7月18日から22日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
経済指標
07/18(月)
- 23:00 (米) 7 月 NAHB 住宅市場指数
- 29:30 (米) 5 月 対外証券投資(短期債除く)
07/19(火)
- 21:30 (米) 6 月 住宅着工件数
- 21:30 (米) 6 月 建設許可件数
07/20(水)
- 20:00 (米) MBA 住宅ローン申請件数(前週分)
07/21(木)
- 20:45(欧) ECB 政策金利 ★★★
- 21:30(欧) ドラギ ECB 総裁 定例記者会見 ★★
- 21:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 21:30(米) 7 月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数
- 22:00(米) 5 月 住宅価格指数
- 23:00(米) 6 月 中古住宅販売件数
- 23:00(米) 6 月 景気先行指標総合指数
07/22(金)
- 08:50 (日) 前週分 対外対内証券売買契約等の状況
予想レンジ
モーニングスター
103.70 - 106.80
来週の東京外国為替市場見通し (2016/07/15 18:52)目先は、米6月住宅着工件数、米6月中古住宅販売件数など、米景気動向を占ううえで重要な経済指標の発表が目白押し。強い米6月雇用統計などを受け、米経済に対する強気な見方が強まっている。
21日にはECB(欧州中央銀行)理事会が開催される。14日のBOE(英中央銀行)金融政策委員会では利下げが温存されたが、8月の金融緩和に含みを持たせたことで市場への影響は限られた。ECBは今回の理事会でブレグジットの影響を見極めたいとの考えから金融政策を据え置くとの見方が大勢を占めており、影響は限定的か。
ドル・円はブレグジット問題による行き過ぎた円買いの巻き戻しや、ヘリコプターマネーへの思惑などから円売りに傾いている状況。ドル・円は当面6月24日のブレグジット直前の高値1ドル=106円82銭近辺が意識されそうだが、ブレグジット問題に変化がないことや巻き戻しの動きが中心と見られることから、上値は限定的になると想定される。下値メドは25日移動平均線(14日時点)の103円73銭近辺。
ロイター
102.50 - 107.00
来週の外為市場 (2016/07/15 16:27)来週の外為市場で、ドル/円は政策期待を支えに株価にらみの展開となりそうだ。米株が史上最高値圏に上昇し、日本株も戻り基調にある。株価が引き続き堅調ならドル/円は英国の欧州連合(EU)離脱決定前の高値106円後半を上抜ける可能性もある。ただ、そこから積極的に買い上げていく材料はなく、107円付近では上値が重くなるとの見方も出ている。
来週は米6月住宅着工件数、独7月ZEW景況感指数、米6月中古住宅販売件数、米6月CB景気先行総合指数などの発表があるが、指標としては、やや小粒感がある。21日の欧州中央銀行(ECB)理事会とドラギ総裁の会見に注目が集まりそうだ。
ドル/円は今週、急速な円安が進んだ。株価の持ち直しや良好な中国経済指標もあるが、参院選の与党勝利で政府・日銀に対する政策期待が高まったことも大きい。
バーナンキ元米連邦準備理事会(FRB)議長が来日し、安倍晋三首相と会談したことでヘリコプターマネー(ヘリマネ)政策への思惑も強まった。
ただ、日本の当局者は、ヘリマネ政策の導入を明確に否定している。市場では「積み上がった投機筋の円ロングを巻き戻す口実に使われた。このネタに乗じた円売りは次第になくなっていく」(みずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏)との指摘もある。
フィスコ
102.00 - 109.00
為替週間見通し(2016/07/15 14:03)来週のドル・円は、引き続き株価にらみの展開となりそうだ。
ただ、ドル・円は短期間で急激に上昇していることから、一部で過熱感が指摘されている。来週から本格化する米企業決算(4-6月期)で業績悪化が顕著になった場合や、米大統領選に向けドル高に批判的なトランプ氏が候補者に正式に指名された場合には、ドル買いはやや弱まる可能性があろう。
なお、23-24日に中国・成都で開催される20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)では、従来通り通貨安競争の阻止などをテーマに議論される見通し。為替動向に関する日米間の認識が平行線なら円買いの手がかりとなるだろう。
【米共和党大会】(18-21日開催予定) 米共和党が全国大会を開催し、ドナルド・トランプ氏を大統領候補として正式に指名する。トランプ氏はドル高には批判的であるとみられており、正式指名は円高要因になりやすい。
【米企業4-6月期決算】 バンク・オブ・アメリカ(18日)、ゴールドマン(19日)など米国企業が4-6月期決算を発表する。業績悪化が顕著になればドル売りに振れやすい見通し。
