)。
ただ、米FRBは物価や賃金の強い伸びが確認されない限り、トランプ政権の政策が見えるまで経済見通し(即ち、利上げペース)を大きくは変えないだろう。今週、115 円台での上値の重さを再確認したこともあり、ドル円はしばらく上値の重い時間帯が続く公算が大きい。
来週は、トランプ政権に対する期待の象徴である米国株式相場が変調をきたす場合や、20 ヶ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)声明から市場がドル安を嗅ぎ取った場合などのドル安に警戒が必要とみる。
大統領就任から満 2 ヶ月を迎える。そろそろ期待先行による株式相場の上昇に一服感が出始めても不思議ではないだろう。実際、利ざや拡大や規制緩和への期待から相場全体を牽引してきた金融セクターでも上昇一服感が出始めている。
イエレン議長はこの先、利上げペースを速める意図はない、追加利上げは「緩やかに」留まる事を強調した。
筆者が警戒を覚えたのは2つ。ひとつは3/16午後、金融政策決定会合を終えた日銀黒田総裁が「金利差だけで為替を予測しても当たらない」と発言したこと。米政権による円安誘導批判に反論した格好だが、わざわざ言う必要はなかったのでないか。財務省出身での矜持か。
二つ目は3/16夜、学校法人『森友学園』を巡っての証人喚問が与野党合意で3/23衆参予算委員(午前、午後各2時間)で行われることが決定したことだ。
東証3月第2週(3/6~10)投資部門別株式売買状況において、約70%を占める海外投資家はこの手の政治リスクに敏感である。投機的な日本株売りに伴う円買い仕掛けに対し、安倍政権の盤石性を鑑みた本邦勢からの逆張り(日本株買い/ドル買い円売り)場面も想像しておきたい。
3/20週ドル円上値焦点は日足一目均衡表雲帯上下限113.43-115.13、そして1/19、3/10高値圏115.52-635意識。下値焦点は113円台維持、3/16安値112.89、3/1安値112.75。割れた際は2/28終盤に急上昇した112.30-70価格帯が意識されるが長期資金や輸入、買い遅れ組の下支えを推考している。
投機筋のぶん投げに、週末のポジションの調整で週を終えています。
月曜日は日本市場が休場となるため、本邦勢の買いが集まらないことから、さらなる下目線が警戒されています。ただし、110 円以下を目指していくかというと、週のイベントも少なめで、そういう雰囲気でもないことも確かです。
また、後半と、3 月最終週にかけては月末および期末のフローが入ってきます。
着実に利益を積む戦法となるのではないでしょうか。
予想 : 111.60 - 114.50
経済指標一覧(日本時間)
03/20(月)日本市場休場(春分の日)
- 特になし。
03/21(火)南アフリカ休場(人権の日)
- 18:30 (英) 2 月 消費者物価指数(CPI)
- 21:30 (米) 10-12 月期 四半期経常収支
03/22(水)
- 08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨
- 23:00 (米) 2 月 中古住宅販売件数
03/23(木)
- 05:00 (NZ) ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
- 21:00 (米) イエレン FRB 議長 発言
- 23:00 (米) 2 月 新築住宅販売件数
03/24(金)
- 21:30 (米) 2 月 耐久財受注
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
FRB高官発言や森友学園問題を注視
111 .50 - 115.60
来週の東京外国為替市場見通し (2017/03/17 18:04)大型のイベントを通過した後は、イエレンFRB議長をはじめ複数のFRB高官の講演が控え、米利上げペースに対する思惑が米国株を左右する相場展開となりそう。
一方日本では、大阪・豊中市の元の国有地をめぐる問題で、学校法人の森友学園の籠池理事長が23日に国会に証人喚問される見通し。この問題では与野党と対立が深まっている他、安倍政権への影響も出始めており、政局の不透明感がリスクオフにつながる可能性もあるため注意したい。
ドル・円の予想レンジは1ドル=111円50銭-115円00銭としたい。イエレン議長が金融政策の判断材料として雇用を特に重視している点から、21-24日の週は幕間つなぎでドル・円はもみ合いとなりそう。
ロイター
G20共同声明が従来と変われば円高圧力も
111.50 - 114.00
