11月07日から11日までの、ドル円相場に関連がある経済指標のまとめとマーケットの今を考察します。
11月07日から11日までの、ドル円相場に関連がある経済指標のまとめとマーケットの今を考察します。
予想通りなら、「トランプ・リスク」が払しょくされ、米国株とドルにはプラスに働く。市場の関心はすでに、大統領選と同時に行われる議会・州知事選挙において、共和党が下院で過半数を維持できるかに移っているようだ。トランプ氏の女性蔑視発言を背景に共和党候補には逆風が吹いており、可能性は低いながらも、下院で共和党が過半数を割り込むとの指摘も出ている。なお、上院は民主党が過半数を獲得する見通し。
ドル・円はビッグイベントがあり、変動が大きくなる可能性に注意したい。上値メドは7月高値の107円50銭程度。一方、下値めどは日足一目均衡表の抵抗帯「雲」下限の101円80銭程度。テクニカル的には均衡表の「雲」入りをしており、目先は弱含みやすい。
民主党のヒラリー・クリントン候補の優位を市場は織り込んできたが、私用メール問題の蒸し返しを受けて、共和党のドナルド・トランプ候補の追い上げを受けている。米連邦捜査局(FBI)による捜査の行方は投票前に明らかになりそうになく、リスク回避の円買い圧力が強まりやすい地合だ。
大統領選挙はクリントン氏の勝利なら、不透明要因が一つ後退することでドル/円にはプラスに働くとみられている。ただ「ものすごく上昇するわけでもないだろう」と、ソニーフィナンシャルホールディングスの金融市場調査部長、尾河眞樹氏は指摘する。
「メール問題が解消しない限りテールリスクが残り、ドル/円の上値は重くなる」と尾河氏はみている。少なくとも来週中は、メール報道前に付けた高値105.50─106.00円を超えにくいという。
トランプ氏の勝利となった場合、発射台が足元の103円程度であれば、英国民投票の際の相場経験からも「テールリスクを嫌気して、誰もがとりあえず売る」(国内金融機関)との見方から100円割れもあり得るとの警戒感が出ている。相場が崩れれば、年内利上げの思惑も後退しかねず、週末にかけてさらなる下押しも想定される。
4日に発表された10月米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比+16.1万人で市場予想をやや下回ったものの、9月実績は上方修正された。また、平均時給は市場予想を上回る前年比+2.8%の伸びとなった。10月雇用統計は12月利上げを後押しする材料になるとの声が聞かれたが、インフレ加速を示す指標は多くないことやクリントン氏が大統領選で勝利しても金融市場が混乱する可能性は排除できないとの見方もあり、ドルは103円台前半で上げ渋り、103円07銭でこの週の取引を終えた取引レンジ:102円55銭-105円23銭。
クリントン政権は“オバマ政権の踏襲3期目”とも指摘されており、政策の予見性が高く、FRBとの齟齬は強まりそうもない。つまりクリントン勝利なら米利上げ再開、緩やかなドル高円安に振れ易い、と読める。
“トランプ大統領誕生”の場合は、米金融政策の先行き不透明感を強め、6/24英EU離脱判明での市場反応が想起される。もっともトランプ氏は米投資銀勤務などでウォール街を熟知しているスティーブン・ムニューチン氏を財務長官に起用したいと示しており、市場の咀嚼度が探られそうだ。
既に有権者(約2億3000万人)のうち、2000万人以上の期日前投票が報じられており、11/8投票、東京時間11/9水曜日正午を挟んでの観測/結果速報がドル円を揺さぶることとなろう。
11/7週のドル円は日足一目均衡表雲上限(103.03-103.51)、週足ボリンジャーバンド中心線が意識され、上値焦点は11/2高値104.18、10/31-11/1高値105.13-23、10/28高値105.545。期待値は7/29高値105.80超、7/27-25高値圏106.53-106.735。下値焦点は102円台維持。割れると10/4安値101.545、10/3安値101.20、9/29-30安値100.73-69意識。100円割れの場合は8/16安値99.53、6/24安値99円を最終拠点と推考。
クリントン氏のメール問題に端を発した下落局面から、相場は一転してリスクオフ展開となっています。VIX 指数も上昇し、まさかブレグジット以上のショックが走るのではないかという憶測も出ています。
このビッグイベントは、乱高下する、ということだけしかわかっていません。海外の業者ではレバレッジの規制も出ています。高みの見物も必要な局面かもしれません。
予想 : 100.00 - 105.00
経済指標
11/07(月)
- 08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨 ★★
- 24:00 (米) 10 月 米労働市場情勢指数(LMCI)
11/08(火)
- 未定(中) 10 月 貿易収支
- 米大統領選挙
11/09(水)
- 米大統領選挙結果判明
- 10:30 (中) 10 月 消費者物価指数(CPI)
- 14:00 (日) 10 月 景気ウォッチャー調査・現状判断 DI
- 21:00 (米) MBA 住宅ローン申請件数(前週比)
- 24:00 (米) 9 月 卸売在庫
11/10(木)
- 08:50(日) 9 月 機械受注
- 22:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 28:00(米) 10 月 月次財政収支
11/11(金)
- 24:00(米) 11 月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
今週のドル円予想レンジ予想
モーニングスター
米大統領選、民主党のクリントン氏優勢変わらず、焦点は下院
101.80 - 107.50
