日経ヴェリタスの 9 月 27 日 10 月 3 日号に日銀の追加緩和について載っているよ~という話を聞いたのでバックナンバーを買って読んでみました。
日経ヴェリタスの 9 月 27 日 10 月 3 日号に日銀の追加緩和について載っているよ~という話を聞いたのでバックナンバーを買って読んでみました。
デフレ心理の払拭
日銀が目指しているインフレターゲットである「2 年で 2% 上昇」。2015 年 9 月の段階では、その実現は険しい道であることが突きつけられています。
目算が外れた原因は、
- 原油価格の下落
- 増税による消費の落ち込み
であると書かれています。
1 に関しては、「コア CPI」は生鮮食品を除いているものの、エネルギーは含まれているため、原油価格の下落が足かせとなり、すでにマイナス圏に沈んでしまっています。
しかし、エネルギーを含んだ「コアコア CPI」についてはプラス基調であるため、インフレ基調は崩れていない、というのが日銀の主張のようです。
そうならば、コアコア CPI ベースで話を進めればいいのではないかという指摘もあるようですが、「デフレマインドの完全なる払拭」が目標となっているからそこにこだわっているようです。
そういう意味では、安倍首相が先日「もはやデフレではない」と発言していましたが、日銀との温度差があるように感じますね。
日銀・黒田総裁が強気な姿勢を崩さない示す目的
デフレマインド脱却には未だ道半ばと考えている日銀ですが、その達成に本気であることの裏返しが、貫かれている黒田総裁の強気な姿勢に現れている、と指摘しています。
10 月末に、日銀は「経済・物価情勢の展望」を発表します。このタイミングで追加緩和を行うという期待もささやかれていますが、時期に関しては来年(2016 年)7 月に行われる総選挙への影響も考えられるはずですから、10月に行わなかった場合は 2016 年春頃という声が高まるかもしれません。
いずれにせよ追加緩和はアリ…か?
世界的な景気減速を受け、日銀が何もせず静観というのは状況的に難しいのではないかという指摘があります。しかし、その手段はそろそろ限られてきているため、どのような方法を取ってくるのかについては不透明です。
追加緩和については本誌では以下の方法が挙げられていました。
- 国債の買い入れ増額(年間 80 兆円から 100 兆円へ)
- 買い入れ国債の平均残存期間の延長(7 ~ 10 年を 9 ~ 12 年に)
- ETF の買い入れ増額(年間 3 兆円を 5 兆円へ)
- 付帯金利の引き下げ(年 0.1 % を 0.05% に)
- 買い入れ債権の対象拡大(地方債や財投機関債など)
個人的には、買い入れ額の増額などは難しいかなと思います。
すでに市場の追加緩和期待が高まっていますが、その副作用も大きく、難しい局面に入りつつあることがわかりますね。
いずれにせよ、株や為替についてはプラスに働くでしょうから、タイミングを見極めたいところです。