【20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)】(23-24日開催予定) 20カ国財務相・中央銀行総裁会議(G20)が中国・成都で開催される。従来通り通貨安競争の阻止などをテーマに議論される見通し。為替動向に関する日米間の認識などが注目される。
岡三オンライン証券
104.60 - 109.60
武部力也の週間為替相場見通し(2016/07/15)ベン・バーナンキ前FRB議長が、7/11は黒田総裁、7/12は安倍首相(浜田氏同席)と会談を行った。報道では、日銀の金融政策について詳しい議論はなかったとされているが、バーナンキ氏と言えば“ヘリコプター・ベン<ヘリマネ:政府の財政支出を中央銀行が紙幣増刷で賄う>”の異名から、どうしても邪推が拡がってしまう。
7/11週は週初より円安が進行した。懇意の海外ファンドマネージャーによると、欧米アジアの海外ファンド群が円ロングを縮小させているとのことだった。
では、何故、縮小に動いたのか。それは為替操作とした誹りを避け、内政政策である金融緩和と財政投融資を連携強化させる“ヘリコプター・ベン”の手法を日本が採用するのではないか、とした警戒からである。具体的には、財源等に充てる無利子非課税国債や債務償還を想定しない100年債・200年債といった永久債の発行という、想像を絶する手法である。
一昔前に流行った火曜サスペンスドラマなら「もう(ドル安・円高に)耐えられないわ。これ以上、わたしを責めるなら(日本は)崖から飛び降ります」、としたシーンとなろうか。覚悟に恐れた海外ファンドは後ずさり(円売り戻し)をした場面となる。
7/14に本田氏(スイス大使)が「4月訪米時に永久国債発行をバーナンキ氏が議論」と発言したことで、邪推が表沙汰になった格好だ。もっともそれを否定し、反対する浜田発言報も伝わった。政治主体のヘリマネ導入は政府支出を促し、日銀の信用毀損を高め、日本売り・円下落の歯止めが効きづらくなる副作用もあり得るからだ。
実現性に関しては財政法第5条の捉え方次第だが、絶対多数の与党国会で議決承認となれば手続き上、不可能ではない。政治の決断に委ねられようか。
4/28に黒田総裁は1/29決定のマイナス金利効果に対し、「1、2か月で直ぐに出るという事ではないが、半年も1年もかかると言うことではない」と明言。言質から推察すると今夏の日銀会合は次の一手が探られる頃でもある。ヘリコプター・ベンならぬドローン・クロダの現実性が燻る。
ドル円上値焦点は6/24高値106.70、日足一目均衡表雲の帯(106.61-109.00)、6/3高値109.15、6/2高値109.60と推考。下値焦点は7/13-14安値103.90-96。。
三菱東京UFJ銀行
104.00 - 107.50
FX Weekly(2016/07/15)今週のドル円相場は、週初の安値 100.56 から執筆時点での高値106 円台までほぼ一本調子で上昇した。1 週間で5 円を超えるドル円急騰の原動力は、いわゆるヘリコプターマネー政策への期待の高まりだろう。
一部では、日銀が国債を買い切り、財政資金を供給する「ヘリコプターマネー政策」導入の可能性が報じられた。また、今年4 月に本田悦朗内閣官房参与が訪米した際にも、バーナンキ前FRB議長との間でやはりヘリコプターマネー政策が話題に上がったと報じられた。
短期筋などにとってこうした一連の報道は、格好のドル買い円売りの材料になったとみられる。
俄かには信じがたいヘリコプターマネー政策に関し、菅官房長官も、政府として検討している事実がないと否定するコメントを発している。だが、黒田日銀総裁が国会で否定的な見解を示したわずか3 日後に、マイナス金利政策の導入が決まった経緯は、記憶に新しい。「何をするかわからない」という漠然とした不信感が市場では蔓延しており、戦後、世界的にみても稀な奇策とは言え、市場には強い緊張が走っている。
今月末の日銀会合まで、ヘリコプターマネーほどではないにせよ、何らかの追加策が講じられるとの雰囲気が持続するとみられる。来週のドル円も底堅く推移するとみられ、続伸も見込まれる。
もっとも、いずれかの時点で、そうした政策が講じられるとの期待が失望に変わる時、少なくともそれまでの上昇幅と同等の反落を想定する必要もあり、先行きへの不確実性は飛躍的に高まった。日本の官主導による値動きの激しい相場展開が見込まれる。
尚、当方は現時点では日銀の 7 月会合での現状維持を予想する。「量・質・金利」という既存の3 次元緩和策の効果や拡大余地が限定的とみられ、日銀には政策を温存するインセンティブが生じ易いとみるためだ。今回のバーナンキ前FRB議長の来日劇は、秋まで「日銀が周到に準備を練っている」との漠然とした期待や不安をつなぎ止めるには十分な演出だ。7 月の会合で、ノーアクションとなり、失望によって仮にドル円が下がるにせよ、相応の発射台を築くことに成功したと言える。
私見
ヘリコプターマネー騒動により、ドル円はひたすら上昇。直近、溜まっていたショートの巻き戻しがされたところで週が終了しました。外人が本格的に買い出すと、ひたすらその動きについていくだけしかないですね(逆もそうですが)。
そうした乱暴な動きにより、テクニカル的にもやや流れが変わってしまった感があります。ただ、この暴騰が再来週の日銀金融政策決定会合まで継続して、110 円をさらに越えていくという流れは…なかなかないのではないかな、と思っています。
予想 : 104.00 - 107.50