1月25日から1月29日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
1月25日から1月29日までの、ドル円相場に影響しそうな経済指標のまとめと私的な考察です。
日銀決定会合については、さまざまな思惑が出ている。
今週は、日銀内で追加緩和論が浮上しており今回の会合で議論される見込みとの報道や、柴山昌彦首相補佐官が、追加緩和について「まだ判断をするには早い」と述べたとの情報が伝わった。
野村証券チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は「今回日銀が行動を起こさなければ、ドルは115円を割り込むリスクがあり、機関投資家や輸出企業などの相場観に不可逆的なダメージを与える危険がある」とし、ETF購入額の倍増、国債購入額を100兆円に増額、地方債購入を開始などの追加緩和措置を予想する。
ドル円は底固めの可能性も。26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、昨年12月に続く利上げが実施されることはないだろう。今年、米連邦準備理事会(FRB)が4回程度の利上げを想定しているなかで、市場は、今回は当局が正常化の影響を見極めるイベントと捉えている。
日銀金融政策決定会合(28-29日)も現状維持か。年明け以降も黒田日銀総裁は、現段階での追加緩和実施や当座預金の超過準備にかかる付利引き下げの可能性を否定している。もっとも今年から日銀会合は年8回に減少して次回までに6週間程度の時間が空くため、日銀が機動的に対応せざるを得ないとの思惑が生じている。
物価の基調が改善、と自信を示す中で、あえて緩和に踏み切るか否か。物価上昇に賃上げは不可欠とした黒田総裁には1/29会合は熟慮の場面となる。ドル円下値焦点は1/22安値117.52、1/21安値116.465。最大リスクは昨年1/16安値115.84、2014/12/16の115.55を試す動き。対して上値焦点は1/13高値118.38超、1/8高値118.95。超えれば、1/6高値119.18が視野となる。1/5高値119.71は望外か。
年初から株も為替も不安定な動きを続けていましたが、今週は金曜日にそれなりに反発したことで今までよりは気持ち的に少し楽な週末となりそうですね。ドル円に関しては 115 円台を付けたあと急反発し、年初に発表された雇用統計時につけた値まで戻してきています。来週大きなイベントを控える中で、どこまで反発するかに特に注目しています。
ただし、個人的には、状況は全く変わっていない中でのこの反発は違和感を覚えます。ある意味では来週の FOMC や日銀の動きを先取りした形で上がってきているのでは? と思いますので、この動きは次に来る暴落への布石だというシナリオだと思っています。
イベントは多いですが、リスクは取らず、しばらく様子を見てみる時間も大切かもしれません。
予想 : 115.60 - 119.20
経済指標
1/25(月)
- 08:50 (日) 12 月 貿易統計(通関ベース)
- 27:00 (欧) ドラギ ECB 総裁 発言
1/26(火)
- 未定 (米) FOMC 一日目
- 23:00 (米) 11 月 ケース・シラー米住宅価格指数
- 24:00 (米) 1 月 消費者信頼感指数
- 24:00 (米) 1 月 リッチモンド連銀製造業指数
1/27(水)
- 24:00 (米) 12 月 新築住宅販売件数
- 28:00 (米) FOMC 政策金利発表 ★★★
1/28(木)
- 未定 (日) 日銀・金融政策決定会合(一日目)
- 22:30 (米) 12 月 耐久財受注
- 22:30 (米) 前週分 新規失業保険申請件数
- 22:30 (米) 12 月 住宅販売保留指数
1/29(金)
- 未定 (日) 日銀・金融政策決定会合 決定内容・年間マネタリーベース増加目標発表 ★★
- 08:30 (日) 12月 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品除く)
- 15:30 (日) 黒田日銀総裁 定例記者会見 ★★
- 19:00 (欧) 1 月 消費者物価指数(HICP、速報値) ★★
- 22:30 (米) 10-12 月期 四半期実質国内総生産(GDP 速報値)★★★
- 23:45 (米) 1 月 シカゴ購買部協会景気指数
- 24:00 (米) 1 月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値
予想レンジ
モーニングスター
115.50 - 119.00
来週の東京外国為替市場見通し (2016/01/22 18:22)来週の関心は米国内の経済イベントに移りそうだ。注目は26-27日の日程で開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)。市場では16年中の複数回の利上げがコンセンサスとなっているが、原油安や中国経済の先行き不透明感など外部環境の悪化もあり、今回のFOMCでは利上げが見送られる見通し。外部環境の悪化による米経済や金融政策への影響など、FRB(米連邦準備制度理事会)から何らかのメッセージが出る可能性もあり注意しておきたい。
ロイター
115.50 - 119.00
来週の外為市場 (2016/01/22 15:23)26―27日開催の米FOMCでは、イエレン議長の会見の予定がない。これまで底堅かった米経済指標の予想比下振れが相次ぐなか「声明がタカ派的なものであっても、早々に利上げ期待は高まらないだろう。一方、ハト派的なニュアンスが強ければ、直ちにドル売りを誘発する可能性がある」とみずほ証券、金融市場調査部、チーフ為替ストラテジストの山本雅文氏は警鐘をならす。
