4月25日から4月29日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
4月25日から4月29日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
ドル・円は1ドル=108円割れの水準で下値を確認した格好で、戻り基調にある。日銀に対する追加金融緩和圧力が強まっており、金融政策決定会合で追加金融緩和が実施された場合は2月からもみ合いが続いた114円台を目指す展開も想定される。下値のメドは109円。
28日に結果が発表となる日銀決定会合については、追加緩和の決定がコンセンサスとなっている。長期国債、ETF/J─REITの買い入れ増額などを組み合わせた緩和策になるとの見方が多い。
27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表される。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見は予定されておらず、利上げの決定はないとの見方が多い。
金融政策の現状維持が決まった場合は円買いが強まる可能性があるが、震災復興支援などの目的で日銀による早期追加緩和への期待は残されることから、ドル安・円高が急速に進行する可能性は低いとみられる。
米早期利上げへの期待は後退しているものの、5月6日発表の4月米雇用統計が強い内容だった場合、6月利上げへの期待が高まることもドル買い材料になるとみられる。
円売り介入、とした禁じ手はルー発言を以て改めて封印されたと読み取れる。そうなると4月の政府月例経済報告で示されたように熊本地震が日本経済に与える影響を「十分留意する必要がある」との指摘も勘案すると、4/28の日銀会合では追加緩和論が高まると見るのが普通だろう。事実、4/22午後は追加緩和観測報で円は急落。日銀施策に期待が寄せられている証といえよう。
ドル円上値焦点は4/6高値110.65。越えれば4/5高値111.34、4/4高値111.81。4/1高値112.59が期待値となる。下値焦点は4/21-22安値圏109.25-31、4/19-20安値圏118.75-78。108円前半維持が失敗すれば4/7-11-12安値の107.62-69-86圏を最終橋頭堡と推考。
FOMCに関して言えば、今回のタイミングでの利上げの可能性は限りなくゼロに近い。この為、声明文に関し、大まかに言えば、6 月の利上げに対するスタンスを明確に示し、タカ派寄りと受け取られる場合、利上げへの慎重姿勢を滲ませ、ハト派寄りと解釈される場合、両面を併記し、バランスを取る中間の場合という 3 通りとなろう。
一方、日銀については、その緩和スタンスは明確。従って、追加緩和の内容は多岐に及ぶものの、相場を展望する上では、追加緩和の有無という 2 通りを想定。大まかに言って考えられる組み合わせは全部で 6 通りとなる。
逆に、ドル円の下値不安が最も高まるのは、ケース⑥となろう。
当方のメインシナリオは、ケース⑤。即ち、米FOMCはバランスの取れた声明文に仕立てあげるというものだ。一方の日銀は、事前報道から追加緩和への期待が高まっているが、これまでも指摘してきた通り、追加緩和を見送ると予想する。
無論、日銀にとって現下の円高進行は気掛かりなはず。しかし、国際通貨基金(IMF)や経済開発協力機構(OECD)が算出する昨年末時点での購買力平価は概ね 103円から 106 円。足もとの為替相場水準での追加緩和は、為替相場に関する国際社会との温度差を広げるおそれもありそうだ。
一部の報道を受け、追加緩和への期待がドル円を押し上げた後だけに、日銀の緩和見送りを受けて、ドル円は反落すると予想する。
この予想に対するリスクシナリオは、最もドル円上昇が期待されるケース①となる。但し、この場合も、ドル円は次第に戻り売りに押されると予想する。111 円台が上値目処ではないか。
追加緩和ありなら「円安」、なしなら「円高」という見方がコンセンサスとなっていますが、このような投機的なポジションに振り回されている状況で、果たしてその通りになるのかどうかには一定の警戒は必要ではないかと思われます。
