2016 年最大のイベントであるアメリカの大統領選挙が終了し、2017 年は欧州の選挙イヤーです。EU の政治リスクが表面化した時、ユーロに対する下落圧力が強くなる可能性もあります。
2016 年最大のイベントであるアメリカの大統領選挙が終了し、2017 年は欧州の選挙イヤーです。EU の政治リスクが表面化した時、ユーロに対する下落圧力が強くなる可能性もあります。
2016 年の流れ(英 EU 離脱、大統領選挙のトランプ氏勝利)のまま、反 EU を掲げるポピュリストが台頭してきた場合、マーケットには大きなインパクトが訪れるリスクがあります。
グローバリズムが本当に幸せにつながるのか?
世界はその疑問に対して、No! を突きつけつつあるのかもしれません。
ユーロ圏の政治リスク
イギリスの EU 離脱の方針が決定したことで、ヨーロッパでは特にシリアの難民受け入れ問題を巡って反 EU の機運が高まってきているようです。2016 年の流れ(英 EU 離脱、大統領選挙のトランプ氏勝利)のまま、反 EU を掲げるポピュリストが台頭してきた場合、マーケットには大きなインパクトが訪れるリスクがあります。
2016 年
- 12 月 4 日:イタリア国民投票
イタリア議会上院の権限縮小の是非。
改革が進まない場合はイタリアの破綻に向けたリスク(イタリアはギリシャに次ぐ債務国)。 - 12 月 4 日:オーストリア大統領選
最決選投票。
極右政党(反難民・反 EU)である自由党の伸びが焦点。 - 12 月:ドイツ・キリスト教民主同盟(CDU)党大会
メルケル首相は、CDU 党大会で党首に再任後、大統領 4 選を目指す。
しかし、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の躍進により、ドイツも反 EU の機運が高まっている。
2017 年
- 1 月~ 3 月?:イギリス EU 離脱の通告と交渉の開始?
- 3 月 15 日:オランダ下院議会選挙
世論調査からは、EU の 移民政策に反対するポピュリスト政党(PVV・自由党)が躍進とのこと。ただ、過半数の議席を格闘する可能性は(今のところ)低いと見られる。 - 4 月 23 日:フランス大統領選挙(1 回目)
フランスは、社会党(左派)、共和党(中道右派)、国民戦線(右派)の三つ巴となっています。ただし、国民戦線は反 EU はもちろん、移民排斥を極端に行う(ユダヤ人への差別)「極右」とレッテルを貼られる団体です。
フランス国内で相次いで引き起こされたテロ事件の影響も大きいと思います。 - 5 月 7 日:フランス大統領選挙(2 回目)
フランスは第一回投票で有効投票総数の過半数を獲得できた候補がいない場合、上位二候補による決選投票が行われる。 - 9 月?:ドイツ連邦議会選挙
前述したとおり、反難民を唱える AfD が躍進しています。ただ、第一党にまでなる可能性は低いと言われています。
英 EU 離脱・トランプを経て、反移民の流れは欧州全土に広がるか?
ヨーロッパに関しては EU で統一されたかにみえたものの、そもそも国力が全く違う国が一つになるという矛盾、移民問題、テロなどが発生し、安全が脅かされているという国民の「怒り」が徐々に表面化してきています。グローバリズムが本当に幸せにつながるのか?
世界はその疑問に対して、No! を突きつけつつあるのかもしれません。