日銀決定会合については、さまざまな思惑が出ている。
今週は、日銀内で追加緩和論が浮上しており今回の会合で議論される見込みとの報道や、柴山昌彦首相補佐官が、追加緩和について「まだ判断をするには早い」と述べたとの情報が伝わった。
野村証券チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は「今回日銀が行動を起こさなければ、ドルは115円を割り込むリスクがあり、機関投資家や輸出企業などの相場観に不可逆的なダメージを与える危険がある」とし、ETF購入額の倍増、国債購入額を100兆円に増額、地方債購入を開始などの追加緩和措置を予想する。
フィスコ
116.00 - 120.00
為替週間見通し(2016/01/22 16:25)3月の米利上げに向けて市場は手探り状態にあるようだが、日本銀行は今回の金融政策決定会合で、何らかの方法によって追加金融緩和を行う可能性はある。日銀がETFの買い入れ増額などの措置を講じた場合、ドル・円相場はドル高・円安に振れる可能性が高い。ただ、その場合でも心理的な節目の水準である1ドル=120円までは届かない見通し。また、日本株の上昇が一服した場合、追加緩和の効果は限定的となり、ドルは伸び悩む可能性がある。
TRADER'S WEB トレーダーズ・ウェブ
115.00 - 119.50
週間為替展望 (2016/01/23 00:24)
- ドル円は金融政策イベント次第だが米3月利上げに道が開かれたままなら底固めも
- 日銀は政策の現状維持がコンセンサス、円高圧力が根強いなかで総裁会見を注視
ドル円は底固めの可能性も。26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、昨年12月に続く利上げが実施されることはないだろう。今年、米連邦準備理事会(FRB)が4回程度の利上げを想定しているなかで、市場は、今回は当局が正常化の影響を見極めるイベントと捉えている。
日銀金融政策決定会合(28-29日)も現状維持か。年明け以降も黒田日銀総裁は、現段階での追加緩和実施や当座預金の超過準備にかかる付利引き下げの可能性を否定している。もっとも今年から日銀会合は年8回に減少して次回までに6週間程度の時間が空くため、日銀が機動的に対応せざるを得ないとの思惑が生じている。
岡三オンライン証券
武部力也の週間為替相場見通し(2016/01/22 16:40)
116.50 - 119.20
1/18の日銀支店長会議において黒田総裁は「エネルギー価格下落の影響から当面0%程度で推移するとみられる」と挨拶。2%の物価目標実現に向けた阻害要因として、原油の下落を改めて示した格好となる。物価の基調が改善、と自信を示す中で、あえて緩和に踏み切るか否か。物価上昇に賃上げは不可欠とした黒田総裁には1/29会合は熟慮の場面となる。ドル円下値焦点は1/22安値117.52、1/21安値116.465。最大リスクは昨年1/16安値115.84、2014/12/16の115.55を試す動き。対して上値焦点は1/13高値118.38超、1/8高値118.95。超えれば、1/6高値119.18が視野となる。1/5高値119.71は望外か。
三菱東京UFJ銀行
武部力也の週間為替相場見通し(2016/01/22 16:40)
116.00 - 119.00
26-27 日に連邦公開市場委員会(FOMC)が予定されている。日本時間では 28 日の午前 4 時に声明が発表される。政策金利に変更はないとみられる。焦点は、ここへきての市場の動揺、弱い指標の動きなどをみて、次回の 3 月 15-16 日のFOMCでの政策変更の有無についての何かのシグナルを送るかが注目される。しかし、市場の動揺を見定めが必要であろうし、2 月のFRB議長の定例議会証言(旧 ハンフリー=ホーキンス議会証言)で市場の誘導をはかることができるので、今回は、市場に余計な波風を立てない声明(つまり、あまり変えない)の発出に留まるとみられる。まとめ・私見
FOMC
- 今回は利上げなし。
- 市場の動揺や弱い経済指標の動きから、次回(3月)の FOMC で政策変更をするのか、何らかのシグナルがあるのか注目です。
日銀
- 追加緩和「なし」が市場のコンセンサスとなっています。ただし、意見が割れており、今回何もしなかった場合はドル円が 115 円を割り込むリスクもあり、機関投資家および輸出企業にダメージを与える危険性もある。
→ 現在のリスク要因である中国の景気減速や原油安は日銀の追加緩和で解決するわけではありません。
米国
- 29 日の10-12 月期 GDP に注目。米経済に底堅さがあるかどうかを点検。
年初から株も為替も不安定な動きを続けていましたが、今週は金曜日にそれなりに反発したことで今までよりは気持ち的に少し楽な週末となりそうですね。ドル円に関しては 115 円台を付けたあと急反発し、年初に発表された雇用統計時につけた値まで戻してきています。来週大きなイベントを控える中で、どこまで反発するかに特に注目しています。
ただし、個人的には、状況は全く変わっていない中でのこの反発は違和感を覚えます。ある意味では来週の FOMC や日銀の動きを先取りした形で上がってきているのでは? と思いますので、この動きは次に来る暴落への布石だというシナリオだと思っています。
イベントは多いですが、リスクは取らず、しばらく様子を見てみる時間も大切かもしれません。
予想 : 115.60 - 119.20