個人的には、何をしようとも結局、日本はアメリカに逆らうことはしない(できない)ので、ドル高へ進むことはしばらく(数年は)ないと思っています。
今回、ロングが積み上がったらショートを構築して待とうかと思っています。
予想 : 109.90 - 113.10
経済指標
04/25(月)
- 23:00 (米) 3 月 新築住宅販売件数 ★★
04/26(火)
- 未定 (米) FOMC 一日目
- 21:30 (米) 3 月 耐久財受注
- 22:00 (米) 2 月 ケース・シラー米住宅価格指数
- 23:00 (米) 4 月 消費者信頼感指数
- 23:00 (米) 4 月 リッチモンド連銀製造業指数
04/27(水)
- 20:00 (米) MBA 住宅ローン申請指数(前週比)
- 23:00 (米) 3 月 住宅販売保留指数
- 27:00 (米) FOMC 政策金利発表 ★★★
04/28(木)
- 未定(日) 日銀金融政策決定会合・政策金利発表、マネタリーベース増加目標 ★★
- 08:30(日) 3 月 全国消費者物価指数(CPI)★★
- 08:30(日) 3 月 失業率・有効求人倍率
- 15:30(日) 黒田日銀総裁 定例記者会見
- 21:30(米) 1-3 月期 四半期国内総生産(GDP)
- 21:30(米) 前週分 新規失業保険申請件数
04/29(金)
- 21:30 (米) 3 月 個人消費支出
- 23:00 (米) 4 月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
予想レンジ
モーニングスター
109.00 - 114.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/04/22 18:24)来週は日米の金融政策に注目が集まる。26-27日開催のFOMCは追加利上げ見送りの公算が大きいものの、今後の利上げペースなど声明文の内容がカギとなる。27-28日には日銀金融政策決定会合がある。足元の円高基調や企業業績悪化懸念に加え、14日に発生した熊本地震を受けた景気浮揚期待など、日銀に対する追加金融緩和圧力は強まっている。
ドル・円は1ドル=108円割れの水準で下値を確認した格好で、戻り基調にある。日銀に対する追加金融緩和圧力が強まっており、金融政策決定会合で追加金融緩和が実施された場合は2月からもみ合いが続いた114円台を目指す展開も想定される。下値のメドは109円。
ロイター
109.00 - 113.00
来週の外為市場 (2016/04/22 18:39)来週の外為市場でドル/円は、日銀金融政策決定会合まで追加緩和期待を支えに下がりにくいとみられている。追加緩和があった場合は円安方向、現状維持や緩和策の中身に市場が失望した場合は円高方向に動く余地もあるだけに、市場は神経質になっている。
28日に結果が発表となる日銀決定会合については、追加緩和の決定がコンセンサスとなっている。長期国債、ETF/J─REITの買い入れ増額などを組み合わせた緩和策になるとの見方が多い。
27日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表される。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の会見は予定されておらず、利上げの決定はないとの見方が多い。
フィスコ
109.50 - 113.50
為替週間見通し(2016/04/23 15:05)4月26-27日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策の現状維持が決まる見込みだが、4月27-28日開催の日銀金融政策決定会合では、金融機関向けの貸出金利をマイナスにすることが検討されるとの思惑が広がっている。
金融政策の現状維持が決まった場合は円買いが強まる可能性があるが、震災復興支援などの目的で日銀による早期追加緩和への期待は残されることから、ドル安・円高が急速に進行する可能性は低いとみられる。
米早期利上げへの期待は後退しているものの、5月6日発表の4月米雇用統計が強い内容だった場合、6月利上げへの期待が高まることもドル買い材料になるとみられる。