来週の東京外国為替市場見通し (2016/10/28 18:17)8日に行われる米大統領選挙の結果が相場を大きく左右しそうだ。当落を左右する選挙人はクリントン氏が過半数近くを獲得するとの見方に傾いており、クリントン氏有利の状況は変わっていないようだ。
予想通りなら、「トランプ・リスク」が払しょくされ、米国株とドルにはプラスに働く。市場の関心はすでに、大統領選と同時に行われる議会・州知事選挙において、共和党が下院で過半数を維持できるかに移っているようだ。トランプ氏の女性蔑視発言を背景に共和党候補には逆風が吹いており、可能性は低いながらも、下院で共和党が過半数を割り込むとの指摘も出ている。なお、上院は民主党が過半数を獲得する見通し。
ドル・円はビッグイベントがあり、変動が大きくなる可能性に注意したい。上値メドは7月高値の107円50銭程度。一方、下値めどは日足一目均衡表の抵抗帯「雲」下限の101円80銭程度。テクニカル的には均衡表の「雲」入りをしており、目先は弱含みやすい。
ロイター
来週のドル/円は不安定、米大統領選が波乱要因に
99.00 - 105.50
来週の外為市場 (2016/11/04 16:07)来週の外為市場でドル/円は、不安定な値動きになりそうだ。8日(日本時間8─9日)の米大統領選挙の行方が波乱要因になる見込みで、値幅を伴う乱高下も警戒されている。
民主党のヒラリー・クリントン候補の優位を市場は織り込んできたが、私用メール問題の蒸し返しを受けて、共和党のドナルド・トランプ候補の追い上げを受けている。米連邦捜査局(FBI)による捜査の行方は投票前に明らかになりそうになく、リスク回避の円買い圧力が強まりやすい地合だ。
大統領選挙はクリントン氏の勝利なら、不透明要因が一つ後退することでドル/円にはプラスに働くとみられている。ただ「ものすごく上昇するわけでもないだろう」と、ソニーフィナンシャルホールディングスの金融市場調査部長、尾河眞樹氏は指摘する。
「メール問題が解消しない限りテールリスクが残り、ドル/円の上値は重くなる」と尾河氏はみている。少なくとも来週中は、メール報道前に付けた高値105.50─106.00円を超えにくいという。
トランプ氏の勝利となった場合、発射台が足元の103円程度であれば、英国民投票の際の相場経験からも「テールリスクを嫌気して、誰もがとりあえず売る」(国内金融機関)との見方から100円割れもあり得るとの警戒感が出ている。相場が崩れれば、年内利上げの思惑も後退しかねず、週末にかけてさらなる下押しも想定される。
フィスコ
ドルはやや堅調推移か、トランプ・リスク解消で買い安心感も
101.00 - 106.00
為替週間見通し(2016/11/05 15:09)大手メディアによる世論調査では、選挙戦最終盤でも民主党のクリントン候補が共和党のトランプ候補に対するリードを保っているものの、態度保留の有権者の行動は予測困難との見方が広がっており、大統領選の結果は予断を許さない状況との見方が依然として多い。この関係で米国株が弱含みとなっていることや減産期待の後退で原油先物が大きく下げていることもドル売り材料となった。
4日に発表された10月米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比+16.1万人で市場予想をやや下回ったものの、9月実績は上方修正された。また、平均時給は市場予想を上回る前年比+2.8%の伸びとなった。10月雇用統計は12月利上げを後押しする材料になるとの声が聞かれたが、インフレ加速を示す指標は多くないことやクリントン氏が大統領選で勝利しても金融市場が混乱する可能性は排除できないとの見方もあり、ドルは103円台前半で上げ渋り、103円07銭でこの週の取引を終えた取引レンジ:102円55銭-105円23銭。
岡三オンライン証券
米大統領選挙での「円高・円安」見極めの局面
99.50 - 105.80
武部力也の週間為替相場見通し(2016/11/04)11/2のFOMC声明では「利上げの条件が整ってきた」と改めて指摘している。既に9月会合で年内1回の利上げシナリオを強めており、年内最終会合は12/14。FRBは自らを追い詰めつつ大統領選の行方を見極める姿勢となった。
クリントン政権は“オバマ政権の踏襲3期目”とも指摘されており、政策の予見性が高く、FRBとの齟齬は強まりそうもない。つまりクリントン勝利なら米利上げ再開、緩やかなドル高円安に振れ易い、と読める。
“トランプ大統領誕生”の場合は、米金融政策の先行き不透明感を強め、6/24英EU離脱判明での市場反応が想起される。もっともトランプ氏は米投資銀勤務などでウォール街を熟知しているスティーブン・ムニューチン氏を財務長官に起用したいと示しており、市場の咀嚼度が探られそうだ。
既に有権者(約2億3000万人)のうち、2000万人以上の期日前投票が報じられており、11/8投票、東京時間11/9水曜日正午を挟んでの観測/結果速報がドル円を揺さぶることとなろう。
11/7週のドル円は日足一目均衡表雲上限(103.03-103.51)、週足ボリンジャーバンド中心線が意識され、上値焦点は11/2高値104.18、10/31-11/1高値105.13-23、10/28高値105.545。期待値は7/29高値105.80超、7/27-25高値圏106.53-106.735。下値焦点は102円台維持。割れると10/4安値101.545、10/3安値101.20、9/29-30安値100.73-69意識。100円割れの場合は8/16安値99.53、6/24安値99円を最終拠点と推考。
私見
大きなイベントが目白押しでしたが、それよりもやはり大統領選の方が関心が高かったようですね。クリントン氏のメール問題に端を発した下落局面から、相場は一転してリスクオフ展開となっています。VIX 指数も上昇し、まさかブレグジット以上のショックが走るのではないかという憶測も出ています。
このビッグイベントは、乱高下する、ということだけしかわかっていません。海外の業者ではレバレッジの規制も出ています。高みの見物も必要な局面かもしれません。
予想 : 100.00 - 105.00