来週の外為市場 (2017/03/17 16:22)来週の外為市場では、今週末に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明や、同会議内外での要人発言を消化する展開となりそうだ。
ロイターが入手したG20共同声明草案では「あらゆる保護主義に反対する」とのこれまでの文言が削除され、代わりに「公正で開かれた国際通商システムを維持する」となっており、米国の意向を色濃く反映したものとなっている。
また草案では「競争的な通貨切り下げを回避し、競争目的で為替をターゲットとしない」との文言も消え、「従来の為替相場のコミットメントを再確認する」となっている。
ユーロが既に上がり始めたことに鑑みれば、「共同声明の変化が極端であれば、円が最初に買われやすい」(FX会社)との意見も出ている。
「米連邦公開市場委員会(FOMC)が事前の期待より緩やかな利上げペースを想定していたことで、一気に目線が下がった印象がある」とトウキョウフォレックス上田ハーローの阪井勇蔵氏は述べ、110円を超える円高は想定し難いものの、「ドルは対ユーロや英ポンドでも弱く、立ち直るにはある程度時間が必要だ」とみている。
三菱東京UFJ銀行
来週は下落警戒
111.25 - 117.75
FX Weekly(2017/03/17)市場のコンセンサスとなっていた 6 月利上げが 3 ヶ月繰り上げられたが、ドル円はむしろ小幅ながらも下落した。これは、織り込み済みの利上げにドル円を押し上げる力が限られることを改めて示した形だ。
その点、ドル円続伸に必要なのは、利上げペース加速との見方が意識されることだ。それも、株式相場への重しとならないことが条件となる(株安⇒円高となるため)。
ただ、米FRBは物価や賃金の強い伸びが確認されない限り、トランプ政権の政策が見えるまで経済見通し(即ち、利上げペース)を大きくは変えないだろう。今週、115 円台での上値の重さを再確認したこともあり、ドル円はしばらく上値の重い時間帯が続く公算が大きい。
来週は、トランプ政権に対する期待の象徴である米国株式相場が変調をきたす場合や、20 ヶ国財務大臣・中央銀行総裁会議(G20)声明から市場がドル安を嗅ぎ取った場合などのドル安に警戒が必要とみる。
大統領就任から満 2 ヶ月を迎える。そろそろ期待先行による株式相場の上昇に一服感が出始めても不思議ではないだろう。実際、利ざや拡大や規制緩和への期待から相場全体を牽引してきた金融セクターでも上昇一服感が出始めている。
岡三オンライン証券
「米利上げ」後に円が「証人喚問」される局面
112.50 - 115.10
武部力也の週間為替相場見通し(2017/03/17)米利上げ後にドル円は急落。今年の米利上げ回数は(3/16を含め)3回と、去年12月FOMC時の見通しと同じだったからである。
イエレン議長はこの先、利上げペースを速める意図はない、追加利上げは「緩やかに」留まる事を強調した。
筆者が警戒を覚えたのは2つ。ひとつは3/16午後、金融政策決定会合を終えた日銀黒田総裁が「金利差だけで為替を予測しても当たらない」と発言したこと。米政権による円安誘導批判に反論した格好だが、わざわざ言う必要はなかったのでないか。財務省出身での矜持か。
二つ目は3/16夜、学校法人『森友学園』を巡っての証人喚問が与野党合意で3/23衆参予算委員(午前、午後各2時間)で行われることが決定したことだ。
東証3月第2週(3/6~10)投資部門別株式売買状況において、約70%を占める海外投資家はこの手の政治リスクに敏感である。投機的な日本株売りに伴う円買い仕掛けに対し、安倍政権の盤石性を鑑みた本邦勢からの逆張り(日本株買い/ドル買い円売り)場面も想像しておきたい。
3/20週ドル円上値焦点は日足一目均衡表雲帯上下限113.43-115.13、そして1/19、3/10高値圏115.52-635意識。下値焦点は113円台維持、3/16安値112.89、3/1安値112.75。割れた際は2/28終盤に急上昇した112.30-70価格帯が意識されるが長期資金や輸入、買い遅れ組の下支えを推考している。
私見
FOMC までは動きづらい展開でしたが、その後は一気に下目線となりました。投機筋のぶん投げに、週末のポジションの調整で週を終えています。
月曜日は日本市場が休場となるため、本邦勢の買いが集まらないことから、さらなる下目線が警戒されています。ただし、110 円以下を目指していくかというと、週のイベントも少なめで、そういう雰囲気でもないことも確かです。
また、後半と、3 月最終週にかけては月末および期末のフローが入ってきます。
着実に利益を積む戦法となるのではないでしょうか。
予想 : 111.60 - 114.50