岡三オンライン証券
109.25 - 112.50
武部力也の週間為替相場見通し(2016/04/22)
日銀の「円・百家争鳴」場面日銀は1月の金融政策決定会合でマイナス金利導入を決めたがその後の円高推移は周知であり、経済・物価の下振れリスクが再燃した。
円売り介入、とした禁じ手はルー発言を以て改めて封印されたと読み取れる。そうなると4月の政府月例経済報告で示されたように熊本地震が日本経済に与える影響を「十分留意する必要がある」との指摘も勘案すると、4/28の日銀会合では追加緩和論が高まると見るのが普通だろう。事実、4/22午後は追加緩和観測報で円は急落。日銀施策に期待が寄せられている証といえよう。
ドル円上値焦点は4/6高値110.65。越えれば4/5高値111.34、4/4高値111.81。4/1高値112.59が期待値となる。下値焦点は4/21-22安値圏109.25-31、4/19-20安値圏118.75-78。108円前半維持が失敗すれば4/7-11-12安値の107.62-69-86圏を最終橋頭堡と推考。
三菱東京UFJ銀行
107.75 - 111.75
FX Weekly(2016/04/22)来週のドル円相場を展望する上で、変数はFOMCと日銀金融政策決定会合だ。
FOMCに関して言えば、今回のタイミングでの利上げの可能性は限りなくゼロに近い。この為、声明文に関し、大まかに言えば、6 月の利上げに対するスタンスを明確に示し、タカ派寄りと受け取られる場合、利上げへの慎重姿勢を滲ませ、ハト派寄りと解釈される場合、両面を併記し、バランスを取る中間の場合という 3 通りとなろう。
一方、日銀については、その緩和スタンスは明確。従って、追加緩和の内容は多岐に及ぶものの、相場を展望する上では、追加緩和の有無という 2 通りを想定。大まかに言って考えられる組み合わせは全部で 6 通りとなる。
- FOMC:6 月利上げ "積極的(タカ派寄り)" & 日銀:追加緩和 "あり"
- FOMC:6 月利上げ "両にらみ(中立)" & 日銀:追加緩和 "あり"
- FOMC:6 月利上げ "慎重姿勢(ハト派寄り)" & 日銀:追加緩和 "あり"
- FOMC:6 月利上げ "積極的(タカ派寄り)" & 日銀:追加緩和 "なし"
- FOMC:6 月利上げ "両にらみ(中立)" & 日銀:追加緩和 "なし"
- FOMC:6 月利上げ "慎重姿勢(ハト派より)" & 日銀:追加緩和 "なし"
逆に、ドル円の下値不安が最も高まるのは、ケース⑥となろう。
当方のメインシナリオは、ケース⑤。即ち、米FOMCはバランスの取れた声明文に仕立てあげるというものだ。一方の日銀は、事前報道から追加緩和への期待が高まっているが、これまでも指摘してきた通り、追加緩和を見送ると予想する。
無論、日銀にとって現下の円高進行は気掛かりなはず。しかし、国際通貨基金(IMF)や経済開発協力機構(OECD)が算出する昨年末時点での購買力平価は概ね 103円から 106 円。足もとの為替相場水準での追加緩和は、為替相場に関する国際社会との温度差を広げるおそれもありそうだ。
一部の報道を受け、追加緩和への期待がドル円を押し上げた後だけに、日銀の緩和見送りを受けて、ドル円は反落すると予想する。
この予想に対するリスクシナリオは、最もドル円上昇が期待されるケース①となる。但し、この場合も、ドル円は次第に戻り売りに押されると予想する。111 円台が上値目処ではないか。
私見
ドル円は、日銀の追加緩和「あり」前提で、その流れを織り込み初めた動きとなっています。来週については、28 日の日銀の金融政策決定会合が最も注目されるイベントとなるでしょう。追加緩和ありなら「円安」、なしなら「円高」という見方がコンセンサスとなっていますが、このような投機的なポジションに振り回されている状況で、果たしてその通りになるのかどうかには一定の警戒は必要ではないかと思われます。
個人的には、何をしようとも結局、日本はアメリカに逆らうことはしない(できない)ので、ドル高へ進むことはしばらく(数年は)ないと思っています。
今回、ロングが積み上がったらショートを構築して待とうかと思っています。
予想 : 109.90 - 113.10